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物語思考からWeb3xアート思考でネット社会の歪みを癒やす(中編)

こんにちは!

今日は、以前やった、IT評論家の尾原さんとの対談の中編をアップします。

「けんすうー物語思考からWeb3xアート思考でネット社会の歪みを癒やす中編」です。前編は以下です。

Web3黎明期の戦い方

尾原:「業界が立ち上がっている時期の、コミュニティへの貢献の仕方」と、「業界が立ち上がり始めた段階の、コミュニティへの貢献の仕方」と、「業界がもう安定軌道に入ったときの、コミュニティへの貢献の仕方」が違うという話を(楽天大学の仲山進也さんとしていたんですけど)......。

楽天って、大学があるんですよね。ものすごく特殊な空間で、個人でも月500万円くらいの売上までいけちゃう店舗さんが、けっこう多いんですよ。それはなぜかというと、ものすごくそのジャンルが好きで、その良さをメルマガとかで伝えられるだけの熱量と、それをやれるエネルギーを持っている人がいたら、月500万円くらいまでいっちゃうんですよね。

けんすう:うんうん。

尾原:でも、月500万円からその先にいこうと思うと会社を組織化しないといけないし、月500万円も「好き」が力尽きたら終わっちゃうから......。

けんすう:そこらへんに壁があるわけですね。

尾原:「楽天の中で、学び合いましょう」という大学は何を教えるかというと、(楽天大学は)「いかにして自分がやっている『好き』をチームに変えて、持続的にして規模も大きくするか?」を考え合う場所なんですね。だから結果的に、けんすうが作っている「コミュニティの拡大の仕方を学び合う場所」みたいなのが、楽天大学なんです。

けんすうも、自分が今好きなこと、好きな人たちが集まる中で、それを持続的なかたちのコミュニティやプラットフォームに変えることをずっとやっている人じゃないですか。なので、「仲山さんは1回おつなぎしないと」と思うんです。

けんすう:ぜひ!

尾原:話を戻すと、昨日「仲山さんにWeb3を教えます」という体で(話していて)。

楽天というネットの中で、「興味がない人に買ってもらうための仕掛け」だったり、ネットで物を売ることを、コミュニティやチーム的に解決することだけをずっと考えている人にWeb3を説明すると、「楽天では昔、こんなことがありまして」みたいな話が非常にWeb3的だったりするわけですよ。

けんすう:あぁ、なるほど。おもしろい。

尾原:さっき言った、「40代より上の人にとっては当たり前のこと」みたいな話だから。

Web3とか言ってるけど、黎明期は市場シェアがまだ1パーセントにも満たない。デファインドとかを除けば、基本的には、まだインターネットの中の流通シェアやユーザーシェアが数パーセントという話じゃないですか。

そういう時に、みんなはどういうムーブをするかというと……。新しい勝ちパターンを自分で抱え込むよりも、みんなで回し合って進化し合うほうが結果的に新しいゲームルールを先に身につけられるから、「ゲームルールを作り合うコミュニティを作ること」が大事になってきます。これって、今のWeb3にすごく似ていると思うんですよ。

けんすう:確かにね。

尾原:そういう意味で言うと、今のけんすうの「あえて意地悪に、インターネットの性質を逆用してみます」とか「インターネットがいつの間にか損なってしまった副作用を、Web3的にアートっぽく極端にやってみると、こんなことが起こります」みたいな問題提起って、一番おいしい。

「ゲームルールをみんなで作り合おうぜ」という、一番最初の遊びネタになりやすいんですよね。

けんすう:うんうん、確かに。

「ルールハック」から「ルールクラッシュ」へ

けんすう:「呪いのNFT」を作ろうとしているんですけど……。

尾原:なに?

けんすう:勝手にウォレットにNFTを送ります。それを3日以内にだれかに譲渡しないと、画像がどんどん怖くなっていきます。

尾原:あぁ、勝手に怖いNFTになっていくとか、勝手に増殖していくとか。

けんすう:そうですね。「怖いのが倍々になっていくので、どんどん譲渡しなきゃいけない」というので(市場が)広がるとか、ありますよね。

尾原:(笑)。それって、ネットのバイラル(ウイルス性)の「ブラックユーモア・アート」みたいなものだもんね。

けんすう:そうですね。

尾原:今の話を聞いて思ったのが、バンクシーがアートとして「すごい!」って言われるのは、時代背景の中で「コイツらバーカ、バーカ」って言うと、みんながオモロいと思うところを茶化すからじゃん。

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