けんすう×コテン 深井龍之介対談 - 人と社会はどこにいく(中編)
こんにちは!
今回は、2022年10月27日に行われたVoicyフェスでの「けんすう×コテン 深井龍之介 - 人と社会はどこにいく」の書き起こしの 中編になります。
前編はこちらです。
Voicyフェスの音声は、一定期間、有料で購入できるらしいです。かなり評判の対談だったので、よければ是非とも有料でもお聞きください。
それではスタートです。
けんすう:深井さんはメディアで取り上げられたり、評価されることに一喜一憂することはありますか。
深井:ゼロではないですけど、比較的ない方だと思います。
けんすう:一喜一憂する、しない人の違いは、どの辺にあると思います?
深井:分からないですけど、僕の場合歴史を勉強していると「この世界(現代)で有名になったり、評価されることがマジで意味ない」と思ってしまいます。
けんすう:メタ認知しすぎです(笑)。
深井:例えば、2000年くらい前の中国では、冠の形とかで評価が変わったりしました。その時代の中国人は冠の形で一喜一憂するわけですが、その現場を僕たちが見たら、「しょうもないな」って思いませんか。
我々はそれと同じことをやっていて、後世の人から見ると本当にどうでもいいことに、ものすごく囚われているということが分かります。だったら別に囚われなくてもいいのではないかと思います(笑)。
けんすう:100年後から見た時に、Twitterのフォロワー数とかどうでもいいですよね。
深井さん最近メディアによく出られている印象がありますが、メディアに出ると変わることはありますか?
深井:調子に乗りました(笑)。 調子に乗らないようにめちゃくちゃ頑張っているのに、調子に乗っちゃう現象が必ず起こります。「調子に乗ることはハメ技だな」というのが、僕の中で一番の学びとして面白かったです。
けんすう:コテンラジオでも「調子に乗らないようにしている」とおっしゃっていたと思いますが、それでも調子に乗るんですね(笑)。
深井:そうですね。「調子に乗ることは、滅びの一番最初の入口」だと思っています。歴史を勉強していると、だんだん調子に乗って最後破滅する例を何個も見ているので、調子に乗らないでおこうと思うじゃないですか。
例えばメディアに出て、褒めていただくことがあって、5回目ぐらいまでは「そんなことないです!」とか否定しますが、10回目とか15回目ぐらいになるとどうでもよくなってきて、否定もせず「ありがとうございます!」と返します。そうすると、調子に乗っているなと思われるんだろうなと思います。
僕の視点から見ると褒められるという現象は、新鮮さがなくて当たり前のことになっていくけど、人からみると「調子に乗っている」と思われるという現象が起こるということです。
調子に乗らないということは、「当たり前なことに対してずっと当たり前じゃないから謙遜する」というバグを起こし続けないといけないので、すごく難しいです。
けんすう:でも・・・深井さんって人類の中でかなり調子に乗らないタイプじゃないですか?
深井:どうですかね、本当に調子に乗らない人はまずメディアに出ないんじゃないかなと思います。僕がメディアに出ないと、会社もどうにもならないから出てますけど......。
けんすう:ベンチャーにとっては、メディアに出ることは武器ですからね。
深井:逆にけんすうさんは今「人と社会はどこにいく」って思いますか。
けんすう:向かっている方向は、ポスト資本主義かなと思っていました。ネオ資本主義ではないですが、 Web3でどんなプロジェクトにも投資ができるようになり、リターンが出るようになった結果、いろんなものが資本主義に飲まれていってるという感覚があります。
例えばブロックチェーンブームによって最先端だとブロックチェーンゲームが流行っていますが、ゲーム内で集めたアイテムとかを転売したり稼げるようになった結果、稼ぐためにやっている人はゲームあんまり楽しそうではないんですね。「これって何を起こしてるんだっけ」というのが、個人的には疑問に思います。
人と社会の方向性は、2つあると考えていて、1つ目は、より資本主義が加速していく方向。もう1つは逆に、「なくなった共有知を、みんなでもう一度作ろう」という動きが出ていると思っています。分かりやすいのはオープンソースやWikipediaですね。
Web3とかブロックチェーンだと、誰でもデータを使えたり、そのデータを使って新しいサービスを作ることができてしまうので、強制的に共有知になっているのが結構面白いなとは思っていますね。
深井:なるほど〜。2つの潮流があって、技術の発達によって評価する側と、そうでない側がどちらも出てきているという状況ですね。
けんすう:それがここ10年ぐらいで出てきたブロックチェーンという最先端技術から両方とも出ていることが面白いです。
深井:それは自分も感じていて、どちらも加速している感覚があります。
個人的には、市場経済は別に悪いものではないと思っています。市場経済が捌けない領域があるので。
僕の会社をご存じない方もいらっしゃると思うので説明すると、僕の会社(株式会社COTEN)は「世界史のデータベース」をやっています。
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