けんすう×コテン 深井龍之介対談 - 人と社会はどこにいく(前編)
こんにちは!
本日は、2022年10月27日に行われたVoicyフェスでの「けんすう×コテン 深井龍之介 - 人と社会はどこにいく」の書き起こしを公開します。
Voicyフェスの音声は、一定期間、有料で購入できるらしいです。かなり評判の対談だったので、よければ是非とも有料でもお聞きください。
聞いてくれた方の感想の一部です。
それでは本編行きます!
古川健介(以下、けんすう):こんにちは。アルという会社をやっているけんすうと申します。
深井:株式会社COTENの深井龍之介です。よろしくお願いします。
けんすう:というわけで、特に打ち合わせもなく始まりました。テーマは、「人と社会はどこにいく」です。
深井:分かるわけない(笑)。
けんすう: すごい抽象的なテーマ(笑)。
深井:話しやすい良いテーマを選んでいただいたと思います。
けんすう:「歴史は韻を踏む」ではないですが、同じタイミングで、同じようなことが起こる、螺旋階段的にいくようなイメージがあります。そういう視点から話をしていくのがいいのかなと思っています。
深井:たしかに。
けんすう:今の時代を歴史的に見て、この辺りの時代と似てることってありますか。
深井:いろんな人に聞いていただけるんですが、前提として、やっぱり歴史を見ていても将来って分かんないですね。たしかに予測はできるけど、予想を当てた人って見たことがないです。
だから、今日話す話は全部外れます。 全部外れるんですけど、怪談話と同じ楽しみ方をしてもらったらいいのかなと思います(笑)。
けんすう:なるほどね(笑)。
深井:(似ている時代について)再現性があると思っているサイクルが何個かあります。最近いろんな所で言ってるんですが、 「パブリックなサービスを提供する主体者が誰であるか」というのは時代によって違うんです。
例えば中世だと、宗教施設や宗教団体が、パブリックなサービスを提供しています。パブリックなサービスというのは、「みんなにとって貧民救済ってやったほうがいいよね」みたいなことで、中世だとキリスト教協会がやってました。その後、国民国家が貧民救済をやりますといった感じで、主体者が移り変わっているな、という風にみています。
ソーシャルベンチャーや民間の株式会社が、福祉や交通を巻き取っていくというのはすごく再現性があります。 かつ、巻き取っていった後の何年間かその人たちが権力を振るうので、株式会社ってもっと力をつけるんだろうなって思います。
力をつけると何が起こるかっていうと、倫理を求められるようになります。すでに倫理観が求められる社会になりつつあるんですが、いくつかのポイントを見ていて、今後さらに加速するんだろうなと思います。
けんすう:たしかに、グローバル企業の権力がどんどん上がっていますね。Googleとかもはや公共サービス的な役割も求められていますよね。
深井:そうなんです。20年前は発生していなかったけどスマートフォンの登場以降発生している現象として、有名な企業のCEOなどが、国がやりそうな仕事(公共サービス)を自分たちがやると宣言をしてSNS上で賛同を取り、仕事を取っていくという流れが起こっています。例えば、イーロンマスクがスターリンクを使って何かするぞ!みたいなことです。
けんすう:めちゃくちゃ面白いですね。
深井:ヘンリー8世が出てきて、キリスト教協会がやっていた仕事を巻き取っていく流れと再現性があるなと思っています。
けんすう:なるほど、面白い!「公と私でバランスが悪くなると変わる」というイメージがあって、富裕層に富が集まり続けて格差が広まっているけど、それをパブリックに還元する仕組みがあまりないから、本来税金でやるべきところが動けていない、みたいなイメージを持っています。
そう考えると、イーロンマスクとかが、税金を納めるようなものは自分でやっちゃおう!という流れになるだろうなとは思っていました。
深井:まさに、それがヘンリー8世とかと同じ感覚ですね!
けんすう:なるほど。
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