未来予想図超会議 (尾原和啓さん×けんすう) NFTからお絵かきAIまで(後編)

こんにちは!

先日に開催した、IT評論家の尾原和啓さんとの対談の書き起こしの後編です。前編・中編はこちらです!

DoよりもBeに近づく「NFT2.0」

尾原:あともう1つあるとすると、そこにライフスタイルが根ざしているのがやはり「NFT2.0」だと個人的には思っていて。

要は何かの時間を一緒に共有することって、「Do」することより「Be」に近くなっていくわけですよね。

「Do」する時はゴールが必要だけど、ゴールってゴールが達成したら終わるんです。常に『ジャンプ』のようなインフレを起こしていってしまう。

けんすう:それ、めっちゃおもしろいですね。とにかく次の挑戦、みたいに、とにかく成長拡大みたいな方向に行きがちだけど、「Be」の場合、「あなたとともに、あるだけです」という。

尾原:でもライフスタイルに根ざしていると、「Be」だからさ。同じ価値観を持った人たちが集っているだけでいいわけですよ。

「Do」は何かをやることの達成感とか、だれかよりも先に何かをする中でのエンドルフィン的な快楽なんですけど、「Be」は居心地のよさなんですよ。だからどちらかというと、セロトニンなんですよ。

けんすう:それはおもしろいですね。

尾原:だからエンドルフィンNFTよりも、セロトニンNFTのほうが長持ちするのでは?

けんすう:それはめちゃくちゃさすがですね。

尾原:前にけんすうが言ってたじゃん(笑)。

けんすう:たしかに、だんだん僕が伝えた気がしてきました(笑)。

CNPとかは、「Do」のところがとにかくすごい。次へ、次へという。だからイケハヤさんみたいなバイタリティがある人と、それを応援したい人はとてもマッチしているけれど、逆にいうと、お金に余裕があるとか時間に余裕がある人じゃないと、ついていけなくなっちゃうんですよね。疲れちゃうという。

でも、「もっとコミュニティに貢献しよう」と言われるNFTもあったりするので、それはそれでやっぱり疲れちゃう。

尾原:「Do」を重ねていくと、高度なことをやらなきゃいけなくなるから、教養が必要になっていくんだよね。

けんすう:ああ、教養もあるしコンテキストも必要になってきますよね。

尾原:何をレバレッジするかという話だからさ。そこについていける母体側に合わせていればいいけどね。

やはり「Bored Ape」がうまいのは、「俺たち、ものすごい高度な知能を備えているんだけど、金も持っているし退屈でウキャウキャしているんだよね」というライフスタイルの象徴じゃないですか。だって、「Bored Ape」なんだけどヨットを持っていて集まるようなヤツらだから。

だからそういう意味では、「Yuga Labs」ってDoingの塊なんだけど、ある種そういう優秀で金持ちだけど、退屈だからこそ逆に象徴的に動きたいんだという「Be」を兼ね備えていて。

優秀な「Be」のヤツを惹きつけるための環境装置もちゃんと作っているから、「Do」のインフレに耐えられる構造なわけですよ。

けんすう:すげー、なるほど。だれか他にそれを言っています?

尾原:知らない。

そんなのは京都の人間からすると、「田舎もんのすることだね」って感じになるわけですよ。「まあまあしょうがないよね、デビューが遅い人は」という。「うちら2000年前にデビューしてるからね」という考え方ですよ。

けんすう:おもしろい。尾原さんは、何かやらないんですか?NFTプロジェクトは。

尾原:(笑)。

けんすう:やらなそう〜!

尾原:やらないでしょう(笑)。アセット(資産)を持たないことが、僕の流動性の根幹ですからね。

けんすう:そうですね。いやー、おもしろいなあ。

尾原:イケハヤさんが『男塾』のように、インフレ地獄を駆け上がれるかですよね。

ただ、お金が集まったときに圧倒的な量が質に転換する時もあるからね。

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