落合陽一さんの手法には明確に反対するよ、という話
こんにちは!
先日、落合陽一さんと、X上でいろいろ対話して盛り上がりました。それについて意見を書きます!
といいつつ、まとめてみて思ったんですが「至極わかりづらい話だな」とも思ったので、「読んで理解してくれ!」みたいなものでもないありません。
何の話?
内容を全部お伝えすると、それだけで何万文字になってしまうので、ものすごくざっくりお伝えすると、
僕が、「ゆる言語学ラジオ」というPodcastの内容がおもしろかったのでシェアをした
それに対して、落合さんが「誹謗中傷や悪口でお金を稼いでいる人のコンテンツをシェアをするということは、その人たちのそのような行為を肯定するのですか?」といった趣旨のことを投げかける
それに対して僕は「そもそも、このコンテンツを作ってた人たちがそんなことをやっているのは知らないよ」ということをいう
というのがはじまりまりでした。
その上で、議論は
けんすう意見
コンテンツをシェアするときに、その人たちが過去にやってきたことを知った上で、社会的責任を背負って投稿するのはやり過ぎでは?
しかも、シェアしたコンテンツに誹謗中傷が含まれていない内容の場合、なおさら責任など負えないのでは?
ギリギリ「その人たちがやってきたことについて知っていて、肯定的にで、その上で他の内容をシェアした」だったらわかる
この「本人ではなくて、コンテンツをシェアをした他人を批判する」という手法自体、よろしくないのでは?
落合意見
誹謗中傷は正しいプロセスを経ても全く減らないし、攻撃される側はやられ続ける
その場合別のアプローチが必要。本人などではなくて、遠くから批判をして「関わった人が後味が悪くなる」という状態を作るべき
これにより誹謗中傷コンテンツを支持する人が減る可能性があるのでは(仮説であり実験)
という感じでした。
で、このあたりは、わかりやすさ重視で意訳しているので本当のやりとりをみてもらうほうが正確性が高いです。
こういってはなんですが、一方側の意見のまとめというのは非常に危険です。バイアスや「自分が正しいといいたいが故の、絶妙な表現の調整」などを行うからです。なので、鵜呑みにせずに見てもらうほうがいいんじゃないかと思っています。
大元の原因?の件は解決済みとなっているようですが、すいません、こちらに対しては僕も経緯をそんなに理解していないので、わからないです。
以下のブログを読むのが一番シンプルかなと思います!
どういうスタンスで読むべきか?
この記事ですが、「どのスタンスで読むか」がちょっとややこしいので提示しておきます。
まず、上記でもちらっといいましたが、「議論をした一方による意見」なので、当然、僕のバイアスが多くに入ります。ずっと「自分が正しいよね」という風に感じてもらうための仕組みや工夫がたくさん入っているはずです。もちろん、書き手として誠実であろうと思うことで、そこを排除しようと努力はしているつもりですが、完全にゼロにはできません。
なので、読みすすめる上で違和感を感じたら、原典に当たるようにしてください。
そして、本記事は「構造」の話を重視しようと思っています。というのも、油断すると、人間はつい個人のせいにしてしまいます。個人の話にしてしまうのが一番理解しやすいからです。
なので、本記事や本件に関して「落合陽一がこうだからこうだ」、とか、「けんすうはこういうやつだからこうだ」、みたいな話にすると一気に問題がこんがらがります。この記事に対しての批判やご意見は大歓迎ですが、「個人や人格の話」になるのであれば、それはこの記事の本筋ではないので、話がかみ合わないかもしれない、というのは頭の片隅においといてください!
また、読む理解をあげるために、僕のスタンスを明確にしておくと
誹謗中傷は個人的には反対の立ち場
いきすぎた表現やデマなどはもちろん、正当な批判であっても、大量の批判が短期間に来すぎてしまうことへも懸念を持っている
悪口や揶揄をコンテンツにするのはあまり好きではないといっている
一方で、匿名掲示板文化などからの出身なので、自分でも「本当かよ」と思う気持ちがあります。
むしろ、斜めに見たり、ブラックジョークを交えたり、ユーモアを交えて見るというのは好きな可能性もあります。ただそれをいうと嫌われそうだから「そういう悪口は嫌いだな!」といっている可能性はある。自分では認知できない部分。
私刑には反対の立ち場。
落合さんとは2,3回?会ったことがあるし、X上でのやりとりもあるので、基本的には良好。リスペクトもしているし、個人の好みでいうと、かなり好きなタイプなので、好意的な立ち場
です。
ではいきます!
落合さん側への理解
まず、落合やりとりをした上で、落合さんのやりたいことは、そこそこ「理解」はしたつもりです。
まず落合さん側の課題としては、一番大きいのが
誹謗中傷は、ターゲットにされるとやられ続ける
それはいくら言葉でやめろといっても、裁判に訴えても、やめてくれない。むしろ、ネタとして、燃料として使われてしまう
というところだと思いました。これは結構ある現象で「攻撃していい対象なんだ」と思うとひたすらに誹謗中傷が来ます。また、誹謗中傷とまではいかなくても、強い言葉での批判も来たりします。
一人一人は「悪いことをしている人に、ちゃんと声をあげて批判をするほうが社会正義だ」と思っていたりするので、より止まりません。
以下でも記事にしたことがあります。この記事は未だにめっちゃ読まれます。
なので「とまらないまま攻撃され、やり返しても相手はむしろより攻撃を強めるのであれば、他の手段をとるしかない」となるのは、一定の理解ができます。
実際に、今回のやりとりをみた、他の著名人の方から「この意見はすごいわかる。どう対応をしようとしてもすべてネタにして使われてしまう。すでに対応に使っているコストが莫大だけど、どう対応したら止めるのかがわからない」と悩んでいる人もいました。たしかにそうなんです。
落合さんの今回はその手段は、その状態に陥った人が、どう誹謗中傷を抑えるべきか?を考えた上で出てきたものです。それは、「そのコンテンツに関わった人の中で、遠くにいる人を攻撃して、後味を悪くする」ことです。
正確にいうと以下のようなやりとりです。
ちなみにシェアした時の画像はこれ。
それに対しての返信。
んで、上記の通り、今回のやりとりの中では、僕の意見としては、
誹謗中傷の是非とかはおいておいたとしても、「コンテンツをシェアしたら、そのコンテンツを作っている人の過去のコンテンツや、言動まで含めて、社会的責任を追求されるのはやりすぎでは
です。
特に、落合さんは、50万フォロワーがいて知名度も高く、研究者でもあり上場企業の創業者でもありメディアに出演する人でもあります。研究者としても、ビジネスパーソンとしても有名であり、かつお金、人脈などの面でいっても、かなり豊富なリソースを持っています。
何も知らないでコンテンツをシェアしたら、突然そんな大物から「悪口炎上ビジネスを肯定する人ですか」みたいに問われたら、、普通だったら怖いと思うんですよね。
僕も今回の件、落合さんとお話して最初に思ったのは、「すいません、ゆる言語学ラジオも5話くらいしか聞いていないし、お二人のお名前も把握していないし、その人たちのXもフォローしていない、ブログも読んでいないくらいの知識だから、知らないんです」なんです。
たとえば、漫画を読んでおもしろかったから「この漫画おもしろかった」と描いたら、「いや、この漫画家は昔、こういう漫画を描いて人の悪口を書いていましたよ、誹謗中傷をビジネスにしています。誹謗中傷をビジネスにするのに対してあなたは肯定的なのですか?」といわれたら、ちょっとびっくりすると思うんです。
落合さんはというと、「他のすべての社会との接点に是非を問う」という言い方をしているんで、「接点であれば全部徹底的にやりきる」といっています。
なので、今回の件についての最初の論点は
誹謗中傷を減らすために、すべての社会との接点に「悪口炎上ビジネスを肯定するんですか」と全員に、徹底的にやりきるという落合さんの信念があり
それに対して「コンテンツをシェアしただけで悪口炎上ビジネスの肯定者だと突然問われてしまうのはやり過ぎでは」という僕の意見があった
というものでした。
その上で、、、
このやり方はよくない
個人的には「当事者が持つ他のすべての社会との接点にその是非を問う」というやり方は反対ですよ、というのが今回のnoteです。
前段が長くてすいません!
というのも、これに効果があるのは、実験などをせずともほぼわかります。
今回のやりとりを分解すると
という形でした。抽象度をあげると
です。攻撃をする、という表現は過激かもしれませんが、
当事者が持つ「他のすべての社会との接点」にその是非を問う
関わった人全員の後味を悪くする
というやり方なので、僕はこれは「攻撃」という表現を使っても差し支えないと思いました。
んで、、、これはどう考えても効果は高いんです。というのも、「一番、相手が嫌がるであろう私刑を実行しましょう」とほぼ同意義だからです。「相手が強くても、相手の周りにある無関係の弱い人を狙う」というやり口ができちゃうんですよね。
イメージしやすいようにいうと、、たとえば、落合さんを攻撃しようとしたときに、Xで書いてもほとんどの場合効果がありません。
じゃあ、どうすればいいかというと、
「落合さんにこんな感じで攻撃された。落合さんはXで収益化もしている。誹謗中傷や他人を貶めるような投稿で金稼ぎしている人が学生に教えているのはどういうことなのか。」と筑波大学に言うなどの手段が考えられます。
「筑波大学は、誹謗中傷の支持者ですか?」と言い続けるわけですね。
で、これが効果なければ、今度は、学長の個人を攻撃する、同僚を攻撃する、とかはあります。さらにいうと「その個人たちの家族をターゲットにする」も効果があるはずです。
たとえば、学長の孫とか、同僚の子供が小学生だとしたら、「あなたのおじいちゃんは、人の悪口とかでお金を稼ぐのを良いと思っている人なんだよ。○○くん/ちゃんがそうされたらどう思うかな?悲しいよね。でもあなたのおじいちゃんはそういうことが良いと思っているんだよ」みたいに言い続けるとか、
その周りの同級生に「あの子の家族って、人の悪口を言ってお金を稼ぐのは良いことだと思って、そういう人と一緒に仕事をしているんだって。あなたもきっと、いつか悪口のターゲットにされるから近寄っちゃだめだよ」みたいにするとか。
いくらでも、マフィア的な手法が思い浮かびます。
とにかく、「一番弱いところ」を「いいかがりをつけて攻撃をする」というのをやると、どこかが根をあげます。「そういう行動をやめてくれ」と本人に言うかもしれませんし、直接これが原因にならなくても「あの人は面倒だから、何か小さい問題がおきたときに、それを理由にしてやめてもらおう」みたいになったりします。
ガーシー容疑者が「母親のことは勘弁してくれ」といってたのは記憶に新しいです。
まあ、このあたりは「私刑(リンチ)は法治国家ではダメだよね」というシンプルな話です。
問題点
いくつか問題点がありますが、
設定された課題がそもそも社会善なのか?の線引きが難しい
実行する内容に歯止めがかからない
です。
1ですが、今回は「誹謗中傷、悪口ビジネスはダメ」という設定なので、一見正しそうです。でもその基準って誰が決めるのか?というと、言われた本人になるんですよね。
たとえばAさんが、僕に対して「このnoteの意見、ここが間違っていますよ」というのを言ったとします。僕が「これは誹謗中傷だ、アンチだ」といって怒って、そのAさんの他の普通の投稿をシェアしている人に「あの人は誹謗中傷を好んで書いている人だが、あなたは誹謗中傷を肯定するのか」といいにいくとかも起こりえます。
裁判所経由だと「さすがにこれは批評の範囲内だよね」という結論になりそうですが、私刑をしていまうと、こんな感じで線引きが自由なので、逸脱が簡単です。
さらに2もそうなんですが、そこから「Aさんの他のなんでもない投稿をシェアした人の勤務先に対して、ひたすらに電話をかけつづけて恫喝する」とかまでいきかねなくなります。効果の高い私刑を実行する、となった途端に、エスカレートしていくのが止められなくなっちゃいます。
というので、なんで私刑がダメかというと、「基準の線を拡大し続けることが可能だから」だと思っています。
「○○人が大勢引っ越してきて地域社会に迷惑をかけている」「警察や自治体は対応してくれないので、自分たちで抗議活動をするしかない」というところから、「○○人は、力で排除するしかない」となるまでがものすごい地続きなんです。
私刑は迅速に物事が進み、かつ迅速なことはわかりきっています。なので、私刑はダメということです。
その上で
勘違いしてもらいたくないのは、僕は「誹謗中傷を言われて、それに対して反論をしたり怒りを表明するのが私刑」といっているわけではないです。
今回でいうと
「誹謗中傷のコンテンツを投稿したら、その人は責任がある」
「投稿した側ではなくても、それを意図を持って拡散人にも責任がある」
は一つの線引きになるでしょう。要は「意図的に情報を発信をしたら責任がある」です。
なので、それに対して、とるべきは
X上で投稿をやめてくれなどという
その行為について、反論、反対意見を出す
訴訟をする
などはしてもいい範囲です。
一方で「その投稿や情報と関係ないところでつながっている人を攻撃する」はやってはいけない側の行為だと思います。
今回、落合さんは「誹謗中傷ビジネス、悪口をコンテンツにしている人の、別のコンテンツをシェアをした人に対して、それにも社会的責任があり、その人を誹謗中傷コンテンツの擁護者としてレッテルを貼っていくことで、後味を悪くしようとしている」なんで、僕はこの意見には反対だよ、という話でした。
じゃあどうするのかというと、個人的に活動しているのは
度を超えた誹謗中傷には開示請求、訴訟などをする
お金がない人には訴訟代金などを負担する
X社の対応で問題があるところは、X社を訴訟する
地道な通報、ブロック、コミュニティノート執筆、投票を行う
つながりがある人がやってた場合は「その投稿はよくないですよ」と直接伝えて、削除や編集、訂正をしてもらう
影響力が強い政治家、議員とつながり、対応や今後の進め方などについて提言(これはまだ人脈を作っている段階)
などです。
いや、わかるんです。めちゃくちゃダルいし、お金がかかる割に、進みがものすごい遅いので。即効性のあることではありません。「そんなんじゃ変わらねーよ!」と思う気持ちはめちゃくちゃ理解できます。
しかし、このあたりを丁寧に進めていく、ということこそが、前進になるんじゃないかと思っているという感じです。
というわけで
改めて意見を書いてみました。
といいつつも、落合さんも
といってたので、副作用は認知済みだとは思うんですが、、、
落合さんの評判が下がるかどうか、よりも「この手法が有効だよね、となった上で、みんながそれを活用しはじめると、今よりもはるかに状況が悪くなる」と思っているので、反対意見を書きました。
この方向で物事が進むと、僕とか落合さんみたいに「フォロワーがたくさんいて、人脈があって、お金も使えるタイプ」こそが圧倒的に有利になってしまいます。攻撃するリソースが豊富だからです。
僕は、そういう社会はおそらく良くないだろうなと思うので、明確に反対だなーと思ったので書きました!
では!
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