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『限りある時間の使い方』を読んで、「なんとなく効率が悪い気がする」が解決した話

こんにちは!

今日は、flierさんという本の要約サイトで、『限りある時間の使い方』という本を紹介したインタビューの書き起こし記事を掲載します。

自分の生産性について考えていたときに読んで、とても参考になった本なので、紹介してみました。ぜひ読んでみてください!

今日の記事は、flierさんのサイトで動画で見ることもできます。

前編はこちら

仕事に対する時間の使い方を改善してくれた一冊

けんすう: YouTube創業者のストーリーか何かを読んで、歯医者に行って待ってるときに久しぶりにこれだけ安らかに時間を過ごせたみたいな話があって、すごい気持ちがわかるんですよ。 

歯医者で、例えば歯の治療している時って何もできないので、めちゃくちゃ休めてる感じがするみたいな話があって、そういう状況になっているのってやばいなと気づきますよね。

というわけで、『限りある時間の使い方』という本を紹介させていただきます。多分2022年頃だったと思うんですけれども、会議とかがめちゃくちゃ忙しくて、トイレに行くにも走んなきゃいけないぐらいパツパツに仕事が入っている状態でした。

だからといって、生産性がすごい上がってる感じもしないみたいな課題感がある時に、読んだ記憶がありますね。

けんすう: どういう本かというと、 生産性とは罠だというふうに、この本の中表紙には書いてあります。

今の時代、とにかく予定を効率的に詰め込んで、忙しく仕事をして、どんどん生産性を上げていこうってなってるけど、人生という限りある時間で、ほんとにそれでいいんだっけ……みたいなことが書いてある本です。
 
めちゃくちゃ仕事の量をこなしてるし、努力してると思ってるけれど、なんとなく効率が悪い気がしているっていう人が、たぶんこの本の対象で、僕もそうなのですごいわかるんですけど、そういう人が取る挙動って「より仕事を入れる」なんですよ。

今日一日、3時間ぐらい空きがあるなって時に、じゃあ3時間ぼんやり考え事をしようっていう選択肢をなかなか取れなくて、だったらこの3時間で企画書を書いてみようとか、ちょっと新しい仕事を作って、そこの仕事に時間を費やすっていうことをしがちなんですね。

その方が安心するからなんですけれど、仕事を入れないっていう選択肢を持った方が多分いいだろうなと思います。要はじっくり考える時間、しかもそれが別に1時間も取れないとかではなくて、5分とか10分すらも取れないと、枯渇していくような感覚になるんです。

自分の中でインプットとアウトプットが忙しなく行われている中の中間というか、インプットされたものを、ちゃんと自分の中で消化してから、アウトプットしなきゃいけないのに、その消化がされてないみたいなイメージです。

ちゃんと30分間、何もしない時間を作る方が精神も休まって、頭の回転も良くなって、そこで非常に良いアイデアが出て、いいものが作れるみたいな経験はちょこちょこ増えてきたので、 その意味でもこういう本は役に立ってる感じがしますね。

自分の仕事における「生産性」の本質を考える

けんすう:割と人は、生産性について考える時に、料理とかに例えるとわかりやすいと思うんですけど、たくさんの料理の量を作ることを生産性だと考えがちだなと思っています。

料理を作ったら食べる人が美味しく感じて、適切にお腹いっぱいになるみたいなのがゴールなんですけど、「たくさん作るためにはどうしたらいいんだろう?」「じゃあ野菜を切るスピードをもっと早くしよう」とか、「野菜をたくさん切れる道具を導入しよう」みたいになるんです。

でも出された方としては「こんなに食べきれないよ」とか、「10品目は多すぎだよね」みたいなことが起きてる感じなので、実際の目的に対して、ちゃんと適切なものを出せてるかどうか?っていうところが生産性なのかなと思ってます。

目的に対して適切なものを生み出せているか?

けんすう:なかなか仕事量も減らせないっていうのが正直なところでもあるんですけれども、 「やらない仕事を決める」とか、その辺が大事なんだなという実感はありますね。

実践例として、80点と85点にそんなに差がないので、5点を諦めるとかもありますし。だから 「ベターはあんまりやらない」とか、「ベストしかやらない」みたいなのはちょっと意識するようになりましたね。

この本によって実感した「すばらしいこと」の基準

けんすう:この本の中で、正確には多分、時間の話ではないと思うんですけど、すごくいいことを言ってたなと思っていて、インターネットによって何が起こったかというと、世界ランキングにいきなり飛び込まされるみたいな話があって。

起業家の分野でいうと、もう完全にイーロン・マスクとか、そういった人が目に入っちゃうわけですね。

3社も4社も会社をやって、すごい世界を変えるようなことやってるとなった時に、例えば100人の会社の経営者で、従業員にちゃんと給料払って雇ってて、 1000人のお客さんが喜ぶようなことをしてるとかも、本当はめちゃくちゃ素晴らしいはずですよね。

でも、もう全然ダメだと思ってしまうみたいなのがあって、それによって、どんどん時間を使って、もっと成長しなきゃという「焦りがあるよね」みたいなことが書いてあるんです。その観点はすごい良いというか、大事な考え方だなと思ってます。

例えば漫画家さんとかでも、 本来であれば、1000人の読者が「この漫画本当に良かった!」「感動した!」って言ってることが素晴らしいのに、 『鬼滅の刃』と比べて、1億部売ってる漫画家さんがいるのに、自分は1000部しか売ってないとか思っちゃうのって、あんまり幸せなことではないなと思ってて。

それこそ一人で働いて家族を養ってるだけでも、すごい素晴らしいことなのに、 「自分はなんでこんなにダメなんだろう?」と思っちゃうとかは良くないよねという観点のもと、こういう本に書かれてるような、そういうのも素晴らしいよねとか、 自分が本当に有意義だと思う時間の使い方をしようねっていう啓蒙は大事だなとは感じてますね。

数とか、数字じゃないじゃないですか。一人ひとりちゃんといらっしゃるので、そこを無視して、フォロワー数が100人じゃなくて、1億人のInstagramでないとダメだって言っちゃうのは、なんか数字としてしか見てないような感じがして、僕は好きじゃないんでしょうね。

AIの進化によって「時間の使い方」は一変する

けんすう:本当にChatGPTとかによって世界が変わっちゃったんで、大変ですね。

例えば、自分の仕事でもYouTubeのタイトル考えてとか、記事のタイトル考えることも、今までは専門のライターとかが10個とか考えてやってたのを、100通りとか1000通り、AIが数分でできちゃいます。

また、AIに専門家を10人いるっていう設定にして、その専門家に10個ずつ出させて、お互いに一番いいのをピックアップして、ベスト10位出してくれっていうと、かなり精度高いものが出るので、そこからタイトル選ぶだけってなった瞬間に、人が1時間かけて出してたアイデアがいらなくなるというのは、現実に起こってます。

この番組の録音の書き起こしとかも、この動画を情報として得たい人は、文字起こしボタンを押して、右側に出る文字起こしをコピペして、ChatGPTに投げて要約してって言うと、5行ぐらいにまとめてくれるので、 多分1分かからずに、「この30分の動画こうだったな」ってできると思うんすよ。 

本当に情報だけ欲しい人は、そういうやり方を取るのかなと。

で、一方で「なんか好きだから」とか、「なんとなく喋ってんのを30分見たい」みたいなニーズもこれはこれで別であって。 芸能人の人やアイドルの人がやる、なんてこともない30分のラジオがすごく好きみたいなのってあったりすると思うんすね。

情報価値としては、他の人から見たらそんなに高くなくても、30分聞いていたいみたいな、こちらはこちらで大きな価値があるので、この二分になるような気はしてますね。

時間が短縮して事が成せても、生産性や効率が上がっているとは言えない

けんすう:けっこう大事なのが、例えばおそらく自己啓発本100冊を読んで、内容をまとめると、ほぼもう10行ぐらいで、 AIでこの100冊っていうのを説明できるとは思うんですけど、たぶんその10行を読んだ時に「普通のことだな」って思っちゃうと思うんですよ。

本の中身ではいろんな演出で感情に訴えかけたりとか、揺さぶったりすることによって読者に染み込ませるので、要は全部の栄養素が入ってるサプリを飲んでも、食事した感じはしないように、結局は実体験に戻ってくるのかなっていう気もしますね。
 
だから儀式とかって、やっぱり人類にとってはすごく大事で、バーンとすごいテンション上がって、音楽が流れて、すごい拍手のもと講演者が出てきて、熱狂して、会場の熱気があって、成功者が成功哲学を語る1時間みたいなのがあって。

その興奮の中で、友達と「すごかったね!」って話して帰ってみたいな経験があるのと、「5行で言うとこれです」みたいなものだと、やっぱり全然違うよねっていう、その体験の話の違いは出てきそうだなと思いますし、それがよりはっきりと5行で出せる技術が出ちゃったおかげで、それをより認識すんだろうなとは思いますね。


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