かっぴー×けんすう対談「NFTアートの魅力けんすうさんに聞いてきました!」(後編)
こんにちは!
現在、漫画『左ききのエレン』とslothのコラボ衣装を一週間限定で販売しています。『左ききのエレン』はシリーズ累計300万部を突破した、クリエイター群像劇です。noteで毎週木曜日に最新話が公開されています。
今回は、僕が『左ききのエレン』のYouTubeチャンネルにゲストとして出演し、原作者のかっぴーさんと対談した模様を記事化してお届けします!
こちらの記事の内容は、YouTubeで視聴することもできます。
前編はこちら
どんなNFTが人気なの?
かっぴー:今のトレンドとかもあると思うんですけど、ちょっと聞きたかったことがあって、NFTアートの絵柄ペーストって、ちょっと可愛いとかそもそもめっちゃデジタルぽいとかドット絵とか、ポップな方が売れるんですか?
けんすう:それはそんなに定まってないと思うんですけど、2つ理由があって。
ドット絵っぽいのはあれ、全てのデータがブロックチェーン上に置いている、フルオンチェーンって言ったりするんですけど、あんまりデータを置けないんですよブロックチェーン上に。
だからドット絵でやってるっていうのがありますね。技術的な限界としてあれぐらいしかできない。
かっぴー:テイストじゃないんだ。
けんすう:そうですね、ただあれが超流行ったから、あのテイストが流行ってるっていうのはありますね。
もう一つはジェネラティブという概念で、何かというと5,000体を全部一人で描くのって超大変なんで、10種類ずつぐらいパーツを組み合わせるんです。
例えば「頭の絵柄10、顔の絵柄10ってやるとこれで100体作れる」みたいな組み合わせで5,000体とか1万体作るっていうのがありますね。
かっぴー:分かります、そういうキャラクターメーカーとかもありますよね。組み合わせですね。
けんすう:そうですね、アバターのアプリとかと同じですね。
そのため、見た目が全部横顔で、マスクとか仮面とか分かりやすいアイテムを身につけてパターンを作るみたいなのがあるので、結果的に似たパターンの絵になるみたいな感じですね。
かっぴー:ただ、単純にアートなんだったら風景画でもいいわけじゃないですか。
けんすう:そうですね、これもまたPFPという概念があって、プロフィールピクチャーの略なんですけど、単純にSNSのアイコンにしやすいみたいなのが人気になったっていう。
風景画だと「何に使おうかね」ってなっちゃうけど、アイコンだと「俺これ持ってるぜ」とか「これ知ってる?100万円すんだぜ」ってやると俺金持ちアピールとか、持ってる人同士で繋がって、100万円出せる人同士で交流して仕事になったりとかそういう期待がありますね。
かっぴー:あるんですか?
NFTアートで人脈が広がる?
けんすう:あるみたいですね。BAYC(Bored Ape Yacht Club)っていう有名なやつは、めっちゃ高いのでそこの一員になると、1,000万円この画像に払える人しかいないとかになるので、超金持ちクラブになるんですよ。
かっぴー:金持ちクラブだ、それ確かに。
けんすう:で、やましい話、彼らがこのNFTを流行らせようぜって一斉に買うと、値段が上がるんで、つり上げて儲けるみたいなことをやってる人たちもいるという噂がありますね。
かっぴー:でも、あるでしょうね。最近取材で不動産投資の勝ち組の会とかあるんですよね。「そこでの情報交換が一番強い」って言ってて。
NFT買うとコミュニケーションに参加できるっていう、ちょっと噂で聞いたんですけど、単純にその趣味が合う以上のなにか。
けんすう:おっしゃる通りですね。その不動産の話は分かりやすくて、不動産って公開市場ではないので、不動産に詳しい人、業界の人とお金持ちの中だけでいい物件でもやり取りされて売られてるんですよね。
かっぴー:そうなんですよ、だからこっちに回ってこないんです。
けんすう:回ってこないですよね。
で、この物件いいのありますよっていうのをお金持ち同士、不動産業者同士で回しているから、彼らにどんどんお金が集まっていくわけですけど、そのコミュニティに入れるのはめっちゃ価値があるんですよ、みたいなのがNFTでもありますね。
日本だとどちらかというと、応援できるとかファンクラブ的なものとか趣味が合うとかをコミュニティとして呼んでるので、ちょっとコミュニティの意味合いが違うんじゃないかなと思います。
noteメンバーシップの可能性
かっぴー:ちょっと違うけど、noteで今メンバーシップやってて、何の差もないんだけど、ノーマルとサポートとパトロンで値段を3つに分けてるんです。
そのパトロンの人たちを全員呼んで、全員の力を集めたらすごいことができそうですよね。差もないのにわざわざパトロンに参加してくれてる人って、お金に困ってないですよね。
けんすう:ソーシャルゲームでも、ソシャゲの運営会社の人に聞いたんですけど、1位の人はいくら使ってるんですかって聞いたら、5,000万って言ってたんです、月に。
なんで5,000万円も使えるんですか?って聞いたら、上位の5,000万使えるような人たちで仲良くなって、ビジネス回して、5,000万回収できるって聞いて。
かっぴー:うそ!?(笑)。
けんすう:マジでって思ったんですけど、確かにさっきの不動産の話みたいに、その規模でお金動かしてる人から見ると、新しい人とつながって1億の仕事をやるだけでペイしちゃうとかはあるのかもしれないなって。
かっぴー:確かに、僕から言うとちょっと感じ悪いかもしれないですけど、けんすうさんもパトロンに参加してて、僕は知らない体でしたけどもちろん知ってます。
参加してくれてる関係性の中で、「こういうコラボしましょう」っていう話が来たら断るわけない。これってある種、営業でもあるし、もう身内になるっていうか関係が作れますよね。
けんすう:おっしゃる通りで、例えばパトロンのわずかなお金で、300万部近く売れてる漫画の人にコラボしましょうよって言うと、断りづらいしやってくれる。
やってもらったことによって今度はこのコラボの売り上げを9割ぐらい多分返すっていう契約になってると思うんですけど、それによってかっぴーさんに売り上げがつくと、我々はこのコラボでこれだけ売上作ったってことが言えるし、かっぴーさんに収入が入ると、そうするとまた僕らお願いしやすいし、かっぴーさんもコラボしてあげたからちょっとYouTubeでけんすうさん呼ぼうみたいにできますよね。
かっぴー:いい循環だ!
けんすう:このYouTubeで、僕は今NFTの宣伝をしてるみたいなのが、ぐるぐる回ることを人はズブズブと呼ぶんだろうなと思いました(笑)。
超一流の数兆円規模の企業でも、社長と社長とのやり取りで、「この決済機能をこのコンビニに入れてくださいよ」みたいなことがやっぱり貸し借りの関係で決まったりするらしいですね。
かっぴー:本当にそうですよね。僕なんか代理店にいたからなおさらそういうの見てたし、ズブズブって悪い響きだけど、それが社会じゃないって思います。
けんすう:身内だけで回してて、嫌な感じよねと思いがちなんですけど、結局細かい信頼の積み重ねで、お互いに誠意ある商売やってるから大丈夫みたいになっていっているっていうのがあるので、結局そういうのがビジネスの根幹にやっぱありますよね。
かっぴー:それで言うと今も全然フェアだと思ってて、そのけんすうさんがパトロンプランに入ってるのは、普通に隠してないからわかるじゃないですか。
でもその昭和とかの時代だったらさ、誰も知らないときに料亭で奢ったり、「かっぴーくん、私が飯を奢ってあげよう」みたいな感じなのかもしれないけど、今の時代はすごいクリアだと思う。
けんすう:そうですね。僕も営業しようと思ってやってるわけではなくて、かっぴーさんが始められたので応援したいなっていうのと、半分ぐらいはこれが成功事例になったら、他の人もこういうプランで雑誌に連載しなくて漫画ができるよね、と思ったとかもありますね。
インディーズ漫画はおもしろい!
かっぴー:それなんですよ。さっき言った、マス向けすぎると読者もある一定のところからその作品に近づけない。
でも作品を鑑賞するってそういうことだからいいんだけど、もっと作品との接点が欲しくて、接点が強い作品がどれだけ楽しいかもインディーズ漫画家としては知ってるわけで。
ある種ちょっと聞こえが悪いかもしれないけれど、読者ともズブズブっていう。読者のご機嫌を取る漫画っていう意味じゃなくて、今日話したようないろんな要素、何らかの形で作品に関係を持っているって思える作品作りは、マスじゃできない。
やっぱり出版社を通すそういうことはやりづらいっていう中で、自分はただ好きでインディーズ漫画を描いていたつもりだけど、最近ちょっとだけ、自分の得にはならないけど、真似する人が増えた方が本当はいいよなって思い始めた。
今までは、あんまり言うとどうしても成功者アピールみたいになっちゃいそうでちょっと嫌だったんだけど、「めちゃくちゃうまくいってるよ」「成功者だー!」じゃなくて、「すごくうまくいってストレス減ったよ」とか、「こんなおもしろいことあったよ」とか、そういう話をもう少しした方が、おこがましいけど、可能性が広がるんじゃないかなと思ってます。
けんすう:すばらしいと思います。
かっぴー:本人がアピールするってやらしくない?
けんすう:そうなんです。本人が言って「こうやってますよ」って言ってやるのは、周りはすごい助かるんですけど、クリエイターとしてはやりづらいっていうのはありますよね。
かっぴー:やりづらいし、だからそれを全部背負ってやってる人たちの苦労を僕は見てるというか。
例えばキングコング西野さんとか、すごい背負って本来クリエイターが背負わなくてもいいストレスを抱えてるじゃないですか。ストレスはないかもしれないけど、むずかしいですよね。
けんすう:西野さんのサロンで、「西野さんの言ってることってこうだよ」っていう投稿を、たまにさせてもらってます。
西野さん本人が言う説得力ももちろんあるんですけど、やっぱり受け手側としては、本人が言ってるなって感知した時点で、バイアスかかるじゃないですか。
第三者が「起業家として、これはすごい取り組みなんだよ。」って言うことで価値がつく、みたいなものあるなぁと思ってて。
かっぴー:コミュニティの中でもあるんですね。
けんすう:それでいうとかっぴーさんは、もっと周りが言っていいですね。というか、僕が言うべきですね。
かっぴー:これは誘導したわけじゃないですよ(笑)。
けんすう:多分高いレベルで理解していて、言語化もできて、かっぴーさんがなんでこれをやってるかと言える。
例えば、起業家漫画を描こうと思った時にマス向けだと『王様たちのバイキング』という漫画があるんですけど、世界的なハッカーになって世界平和のために政府と戦う展開にせざるを得なかったっておっしゃっていたんです。
地味に起業して上場するのは、漫画としておもしろくないよねっていう。
だけど、これがnoteで起業家が1,000人登録しているコミュ二ティだったら、その人たちに刺せる漫画が作れるし、そうすると、多様性がガッと広がって漫画業界にとってめっちゃいいと思うんですよ。
かっぴー:そうなんですよ。結果的にすごい地味な漫画が売れたりするケースが世の中にあるから、言い訳じゃないかと思われるかもしれないですけど、「これはいける」っていうキーワード、例えば世界的ハッカーとかがないと、連載会議に通らないんですよね。
けんすう:そうですよね。
かっぴー:ここ数ヶ月悩んでることがあって、個人的にこれは『左ききのエレン』に並ぶ第2の代表作になる!って思えたネームができたんですよ。でも連載会議に落ちたんですよ。別の作品が通ったんです。
新連載自体は新しい挑戦だからいいんだけど、「地味だけど良くない?」っていう作品ができちゃったんですよ。これをどうしようかなって思っていて。多分自分の嗅覚はそんなに間違ってないと思うんですよね。
『左ききのエレン』も絶対いけると思ってたから売れるまで描き続けたし、「これもいけるぞ」って自分では思っているんだけど、会議では「非の打ち所がない」って言われて、別にどこが悪いとかないけど、「おとなしいですね」みたいな感じで言われるっていう。
けんすう:『左ききのエレン』とかは、最初の構成から上手だなと思っていて。凡人から見たらよくわからないようなめっちゃ天才の表現と、すごい地道なものが両方あるので、漫画としての派手さも出るし、「地味なサラリーマンってこうだよね」みたいなものも楽しめるんですよね。
後者だけ、地味な代理店の営業の手法とか、交渉の時のこういう機微ってあるよねみたいなところだけでも絶対おもしろいはずだけど、これをジャンプ+で連載しましょうってなったときには、難しいですよね。
天才出しましょうよって言われたりもすると思う。
かっぴー:あのね、まったく同じです。そういう流れです。本当に、ただ働く人を描きたかったんだけど、天才を出してくださいって言われたってことです。
けんすう:普通の高校球児を描こうと思って野球漫画を描いたけど、人気が出なくて「天才ピッチャーを出しましょう」と言われて、渋々出したら大ヒットしたみたいな事例とか聞いたことがあって。
読者的には超天才がズバズバ三振を取って、みたいな方がいいよねっていうのは、エンタメなのでありますけど。
僕は割とリアルな会社の、こういう部分を表現した漫画を読みたいなと思っているけど、描ける漫画家さんが多分すごく少ない。
かっぴー:インディーズって選択肢がちゃんと最初からあると、選べるじゃないですか。
けんすう:そうですね。インディーズで出してもいいよね、でもいいし、商業誌の方がよければそっちっていう。ただ世に出ないのはなんかもったいないですよね。
かっぴー:世に出てない諦めた作品、今世の中にある漫画の多分倍数ぐらいありますよね。そう考えたら絶対自分の人生を変える作品がその中に眠ってるじゃないですか。
この漫画読みたい人って言って1,000人集めるだったらできそうですもんね。
けんすう:そうですね。
応募の数が、作品の質につながる
かっぴー:noteのメンバーシップで生計を立ててる人って、まだいない。だから経営者のメンバーシップとか、漫画家のメンバーシップとか、僕は半分そこで生計を立ててますけど。メンバーシップの人数が増えれば増えるほど、もうちょっとそこに時間かけてみようってなるじゃないですか。運営側が応援し甲斐もあるという。
けんすう:逆に1,000円払ってる人が3人とかが一番きつくてやめられないし、1,000円分の価値を求めるから、毎週更新ぐらいはしてくれないとって言われるけど、「こちら3,000円なんだけど。」みたいな。ギャップは生まれますよね。
かっぴー:その悩みはオンラインサロン時代から言われてましたよ。軽い気持ちで始めたら死ぬぞ、みたいな。
けんすう:その代わり、上限が青天井で、自分の仕事量が変わらなくても収益は上がるっていうことはありますよね。
かっぴー:最低これぐらいの収益は見込みたい、を超えてからが勝負ですよね。僕なんかメンバーシップの工数がバカ高いですから。普通に漫画1本連載してるわけで、毎週20ページ弱を描いて、それでね期待より収益が下だった日には・・・早く青天モードに入りたい(笑)。
けんすう:青天になれば、時間もかけれてお金もかけれて、例えばもうめちゃくちゃ取材するとか。
かっぴー:本当ですよ、だからもう青天になったら、こっちももっとサービスしなきゃという気になるから、ちょっとニューヨークとか上海とか、漫画に登場するところに本当に取材に行きます、とかやってもいいし。
それこそ、けんすうさんにお金を払って、対談シリーズを企画するとか。メンバーシップの中で、月に1回対談dayみたいな、漫画更新プラス対談がアップされるとか、そういうのをどんどんやりたいっていう夢ばっかり広がっているんだけど、まだ青天モードにいけない。
けんすう:そこまでいったら勝ちパターンで、普通の人はできないことをどんどんやるから、より人が集まるし、人が集まるからより新しいことできるしっていう、この循環になりますよね。
メンバーシップで言うとやっぱり外に漏れ出さないので、集客大変なんで僕は「マシュマロQ&A」をやり始めたら、これですごい増えました。こういう系のコンテンツがあるんだろうなみたいな。ちょっと新しい方向にしないと。
かっぴー:ノーマル会員の500円、安いですけどね。
けんすう:安いですよね。めっちゃ高いプランを作るとかあるかもしれないですね。それこそパトロン会員以上のプラン。
かっぴー:そしたら僕は何すればいいのって思いません(笑)?。パトロン会員の3,900円でもけっこうドキドキしちゃう。
けんすう:3,900円ぐらいが一番払う側も、貰う側も絶妙なのかもしれないですね。漫画の登場権は100万円とかじゃないですか。それぐらいになると、ちょっとお金の払い方が冒頭の話みたいに投資とかになるんですよね。
『左ききのエレン』に登場できる権利って100万円どころじゃない効果がある上に、今後も販売されるものではないって分かっているので、僕も共同創業者も速攻で買ったっていう。合理的にどう考えても得だからという判断なんですよね。
かっぴー:でもそれけっこういろんな人に言われていて、PR会社の人が、漫画の登場権を300万で販売されたら、PR会社はやることないですって言われて。
けんすう:そうなんです。普通にビジネス的に見ると激安で出してる値段なんですよね。
かっぴー:そうなんですよ、そうなんです。
けんすう:しかも、読者にとっては登場権でお金が集まって、『左ききのエレン』の新しいことができているので、めっちゃ得してる。
ファーストクラスがあるからエコノミークラスに安く乗れる話
かっぴー:いわゆるPR漫画を出すときに、昔からですけど、たまに指摘する人がいるのね。「こんなのどうでもいいから早く本編描いてよ」っていう。わかるよ、気持ちはわかるよ。ただPR漫画がたまにあることで、安定して漫画を描けているということを、ちょっとでいいから感じてほしい。
そこまで読者に感じさせる必要はないんだけど、でも「PR漫画はおもしろく描いてるよ」「PR漫画もPRだからこそ、普段よりちょっとでもつまんなかったらって思うから、頑張っているよ」っていうのを伝えたい。
でも多分この動画を見てくれてる人はそれ分かってくれてる人ばっかだから、今ここで言っても何の意味もない(笑)。
けんすう:ファーストクラス理論と同じですよね。飛行機のファーストクラスがあるからエコノミー料金が安くなるけど、「ファーストクラスに乗るやつなんてバカだよ」とかを、エコノミーに乗ってる人が言うのはもったいないというか。「ファーストクラス最高ですね、憧れっす。」ってみんなが言ってる方がお金持ちが調子に乗って、更に飛行機に乗って、料金が安くなるのに。
かっぴー:そうだよな。
けんすう:『左ききエレン』に登場したことで、「けんすうさんって、今もうこんなにすごい人になったんですね」みたいなコメントを友達とかからもらいました。
けんすうが『左ききのエレン』に登場した回はコチラ
かっぴー:友達から来たんだ。よかった。
けんすう:『左ききのエレン』に登場すること自体も、めっちゃすごいってなるけど、PR的に言うと100万円でここに登場できる、強烈な安さみたいなギャップがあったから速攻で売れたんですよね。
インディーズの魅力を伝えたい!
かっぴー:使命感ではないけど、マスじゃない。出版社でも漫画を描いてるからややこしいんだけど、バリバリ描いてバリバリこれからも僕は「ジャンプ+大好き」って言うし、「スピリッツ大好き」って言い続ける。でも自分のホームグラウンドを持ってる漫画家としては、使命感じゃないけど新しい可能性があったらとりあえず試してみようとは思ってます。
それでどうだうまくいったのか、違ったのかっていうのも、ちゃんと伝えていきたいなっていうのをちょっと思っています。だからNFTアートを『左ききのエレン』でやりたいと思ったんですよ。何かあるかもしれない。
今日お話しさせてもらっただけで、すごい勉強になったし、街ごと作るとか、マジでやりたいな。
けんすう:おもしろいですね、多分世界初になると思います。
かっぴー:やりたいですね。
けんすう:結構、NFTを売った後にアニメ作りますみたいな話がありまして。
かっぴー:ありますあります。
けんすう:やっぱりアニメの期待値ってみんなめっちゃ高いので、NFTの売上じゃできないんですよ。
かっぴー:アニメは難しいですよ。作るのも難しい。最近本当に良くないなと思っているのは、これはちょっと怒られるかもしれないけど、アニメ化が決まるのが早すぎる問題があって。
漫画連載が始まった瞬間にアニメ化の話が来て、最初のインパクトや話題性とかでアニメ化の話が来てしまう。1話じゃなくても、単行本の1巻が発売されて早い内から「アニメ化させてください。」「いいよ。」という話になったとしても、そこから人気が落ち着いてきて、いざアニメ化する時には誰もその漫画の話をしてないっていうことが、あるとかないとか…
けんすう:あるとかないとか。ないかな(笑)。
かっぴー:もしもあったら嫌だなと。アニメ化とかを約束に使わない方がいいと思うんですよ。自分がコントロールできないものは約束しづらいなって思っています。
けんすう:漫画とかだとやっぱりいいなと思ったのが、かっぴーさんでほとんどが完結するっていうところがポイントですよね。
かっぴー:僕がただ忙しくなればいいっていう。
けんすう:NFTとしてそれをやっても、「でも、かっぴーさんが描くんでしょ」っていう、圧倒的な信頼があるんですよ。ただアニメ化だと、「じゃあどこのアニメ制作会社がやるんですか」とか、いろんなところによってみんなマックスを期待してNFTを買うので、期待値が外れるとめちゃくちゃNFTを売って価格が下がって炎上するとか怖いんですよ。
かっぴー:できないことは約束したくない。だから僕が約束できることはこのNFTアートに限らずですけど、漫画を描くことしかできないから、それ以上のことはなるべく約束しないように自分でルールを決めてるんですよね。インディーズの方が楽しそうじゃんと思われたいんですよね。
けんすう:漫画家の稼ぎ方が多様化した方が、作品の多様性も増えるよねっていうところですね。
かっぴー:インディーズの方が合っている人も絶対いるし、マスが合っている人はもう別に何の問題もない。
けんすう:マスで『鬼滅の刃』みたいに、ジャンプで連載して話題性があって、作者もTwitter(X)とかをやらなくてもいいみたいなのを見ると、それが一番王道でかっこいいと思われがちなんですが、すごい特殊事例に近いと思ってて。
やっぱり、皆さん地道に宣伝してちょっとずつ読んでもらって、広がっていくというのが普通ですよね。その割に一番の成功例を王道だと思っちゃうみたいな、辛さを生み出しちゃってる気がしていて、ホリエモン(堀江貴文さん)ですらイベントの前にあらゆる知り合いに一人一人LINEとかを送っているぐらいですからね。
さいごに
けんすう:コラボ衣裳のご紹介です。slothくんに着せ替えることができる衣裳として、エレンが着てるコートを2種類準備しました。
かっぴー:新月!
けんすう:新月を2種類販売するというものですね。このコラボを発表した時は、「非常に好きな漫画なので嬉しいです」とDiscordでも言われましたね。
世界に1着だけの「AK5 新月 リフレクター Ver.」オークションは8月15日12時から32時間開催します。「AK5 新月」限定100着の販売は8月17日12時から8月23日23時59分までです。
かっぴー:オークションがあって、終わりきったところで一般販売みたいな感じです。リフレクターver.が欲しい人は15日、ぜひNFTアートに興味ある人はお楽しみに。
かっぴー:おまけで、NFTアートを買うにはウォレットが必要なんですよね。僕は持っていなくて、作りたいんですよ。作り方を教えてください。
(※slothはクレジットカードでも購入が可能です。)
意外と簡単に作れるぞっていう、かっぴーがウォレットを作るまでを見守るという動画を最後につけますか。いや、画面を映すのがめんどうくさいから、いいか(笑)。
けんすう:そうですね。めちゃくちゃセンシティブな情報があって、ちらっと映るだけでかっぴーさんの仮想通過情報全部抜かれる、みたいなおもしろ事件が起きますね。
かっぴー:やめよう!皆さん、知識を持っていないと危ないのでくれぐれも気をつけてください。注意喚起ができたところで終わりますか。それではありがとうございました。
※2023年8月8日時点の対談です。
というわけで、かっぴーさんとの対談の記事でした。
『左ききのエレン』slothコラボ衣裳は、現在下記サイトで販売中です。
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