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かっぴー×けんすう対談「NFTアートの魅力けんすうさんに聞いてきました!」(前編)

こんにちは!

8/17(木)12:00から、漫画『左ききのエレン』とslothのコラボ衣装販売がスタートしました。『左ききのエレン』はシリーズ累計300万部を突破した、クリエイター群像劇です。noteで毎週木曜日に最新話が公開されています。

今回は、僕が『左ききのエレン』のYouTubeチャンネルにゲストとして出演し、原作者のかっぴーさんと対談した模様を記事化してお届けします!

こちらの記事の内容は、YouTubeで視聴することもできます。


自己紹介が難しいけんすうさん

かっぴー:漫画家のかっぴーです。『左ききのエレン』などを描いてます。慣れない感じでやってますけども、今日はけんすうさんに来てもらいました。

けんすう:こんにちは、けんすうと言います。

かっぴー:紹介が難しいって言われるよね。

けんすう:そうですね、インターネット業界で20年ぐらいいろんなサービス作ったりしているんですけど。

かっぴー:Twitter(X)のリプで、「インターネット老人会のけんすうさんが〜」みたいに言われますよね、老人会なんですか?

けんすう:老人会でしょうね。電車男とかから2ちゃんねる(現5ちゃんねる)を始めた人は、もうにわかっていうイメージです。

かっぴー:えー!はやっ(笑)。ひろゆきさんって僕からすると今いる人だから、そんなに昔からいたっけっていう感じです。

当時は2ちゃんねる誰が作ったかなんか知らなかった。

けんすう:確かにそうですね、彼が20歳くらいの頃ぐらいです。意識しないですよね普通は。

かっぴー:そんなひろゆきさんの親友?

けんすう:親友ではないと思うんですけど。

かっぴー:じゃあ、インターネットの人ですね。

けんすう:そうですね、インターネット大好きな感じでやってます。

かっぴー:そんなミスターインターネットが、NFTを一緒にやろうと言ってくれたわけですよね。

けんすう:そうなんですよ。

NFTアートとは?

かっぴー:僕もNFTアート、一回販売したことあるんですけど。

けんすう:Astar Networkとやったやつですよね?

かっぴー:そうです。結果すごいよかったし、Astar Network市場で一番高い金額のプロジェクトだったみたいで、2個しか売ってないけど一番高かった。

ただ、まだちゃんとわかってなかった。もちろん勉強したんだけど、NFTアートの本当のところを知らなくて。

けんすう:そもそもNFTが何なのかってところから難しいですよね。

かっぴー:多分NFTの定義とかから話し始めちゃうと、わかる人が絞られちゃうと思うので、けんすうさんが思うNFTの話をちょっと聞かせて欲しいなと。

それですごい誰も気づかないぐらいスムーズな感じで、最後『左ききのエレン』のNFTアートの宣伝をして、気づいたら買ってるっていう綺麗な流れを作りたい。

けんすう:わかりました(笑)。NFTってノンファンジブルトークンの略で、代替ができないトークンなんですけど、この辺から入ると本当にもう難しい。

トークンて何って話から、よくあるのだったら、「トークンて印って意味で昔だと貝とかを貨幣として使ってましたよね」みたいなことから始まっちゃうからよくわかんないんですけど

その辺を置いておいて、デジタルデータでも自分が所有してるよっていうのを、証明書がそれみたいな感じなんですけど、それすら多分ピンと来ないと思うので、デジタルデータだけどなんか所有してる感が持てますよっていう言い方に僕はしてますね。

かっぴー:所有してる感。

けんすう:普通の写真データだったら、いくらでもコピーしちゃうし人に送れたりするので、自分がiPhoneで撮った写真って自分が所有してるっていう感覚あんまりないじゃないですか。人に送ったらもうどんどん拡散しちゃったりするし。

かっぴー:確かに所有している感覚はあまりないですね、ほっといたらなんかiPadに同期されたりとかしてるから。

けんすう:NFTもいわゆる普通のデジタルデータで、コピーはいくらでもできるんですけど、一応みんながここにこういう感じでデータを持ってればその人が持ってるよねっていう合意をみんなでしてるような感覚ですね。

つまり「かっぴーさんがあのNFT持ってるよね」で、僕がそれをコピーして持ってたとしても僕は持ってないよねっていうのをみんながそうだよねって思ってるっていう状態が重要なものっていうイメージです。

かっぴー:クリエイターの人がNFTをやってみたいとか作ってみたいと思うのはわかるんですけど、ただけんすうさんがアル株式会社でメインプロジェクトとして作ってるじゃないですか、NFTアートをやる意味っていうのは何なの?

けんすう:そうですね、基本的にNFTって最初の頃はクリエイターさんが画像を5枚出しました、それを本当に美術品を買うように買ってる人が多くて、今もそれはあるんですけど。

10万円でこのアートを買いました、だからこれ持ってて嬉しいですっていう感じなんですけど、アートでも近いかもしれないです。

やっぱり何のために買うかっていうと投資みたいなイメージが強いんですね。

かっぴー:強い。

NFTアートは投資なのか

かっぴー:確かに「最初これくらいで売られてたのが、これくらいになった」っていうニュースが多かったんですよ。

けんすう:100万円で買って1,000万円になったらそれはすげーってなる、だから嬉しいよねみたいな使われ方が多かったんですよ。

かっぴー:ちょっとその辺気になっちゃって、僕もけんすうさんも時計をたしなんでますよね。

昨今の時計ブーム、定価の何倍にもなって転売されているよとか言って、それによって転売したいっていうモチベーションでそれを探し回る人たちが生まれてしまってるじゃないですか。ちょっとそれに近い空気を感じていて。

本当にただただその時計が欲しい人からすると、「なんで時計買うんですか」って聞いて、「値段が上がるかもしれないから買ってます」みたいに言われちゃうと、こいつちょっと時計好きじゃないじゃんみたいに思うじゃないですか。

それでNFTって、投資の話が出がちじゃないですか。本当に何もわかってなかったら、僕が逆の立場だったら、NFTアート売り始めたイコールめっちゃビジネスじゃんみたいな、「ビジネス始めやがった」ってちょっと思っちゃう。

けんすう:投資案件っぽいことをやったら、うさんくさいみたいなのはありますしね。

かっぴー:だから結構世の中そういう風に見ますよ、もう。僕からすると難しい話だと、ちょっと自分には関係ないって思っちゃうから。

その点、NFTアートについての話をけんすうさんにしてほしいなと思う。

けんすう:結論で言うとやっぱり7〜8割は投資のものだと思ってます。値上がるから買うって人がいること自体も、実はさっきの時計の話で言っても悪くなくて。

ロレックスを100万円で買って誰も買わないものだったら消費になるんですけど、時計趣味の人が100万円で買って10年後に100万円で売れるっていうのは、要は投機的に買ってる人が大量にいればいるほど安定するんですよ。

そうすると普通に時計を買いやすいんですよね。時計好きで100万円で買ってるけど、10年後に全然損してなかったなって。

実際、多分AppleWatchを買うよりも下手すると安いんですよ。ロレックスの正規店で買った時点で、二次流通で絶対に上がるので。AppleWatchは5万円とか減っちゃうみたいな話があるので、投機筋がいること自体は悪くない。

かっぴー:なのになんでAppleWatchは経費になって、ロレックスは経費にならないんですか!今マネージャーに聞いてますけど。

マネージャー:(事業に直結してない)資産なので経費になりません。

かっぴー:(笑)。

けんすう:NFTはそういうのがあるものの、せっかくデジタルなんだから他の使い方もあるよねって考えてる人が、NFTアートとは別にいるんですよ。

NFTならではの魅力は?

けんすう:ユーティリティと言ったりするんですけど、要は「このNFTを持ってると、このお店に行けます」とか、「こういうグッズ買えます」とか、PRADAのこのNFTを持ってると特別なグッズが購入できますみたいな

かっぴー:ワクワクしますよね。

けんすう:会員権的なものとして使ってる人もいますが、僕はもうちょっとデジタルならではのおもしろさとかブロックチェーンじゃないとできないことをやった方がおもしろいんじゃないかなと思っていて、そういうことをやってるのが僕の会社ですね。

かっぴー:確かに今言ったPRADAとかファッションブランドがこれがあることで購入権があって物が手に入るっていう、最終的にやっぱ物だよっていうところと紐付いてるっていう価値の出し方は、2023年現在の人にとっては分かりやすいですよね。

けんすう:そうですね、もっと言うとゴルフ会員権とかと同じなので、ブロックチェーンで便利になったかというと、NFT買うのに色んな手続きがあることを考えると、そんなに便利になってないって個人的には思います。

かっぴー:便利ではないですね。

けんすう:で、うちの会社はまず最初にmarimoっていうのを作ったんです。

ちっちゃいmarimoの画像があって、NFTで買うんですけど、時間が経つとちょっとずつ大きくなるっていう。

さらにだんだん水が濁っていくので、ちょっと正確な表現ではないんですけど、ブロックチェーン上のデータを書き換えるような形で水をきれいにすると、成長速度が上がるっていうNFTをやっていて。

かっぴー:たまごっちみたいな。

けんすう:そうですね。で、第2弾が今やってるslothっていう、かわいいナマケモノを作ったんですけど、これを5,000体作りましたと。

これだけだといわゆる他のNFTでもやってるような、いろんなキャラがいるものと同じなんですが、衣装とかアイテムみたいな概念も作って、こっちのNFTも売りますと。

技術的に言うと、この本体のNFTと衣装やアイテムのNFTを合体させることによって、新しいNFTを作るっていうことをやってるんですね。

つまり自分で本体を持ってて、好きな衣装を組み合わせてコーディネートしたものを一つのNFTとして持てるし、このまま売れるっていう。

もちろん買った人は脱がせることもできる、つまり、自分なりにキャラクターをカスタマイズして付加価値をつけて売るとかもできる。これもNFTじゃないと他のアートではなかなか難しいですね。

かっぴー:今回僕もコラボさせてもらうのが、衣装を『左ききのエレン』から提供するみたいな感じなんですけど、コラボし放題じゃない?

NFTアートは参入がむずかしい?

けんすう:これポイントが、例えばかっぴーさんが『左ききのエレン』みたいなNFTを作ろうと思うと、まず特殊なマーケティングがいるんですよ。

投資家たちに「これは価値出ますよ」と思ってもらえないとまず売れないんですね。どう価値を出すかっていうと、今後こういうことをやっていきますみたいな、ロードマップと呼ばれる予定を伝えるんです。

かっぴー:本当に会社みたいですね。

けんすう:そうなんですよ。もう毎日のように、Twitterスペースとかで発信しつつ、発売したらずっとそれの面倒を見ないといけないです。

持ってる人は投資家なんで、価値が下がると怒っちゃうんですよ。ちゃんとやってないじゃないかみたいな。

かっぴー:めっちゃ怖い。

けんすう:めっちゃ怖いじゃないですか。なので、企業もクリエイターも基本「そこまでコミットできないよ」って人たちが入ってこれないなと思ったので、今回本体は我々のslothを使うけど、衣装のNFTはコラボしましょうと。

NFTの売り上げは9割以上差し上げます、でプロジェクトとしては我々のプロジェクトなので、別に売った後に何もしなくていいし、宣伝とかもちょっとしてくれれば嬉しいですぐらいの感じでやると。

そうすると、ちょっとNFTやってみたいなってクリエイターさんとか企業が試しやすいんです。かっぴーさんをはじめとして、例えばもう売り出してるのは鷹の爪団さんとか、キングコング西野さんの『えんとつ町のプペル』とかそういうIP系もあれば、まだ発表してないですけど企業もいくつかある。

かっぴー:へー!

けんすう:NFTプロジェクトもあれば、インフルエンサーもあります。気軽に試せますよねっていうので今いろんなところとコラボしてますね。

かっぴー:やっぱりクリエイターのためにやってる会社ですもんね、もともと。

けんすう:クリエイターさんのためにいろいろやるっていうのが基本で、NFTやりましょうっていうのは、いろんな企業とやっていて。

実際にこの前だとグラニフさんという、いろんなコラボTシャツやってるところと一緒に出したりしたんですけど、グラニフさんぐらい気合を入れてやろうという企業ってまだ少ないんですね。

かっぴー:やっぱ1から10までやろうとするとすごい大変そうなイメージが……。

けんすう:そうですね。手離れが悪い割にずっと面倒見なきゃいけないプレッシャーとかあるので、slothに乗っかっちゃえばできますよねっていう風にしてちょっと今増やしてますね。

かっぴー:NFT作って売ってみたいというクリエイターのモチベーションも分かったしアルのモチベーションもわかったんだけど、じゃあ所有する人たちは何を楽しみにしているの?

NFTアートを買う楽しみは?

けんすう:そうですね、まず一番弱い動機としては、自分の持ってるキャラクターに好きな衣装とかを着せることによって、自己表現がしやすい。それをアイコンにするみたいなことは起こってますが、これは弱めというかマニアックな人ですね。

かっぴー:そうなんですか。

けんすう:今やり始めてるのが、slothのキャラクターをTikTokの動画とかにしていろいろ作ってるんですね、例えばこの前出した動画だと、合計で70万再生ぐらいしているんです。

いわゆるマス向けなTikTokとかの動画にして、キャラクターが出ていきますと。

sloth本体は5,000種類いるので、感覚的には自分の持ってるslothが出たら、自分の子供がテレビ出演してるように感じるし、確かに「100万再生してるこのキャラクター、私が持ってんですよ」って言えると嬉しいかなと。

かっぴー:めちゃくちゃそれ嬉しい。

けんすう:さらにslothくん、働き者のナマケモノみたいなコンセプトなんですけど、いろんな企業の衣装を着て、例えばケーキ作ってますとか空港カウンターで働いてますみたいな動画を出していくと、じゃあこの衣装を買おうかなとか、キャラクターの楽しみ方としてもう少し、本当に所有してる喜びみたいなのを感じれるんじゃないかと思ってます。

かっぴー:普通のキャラクターだと、そこまでなんか俺のって思えないよね。俺のじゃないし。

けんすう:キティちゃんもピカチュウも自分のではないけど、このslothの5,000体のうちのこれ持ってて、自分のが出てるとおもしろいかなと。

作品は誰のもの?

かっぴー:最近ちょうどそういう話を友達とずっとしてるんですよ。ちょっと話が逸れちゃうんですけど、最近この感覚が大事なんじゃないかなと思ってて。

マス向けのジャンプとかで連載してる漫画のアニメとか、日本中、世界中の誰でも知ってるようなキャラクターとか、私のものだと思いすぎるとちょっと怖いよねみたいに思ってて。

自分で楽しむ分にはいいんだけど、そのキャラクターの振る舞いに文句をつけ始める。例えば変なコラボを見た時に、「私の〇〇はそんなコラボしない!」って思いすぎると多分ご本人も辛いし、見てる方も何もできないじゃないですか。「だってあなたのではないから」っていうのを言えないみたいな。

私のだって思いすぎるのって、ファンの楽しみ方としては修羅の道だと思う。でもそれは今までのマスが基本だった時代で、これからもっともっと作品とか漫画とかコミュニティ単位で作品を発表してもいいんじゃないかみたいな。

今だとnoteのコミュニティサークル機能とか、ちょっと前だとサロンとか。読者を囲い込むことによって、もっと本当の意味で「この作品を私の作品だ」って読者が思える関係ができるんじゃないかな。

でもそれって具体的に何なのって思ってたとこなんですよ。これNFTアートかもしれないなと思いますね。

「私のキャラ」が出てくる漫画

けんすう:あると思います。例えばかっぴーさんの新作に100人登場人物が出ますと、そのキャラクター100体のNFTを販売します。

つまり、「あなたはそのキャラクターが出るごとに、自分の持ってるキャラが出てるみたいな感じになりますよ」とかもありますし。

かっぴー:それやってるじゃないですか僕、「あなたを漫画に登場させます権」っていうのを売ってるじゃないですか。

けんすう:はい、私も買いました。

けんすうが『左ききのエレン』に登場した回はコチラ

かっぴー:買ってくれたじゃないですか。けんすうさんみたいに、一話かけてやるパターンと、普通にしれっと本編に出てくるパターンの2パターンがあって。

エレンバースに参加する権利だと思ってやってるんですけど、僕の中でなんかあの権利を売ることが、NFTアートを売ったり買ったりして楽しむこととちょっと近いんじゃないかなと思って。

あれも証明できるじゃないですか。かっぴーが描いてるから、これ私って証明できるし、それをちゃんと管理してるのがNFTアートなのかなみたいな。

けんすう:今はする予定もないんですけど、例えばslothがすごく大きくなってきたら、slothの本体が動画に出演して、その動画で収益が上がったらその一部をそのNFTを保有している人に還元しますよとか、そのキャラクターがグッズを出して売れたら一部もらえますよとかになってくると、売買しなくてもその権利があって、ずっと収益になりますとかありえますよね。

これがなんか契約書を交わしたりとかせずに、持ってるウォレットアドレスに直接送っちゃえばいいんです。

かっぴー:わかりやすい、おもしろい。

けんすう:契約結んだりしなくてよくて、スマートコントラクトって言ったりするんですが、NFT周りの超いい感じの契約って意味で、やり取りしなくてもこのデータこの人持ってるよね、だからもうここに送っちゃえばいいよねっていうのを自動化できるっていうのがポイントなんですよね。

かっぴー:なるほど。

けんすう:100人登場させて100人と契約書結んで銀行口座聞いてみたいなのは、大変じゃないですか。

かっぴー:むりむり、もう出すのが精一杯。だからインタラクティブじゃないんですよ、もう出しっぱなし。

こればっかりは筆が乗るか乗らないかとか、運があるんだけど、本当にちょっと出てきて活躍してそれっきりっていう参加者もいれば、気づいたらレギュラーキャラになってる人とかもいて、それは別に人で選んでるわけじゃなくて漫画ってそういうもんだから。

これ余談だけど、神谷とみっちゃんって1話キャラのキャラクターだったんですよ。でも、もうちょっと描きたいと思ったら今になったっていう。

けんすう:そうなんですか、レギュラー中のレギュラー。

かっぴー:あの2人がいないんだったら、何の漫画なんだってぐらいの超重要キャラに出世する可能性もあるのが、登場権のおもしろさかなと思って、気づいたらレギュラーになっちゃったみたいな。

最近で言うと黒武者さん、第3部の人気キャラになりつつある子とかは、あれは登場権です。だから日本のどこかに、黒武者さんはいるんですよ。

NFTアートで、それが可能かどうかは分からないけど、10年後にNFT版の参加権が発行されたとして、黒武者さんが例えばパナソニックの宣伝をしてくれましたとかなった時に、じゃあ費用の10%黒武者さんに渡すかっていうのができちゃうってことですね。

けんすう:そうですね。もっと言うと、参加権を売ると出してくれるでしょって期待するじゃないですか。

でも漫画なんで全員平等に出すって無理だし、つまんなくなる。だからキャラを持ってるだけで、かっぴーさんは映画監督みたいなもので、どのキャストをどう使うかは、映画監督が決めるものだよねっていう方が、精神的負担がかかりにくいと思うんですよ。

かっぴー:そっちにしたい、そっちにしたいです。

けんすう:自分を良く描いてほしいとか、期待が入っちゃうので不満が出ちゃいそうですよね。僕はもう、超満足する形で描いてもらったからいいけど、「俺なんかもっとこんな感じが良かったんだけど」とか言われても嫌じゃないですか。

かっぴー:今のところないんですけど、多分ハードル下げてるから。セリフは少なくても一言はありますっていうぐらいにしてるから。

けんすう:なるほど。どちらかというとやっぱ漫画のおもしろさがないと権利自体の意味なくなっちゃうんで、最優先するのは漫画ですと。

そして、登場人物買ってるけど「こいつ顔的にモブだと思ってたけど、超出たじゃん!」とか「主人公顔なのにちょい役だったよ」とかがエンタメになってる方がいいなっていう。

かっぴー:なるほど、おもしろい!ただ私を出してじゃなくて。

けんすう:キャラを買ってください、この100人は多分出ますにして、明らかにモブだよねと思ってたら意外と活躍するみたいな。

かっぴー:おもしろいなそれ。

けんすう:かっぴーさんも多分、わかんないじゃないですか。

かっぴー:わかんないよ。神谷をモブにしようとした男だよ(笑)。

街を舞台にしたNFT漫画?

かっぴー:それありきで脚本を書きたいな。昔流行った「世界が100人の国だったら」みたいなやつ。街が主人公の漫画を考えて、そこの住民はわかんないけど、555人にして、住人を先にデザインする。

この人はパン屋さんですとかステータスだけ用意して半年後ぐらいから、かっぴーがこの町を舞台に漫画描きますっていうやつとかおもしろそう。

けんすう:めっちゃいいですね。パン屋が主人公なのか、ほんとちょい役か、もう誰にもわかんないですよね。

かっぴー:誰にもわかんない。謎の旅人とかもいたりして。それで旅人はまた2話で違うところで旅してる。

けんすう:旅人キーマンじゃないんだみたいな、旅行してるだけなんだとか。

漫画としておもしろい展開にしていったら、意外とこのキャラが来てたよねとか。

かっぴー:ちょっとこれ初めて言うし、こんなところ言っていいのかわかんないけど、町から入ろうと思ってる新連載があって、だから今思いついたんですけどやっちゃう?

けんすう:結構アリで、例えば一気に555人作るの大変だったから、1体ずつ売っていくとかもありますよね。毎回オークションにするとか、するとこのキャラは買っとこうとか、このキャラはダサいけどまだ100円だから入札しとこうとか、そういうのもおもしろいかもしれないですね。

自分のキャラが出るか出ないかとか、街だったら出ない可能性もありますよってのもいいですし、僕にも分かりませんって言えますもんね。

かっぴー:それでも、出たとき沸きますよ。

けんすう:二次流通でも値段上がりそうって思うじゃないですか。

かっぴー:それ町ごとNFTでやりたいな。アイテムとかも売れるんですよね。例えばパン屋のパンとか。

けんすう:そうですね、パンとか売ってslothみたいなきせかえできるようにしとくとか。

※2023年8月8日時点の対談です。


というわけで、かっぴーさんとの対談の記事前編でした。後編に続きます!

『左ききのエレン』slothコラボ衣裳は、現在下記サイトで販売中です。

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