マンガを売るには、いかにSNSでの会話に出てくるかが大事になっている気がする
アルというマンガサービスをやっているものです。
「マンガをもっと売って盛り上げるぞ!」という気持ちで考えているので、エンタメ作品の宣伝ってどうするといいんだろう?というのを、頭がちぎれるほど考えています。
言うまでもなくエンタメにおいて、宣伝やプロモーションは大事です。作品が売れるために必要なものを、めちゃくちゃ単純化すると、
- 作品のクオリティが高い
- プロモーションがワークする
という2つの掛け算に集約されます。
作品のクオリティが高いだけでも、プロモーションがうまいだけでもダメというのは、イメージしやすいですよね。
で、作品のクオリティが高いという前提があったとして、、、プロモをどうするべきか?というのは難しい問題です。
というのも、映画でもマンガでも、時代の空気や手法の変化はあれど、作品そのものはの変化はそこまで大きくありません。
昔の映画を観ても楽しめるし、手塚治虫をいま読んでもおもしろい、というようにある程度の普遍性があります。
しかし、プロモーション手法に関しては、時代の流れやテクノロジーの進化を直接的に受けると思っています。テクノロジーによる人々の生活の変化はとても大きいからです。
この10年前を見ても、10年前はスマホはあまり普及していなかったし、LINEもなかったわけです。Netflixなどのオンラインの動画サービスも一般的ではなかったわけです。
そんな今、たとえば鬼滅の刃を「貸本屋でプロモをする」という大昔の手法をとっていても、ダメなことは明白ですよね。(貸本屋、まだあるのかな)。
というので、2020年にマンガを売るにはどういうプロモーションがいいか・・・というのを考えているという話をこれから書きます。
----- 🥺予防線🥺 -----
僕はエンタメを売る仕事をしているわけでもなく、ネットサービスとかコミュニティを創る専門家に近いので、その視点からなので、全然的外れだよ!というのがあったらすいません!コメントで教えて下さい!
----- 🥺予防線おわり🥺 -----
基本的なプロモーション
たとえば、マンガでいうと、以下のような流れがあったと聞いています。
(もっと遡る事もできると思うんですが歴史の話になってしまうので)
最初は雑誌から売れるというのが多かったようです。たとえば、週刊少年ジャンプに掲載されていると有名になって売れる、、みたいな感じですね。
そこから、雑誌そのものがあまり売れなくなってきます。週刊少年ジャンプでいうと、1995年では635万部で、2010年には300万部、2019年には160万部くらいになっています。そして、週刊少年マガジンが100万部を切っているので、100万部超えはジャンプだけという現状になっています。
僕なんかは「雑誌最高!」という世代で、雑誌で楽しみたいタイプなんですが、データ的にはそうなっていると。
そして、次に来たのが単行本の時代です。単行本が直接売れる、という感じというか。
たとえば、転生したらスライムだった件は、2019年に300万部くらい年間で売れてたようです。掲載誌の月刊シリウスは1万部くらいらしいので、「雑誌で追っている」という人は少数派なのかもしれません(ちなみにシリウスはおもしろいのでオススメです)。
で、そうなると、「単行本をいかにプッシュするか、話題になるか」が重要になります。そのときには
- アニメ化・ドラマ化などが重要になる
- 賞が重要になる
- 書店でのプッシュが重要になる
という感じだったのかなと。
ドラマ化とかに関して言えば、明らかにここ20年で数が増えています。たとえば、1999年にマンガ作品がドラマ化されたのは、Wikipediaによると13件です。重複や、続編、スペシャルを除くと、サラリーマン金太郎とか、笑ゥせぇるすまんとか、お水の花道とかくらいだったんです。(他はサイコメトラーEIJIやGTO、美味しんぼ、ガラスの仮面があるんですが、スペシャルや続編です)。
それが、2019年では65件ドラマ化されています。重複や続編をのぞいても50件近くはあります。すごい!体感的にも「マンガ原作のドラマ化が増えたなー」というのはありますよね。
また、マンガ大賞や、次にくるマンガ大賞、このマンガがすごい!などが盛り上がったり、カリスマ書店員みたいな人が作品をプッシュして話題になったり・・・というのも多くありました。
次の時代
そんな感じだったのですが、今、1990年代おわりは2万3000店ほどあった書店は、2018年には1万2026店にまで減少した、というデータがあるように、本屋も減っていっています。
まとめると、「雑誌は売れなくなってきている」「書店も減っていっている」という状況です。これはほとんどの人が知っている事実なので、違和感ないと思いますが、、
これにより何が起きているかというと「マンガがよりパーソナルなエンタメとして完結している」ともいえます。
スマホがなかった時代、たとえば学校の教室などには、よくジャンプなどの雑誌や、単行本が転がってたんですよね。そしてみんなで読んでいた。コミュニケーションツールとしてもワークしていたんです。
(ちなみに僕はヤングサンデーファンだったので、ヤングサンデーを広める役割でした。「ヤングサンデーなんて読まねえよ、と思ってたけど、めちゃくちゃおもしろいじゃん・・・」とヤンキーのクラスメイトに褒められた時はなんか嬉しかったです)。
しかし、リアルな本が流通しなくなるとという状態になると、そういう流れがなくなります。マンガ好きな人はアプリとかで読んだり、単行本を買うけど、「教室にあるから読む」みたいなライト層が減っていってしまいます。
なので、やるべきは「オンライン上で友達との会話の中で、マンガをいかにだすか」だと思いました。
具体的には、TwitterとかLINEです。
ここらへんでマンガの話題をガッツリ出すのがいいのかな・・・と思っています。
どうするといいのか
じゃあ具体的にどうするといいんだっけ?というのを考えてたんですが、施策としては
①マンガの話題が出る
②マンガのシーンやイラストが話題に出る
③マンガが流れてくる
の3つじゃないかと思いました。下にいくほど、よりマンガの作品そのものになっていくイメージです。
まずは①のマンガの話題が出てくる、ですが、たとえば「#私を構成する5つのマンガ」という企画をしました。
自分の好きなマンガを5つ選んで投稿できるというもので、65万人以上が使ってくれました。世界トレンド1位をとり、日本のトレンドも10位中9位がマンガの作品名、というふうになり、マンガの話題が一気に増えました。
こういう感じで、好きなマンガを語らせるというのは一つ手立てとしてあるんじゃないかと思っています。
普段使っているコミュニケーション導線にマンガがぽっとでてくると「ああ、買ってみようかな」とか思うわけです。最近だと、鬼滅の刃の話題が多かったので、それで買った人も多かったのではないでしょうか。
これ以外にも、マンガ診断をしたり、マンガのクイズをしたりとか、とかいろいろ試してみています。
次に②ですが、マンガのコマとか、イラストが多く流れるといいんじゃないか・・・と思っています。
いろいろな出版社や編集部、作者さんに許可をいただき、マンガのコマを使えるようにして、それをブログに貼れたりとか、SNSで使えるようにとかをしています。
さらに「もうちょっとオリジナルのイラストとか流れてきたらいいな」というので、「アルペイント」というのも出しました。お題をユーザーさんが投げれて、漫画家さんやイラストレーターさんが絵で答えるみたいなやつです。
次に③ですが・・・。「Twitterで流れてくる無料マンガは結構読む」という人が多いと聞いて・・・、ならこんな手法はどうかと思い、リリースしたのがこちらです。
漫画家さんが、一気にマンガをTwitterにアップできるツールです。
これによって、マンガが投稿しやすくなり、Twitterで読めるマンガが増えて、マンガが売れるようにならないかなと期待しています(すでにすごい使ってもらっている!)。
そんな感じで、SNSに話題に出しまくるとマンガが売れるようになるので、ガンガンSNSで話題になるためのツールとかサービスを作りまくっている、という状態です。
というわけで
いろいろな出版社さんとか作品とコラボして、広めまくったりもしているという話です。
とにかく日々考えて考えて、作りまくって、試して、、の繰り返しですが、もっとマンガを売るためにIT業界側からも考えていきたいなと思っています。
興味ある出版社の方とかはご連絡くださいー!(kensuke.furukawa@alu-inc.com)
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