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NFTプロジェクト対談 Isekai Battle x sloth

こんにちは!今日は、2月15日に開催した、NFT王子さんとのTwitterスペース配信を記事用に編集したものになります!

音声版はこちら

※「Isekai Battle」、「sloth」に関する内容は、2023/02/16時点のもので今後変更になる可能性があります


本記事にはいる前にお知らせです。コラボ型きせかえNFTの「sloth」ですが、販売数が5000個を突破しました!

あとから買う人やNFT初心者でも損したり、上級者にうまくやられているんじゃないか、という不安がないように、一般販売を中心にジワジワと売っています。着せ替えられるNFTという新しい体験を是非!


NFT王子:こんにちは!よろしくお願いします!

けんすう:よろしくお願いします!

NFT王子:sloth、昨日(2/14)から発売開始されましたね。

けんすう:そうですね。プレセール1がスタートしました。

一週間「プレセール1」をして、翌週「プレセール2」をやります。さらに一週間待って、「パブリックセール」という流れです。

(※現在、すでにパブリックセールが開始しています)

今回はナマケモノがテーマなのですごくゆっくりしてます。

NFT王子:確かに。

けんすう:NFTに詳しい人たちが「Mint消化率」や、その勢いを見て「(このプロジェクトは)勢いがないからすぐ売ろう」と判断してMint割れするとか、難しすぎて普通の人が入ってこれないという課題があリます。

NFT王子:うん。

けんすう:slothでは、のんびりやってパブリックセールから一ヶ月ぐらい売り切らずにじわじわ売っていきます。

「こういう衣装あるよ」というのをみんなが楽しんでから、そんなに詳しくない人にも「やってみたいな」と思って入って来てもらうイメージです。

NFT王子:なるほど。ありがとうございます。

フルオンチェーンゲーム「Isekai Battle」について

Isekai Battleのサイトはこちら

NFT王子:まずは、プロジェクトのかんたんな説明です。

「Isekai Battle」には3つの特徴があります。1つ目が「探索をしてプレイヤー同士で対戦をする」ゲームであるということです。2つ目はプレイヤー同士で「NFTを奪い合う」ゲームです。

そして、3つ目に「暗号資産(トークン)をゲットできる」ゲームであるということです。そして、それら全てがフルオンチェーンになっています。

けんすう:リスナーさん目線で言うと・・・そもそも「フルオンチェーン」とはなんですか?

NFT王子:恐らく、ここにいる方は、暗号資産とかETHとかBitcoinを触ったことがある人がほとんどなのかなという前提でお話します。

BitcoinやETHは、そもそも「フルオンチェーン」です。例えば、「Isekai Battle」では、ブロックチェーンの中にデータやゲームの仕組みを全て書き込んであって、改ざんできないようになっています。

2/25に新キャラが発売されるんですが、その画像も全てブロックチェーン上に書き込まれているので、後から画像が替わったり、ゲームの仕組みが変わらないのが「ゲーム上のフルオンチェーン」という感じです。

けんすう:フルオンチェーンにするとお客さんは何が嬉しいんですか?

NFT王子:例えば「Isekai Battle」では、NFTを奪い合うんですが、その奪い合うNFTの根本的な価値が変わらないのが、フルオンチェーンの良さだと思っています。

けんすう:価値が変わらない!?

NFT王子:もちろん「欲しい、欲しくない」というバランスで価格は変わりますが・・・例えば、画像やゲームの仕組みがフルオンチェーンじゃない場合は、途中で運営の人が(画像や仕組みそのものを)変えたりすることも可能なわけです。

フルオンチェーンじゃなかった場合、運営さんがその「画像A」を「骨骨人間に変えます!」というように変えられます。

「画像A」がめちゃくちゃ好きだったのに、いきなり別の画像に変わっちゃったら、その価値って簡単に変動しちゃいますよね。

ゲームプレイヤーにとって「お金をかけて奪い合っているのに、途中で価値が変わっちゃうってどういうことなの?」というのが、フルオンチェーンだと起こらない感じです。

けんすう:なるほど。僕、ゲームをやっていてキャラが運営によって勝手に書き換えられた経験がまだないんですけど、あるものなんですか?

NFT王子:「キャラの書き換え」は、わかりやすいので例として出しましたが、そういうことは基本的にはないと思います(笑)。

ゲームの仕組みみたいなものも、フルオンチェーンの中に入っていて、例えば「探索」に出たら10%の確率でAという武器をゲットできるとします。

けんすう:はいはい。

NFT王子:この10%という確率も、きちんと明らかにブロックチェーンに載っています。さらに、そのパーセンテージも書き換えられることはありません。

Web2.0のゲームでは、そのパーセンテージがどうなっているのかを明らかにしてない会社もありましたが、ブロックチェーンだと完全に情報が出ているので、突合できる面白さがあるのかなと思います。

けんすう:なるほど、そうですね。逆にゲームバランスとかも変えられないっていうことですか?

NFT王子:仕組み上は、追加することはできます。ただ、今乗っているブロックチェーン自体は、変えることはできないという感じです。伝わりますかね(笑)。

けんすう:なるほど(笑)。

NFT王子:フルオンチェーンゲームは、まだ世界中にかなり少ないです。

それは、開発にお金がかかることやグラフィックの課題もあります。ゲームをやる方々って、きれいな画質で動きも滑らかなゲームをやりたい、という需要が高いと思います。

でも、フルオンチェーンにすると載せられる容量が決まっているので、ドット絵みたいなグラフィックになってしまいます。

「グラフィックがいい方がいいじゃん」と思われる方も多いのですが、「Isekai Battle」に関しては、世界でもかなり最先端のフルオンチェンゲームを体験をできる、というところに、ユーザーさんは価値を感じてくださっていると思います。

普段のゲームとは違う体験価値が、そこにはあると思っています。

けんすう:なるほど、どの辺が最先端なんですか?

NFT王子:そもそも、フルオンチェーンゲーム自体が最先端っていうことですね。

けんすう:なるほど。やっているところがあんまりない。

NFT王子:表立っていうところですね。

けんすう:これは素人考えなんですけれども、ブロックチェーンに書き込むって、要は壮大にコストがかかるというか、無駄も多いですよね。

NFT王子:そうですね。

けんすう:サーバーのデータベースに1つデータを追加するだけなら、めちゃくちゃ簡単にできるのに、大変なことをやっていますよね。

さっきおっしゃったように、フルオンチェーンだといろんなものが変えられない。そのなかで、ゲームを作るのは正直めちゃくちゃ大変だなと思うんです。

ユーザーに想定しない動きをされることによって、「こうすると、めちゃくちゃ人のNFTが奪える」といったことが発見された時に大変そうだなと思うんですけど、その辺ってどうやっていますか。

NFT王子:正直、開発の部分に関して、僕は深く知らないというのが大前提としてあるんですが・・・「Isekai Battle」では開発に1年をかけて、「これをブロックチェーンに載せるべきか、仕組上これでいいのか」といった部分を精査しています。

これまでゲームプレイヤーとして、がっつりやってきたPajiさん(Tokyo Otaku Mode共同創業者兼COO)も運営に参画していて、その考えやノウハウを、このゲームにフルベットしています。

けんすう:なるほど。2年、3年後はどうなっていくと思いますか?

NFT王子:正直な話、「時代待ち」感はあります。

ETHでフルオンチェーンゲームをやっていると、ガス代(手数料)がまだ高いという問題があります。これでも、低くなったとは言われているんですが、まだちょっとフルオンチェーンゲームをやる上では高いです。

(ゲームを遊ぶには)都度都度、ガス代を払っていかなきゃいけないので、これが下がってこないとプレイヤー人口はがっつり増えていかないです。

けんすう:他のチェーンでやろうとは思わなかったんですか?

NFT王子:それに関しては、Pajiさんに話を聞きましたが、「それはない」と。

将来性を見越したときに、最終的にはどのチェーンが残るのかはわからないですが、それでもETHが残るという確信がPajiさんの中にはあるというのが理由でした。

けんすう:なるほど。これを聞いてめっちゃ面白そうだから始めようと思った人はまず何をやるといいんですか?

NFT王子:個人的には、「テストネット」というお金がかからない環境があるので、そこで試していただいてから、キャラクター買おうかなとか「メインネット」で実際にお金かけてやってみようかな、という判断をしていただければいいのかなと思います。

実際にお金かけるのと、テストネットでやるのとでは、かなり体験は変わってきますが、イメージはつくかなと思います。

けんすう:なるほど。

NFT王子:まずは「Isekai Battle」のDiscordに入ってきてください。

そこに「Japanチャンネル」というがあるので、「テストネットやってみたいんですけど」と言っていただいたら、運営のメンバーからアクションします。

けんすう:これ、Discordに入らないとテストネットは繋げられないんですか?

NFT王子:いえ、そうではないんですが、Discordに入っていただいた上で、テストネットってどうやってやるのかという説明やテストネット用の通貨みたいなものをお渡ししたりしているんです。

けんすう:うんうん。

NFT王子:「Goerli」というテストネットを使っていますが、「ETHってどこでもらうの?」というところから分からない方もいらっしゃるので、その辺もご案内しています。

けんすう:なるほど。実は、1回テストネットでやろうとしたら「最低3体必要です」というメッセージが出て入れなかったんです・・・。

NFT王子:それもDiscordでお渡ししています!

けんすう:Discordに入って、ちゃんとチュートリアルも受けて、使えるものももらった上でやるっていうのがいいということですね。

NFT王子:そうですね。「ちょっと、ガス代かけてまでゲームやりたくないよ・・・」と思っている方は、一旦テストネットでやってもらうとか、Discordの中身を見てもらうのがいいと思います。

現状では、全ての人に「Isekai Battle」をやってほしいというものではなくて、ブロックチェーンの仕組みに興味がある方や、体験価値として「ガス代を払ってもいいよ」と思ってくださる方にぜひ体験してほしい、という考えがあります。

けんすう:うん、なるほど。ガス代はどのぐらいかかるんですか?

NFT王子:ガス代は2種類あるんですが、高い方では1週間に3,000~4,000円ぐらいかかります。低い方は、500〜1,000円ぐらいです。

ガス代は変動するんですが、それぐらい使っても体験価値として面白そうだなと思っていただける方には、「ぜひ!」という感じです。

けんすう:なるほど。それでNFTを奪ってそれを売買して、お金を稼いでいる人っているんですか?

NFT王子:モードがいくつかあるんですが、「探索モード」と「バトルモード」のうち、今はまだ探索モードしかできないんです。

バトルモードは実装されていなくて開発中です。だから、そこで何かを稼ぐというよりは、先にゲームをプレイしておいて、後からやり始めた方よりはアイテムを多く持っているとか、戦略を組み立てられる、というところに価値を感じて、遊んでいただいてる方は多いです。

けんすう:なるほど。

NFT王子:ありがとうございます。「Isekai Battle」に関してはこんな感じです。

コラボ型きせかえNFT「sloth」

NFT王子:次は、slothさんに話を聞いていきたいなと思います。

けんすう:はい!slothは着せ替えができるNFTです。本体と呼ばれるナマケモノのNFTと衣装のNFTを買って、それらを合成すると1つのNFTができます。

合成した後のNFTを売ることもできるし、それを買った人が衣装を脱がせて、自分の好みの見た目を作れるというのが楽しさのポイントです。

NFT王子:ありがとうございます。

けんすう:「コラボ」もポイントになっていて、いま、誰もが知ってるような会社やブランド、有名人の方と色々お話をしています。

例えば、人気漫画のキャラの服とか、あの企業の制服とか、そういった衣装を出すことで、そのファンの人がコラボ衣装を着てアピールしたり(遊びの)余地を作っています。

NFT王子:最終的にslothを通して、けんすうさんやアルさんが何をされたいのか、大きい目的を教えてほしいです。

けんすう:なるほど、いい質問ですね。アルという会社は「クリエイティブ活動を加速させる」というミッションを持っています。

日本のクリエイターってめちゃくちゃ実力があって、世界トップレベルの品質なのにビジネス的にはまだ恩恵を受けてないと思ってるんですね。

日本が世界で戦える数少ないものの1つが、「クリエイティブ」だと思うので、そこをなんとかしたいです。

NFTは国境を超えやすい性質があって、シンプルにインターネットネイティブな通貨でやり取りができるところが大きいと思っています。

実際、海外の人に1万円を払おうとするとめんどくさかったりするので、そのハードルを超えられると日本のクリエイターがどんどん世界に行くだろうなと思っています。

NFT王子:なるほど。

けんすう:ただNFTはまだ敷居の高さがあって、お客さんや企業も足踏みしている状態だと思います。

意外なことに、「ウォレット作る」とか「メタマスクを設定して買う」とかで、つまずいてる人は僕らの周りだとほとんどいないんです。

むしろ、何を買えばいいのかわからないとか、可愛い絵を買ったのに「それは全然ダメなプロジェクトだよ」って言ってくる人がいたり・・・

NFT王子:はい(笑)。

けんすう:「これを持ってるとエアドロされるよ」って言われても「エアドロって何?」みたいな、文化的なところでつまずいている印象があります。

それで、昨年9月に「marimo」という初心者でもわかるNFTプロジェクトをやりました。

NFTって画像を売買することをイメージされる人がまだ多いので、「育てられる・画像を変化させられる」という点と、原始的かつ可愛くないモチーフにすることで、「大切なのは絵の可愛さではない」という点が一目でわかるプロジェクトにしたんです。

そうしたら、marimo保有者のうち40%ぐらいの人が「初めてのNFT」として買ってくれました。NFT初心者の方に「なるほど!」と思ってもらえたんじゃないかなと感じています。

marimoには、ガス代を払って「水を換える」という最も原始的なゲーム要素があるんですが、既に5600回ぐらい行われています。約500円を払ってでも、お世話をして育てるということをちゃんとやってくれているな、という実感がありました。

それで次は、いろいろなクリエイターさんや企業さんがNFTをやりたいと思った時に、参入しやすいコンテンツ上のプラットフォームを作ろうというのがslothプロジェクトの意図です。

今はじめようと思うと、NFT業界独特のマーケティングをしなきゃいけなくて大変だなとか、敷居が高いなというところを、「衣装アイテムだけ提供してくれたらOK」とすることで、クリエイターさんや企業さんも参加しやすくなると思っています。

NFT王子:うんうん。

けんすう:だから、Mint割れやALを持っていないと損するかもという状態をなるべく排除して、普通の人が楽しめることを意識してやっています。

NFT王子:ありがとうございます。

それに関連して質問なんですが、けんすうさんはクリエイターを大事にしているという前提があって、その中で最初のお1人としてしもんずげーとさん(イラストレーター。slothのキャラクターデザインを担当)を選ばれた理由は何かあったんですか?

けんすう:我々のチームでイメージボードを作って、それに合うクリエイターさんって誰だろうと話し合った時にまず、しもんずげーとさんの名前があがりました。

ただ皆さん非常にお忙しいですし、重いプロジェクトなので、受けてもらえるかどうかはわからないけど、しもんずげーとさんに頼めたらいいよね、という感じで始めました。

NFT王子:衣装を提供してもらうという話がありましたが、すでに衣装を作られている方や服関係の会社さんから提供してもらうイメージですか?それとも、クリエイターさんが描かれたものを追加していくんですか?

けんすう:7月ぐらいには、誰でも衣装を作って売れるような仕組みにする予定です。

例えば、タクシー会社だったら運転手の制服、スポーツジムだったらフィットネスの恰好でTシャツにロゴが入っているとか、企業のブランドに合わせて、想起しやすい服を作れます。

コラボのイメージ

NFT王子:となると、ちょっとしたプロモーションにも使えるイメージですね。

けんすう:そうですね、最先端のこと(NFT)をやってますというアピールやプロモーションにもなります。

企業の中の人の気持ちになって考えると、新しいことをやるにはコストがかかるのが普通ですが、slothの衣装を作るだけであれば、ほぼ制作費がゼロでできるところも大きいと思います。リスクが少ない上に売り上げも上がります。

NFT王子:なるほど。今もサイト上でコラボの募集を受け付けているんですか?

けんすう:そうですね。特にNFT系のコラボに関しては、いろんなところからお問い合わせいただいています。

どちらかというと、大きな企業や有名な企業がコラボしてくれて、NFT業界全体が盛り上がっている感じが出るとか、NFT業界に入るお金やお客さんの数を増やして、パイ全体を大きくしたいと思っているので、そのために組手を考えています。

絵本は72万部、映画の興行収入27億、そして日本国内でもっともホルダー数の多くOpenSea取引量世界一位も獲得したNFT「Halloween Poupelle」の『えんとつ町のプペル』とのコラボも決定!

NFT王子:わかりました。

いまのNFT業界は、90年代のインターネットに近い

NFT王子:ナマケモノというコンセプトでのんびりやっていきたいという話がありましたが、今の売れ行きだけを見てしまうと、「正直、slothの勢いどうなの?」と思っている方もいらっしゃると思うんですよ。

でもそれも、そもそも、バーっと売れて、バーっとフロアが下がる、みたいなことを防ぐためにプロモーション活動をされていたんでしょうか?

けんすう:プロモーションの設計として、結果を予測するのは難しいと思いますが、例えば、marimoを買ってくれた95%以上の方はMint割れやフロアプライスの概念自体を知らないと思うんです。

NFT王子:うんうん。

けんすう:NFTに非常に詳しい上級者や、Discordで積極的にやり取りをするような人は知っているんですが、そこに合わせたら絶対ダメだろうなと思っています。

NFT王子:なるほどなるほど。

けんすう:これは、90年代のインターネットに近いと思います。

当時はインターネット上のホームページを宣伝するのに、有名な個人サイトの人と仲良くなって、相互リンクを貼ってもらうことが多かったんですね。

今はそんなマーケティングをしている会社やサイトはないと思うんですが、当時としてはそれが最適解でした。今のNFTと同じで、詐欺や悪意が非常に多かったので、信頼できるページからのリンクしか信用できない、というのがあったからです。

「当時の人は馬鹿だったよね」と言うつもりは全くないんですが、そこに閉じていた時は進化が遅かったんですよ。

今回は、NFTに興味を持って新しく参入する僕の友達とかが、NFTを買えない状態をとりあえずなくしていかなきゃいけないと思いました。

そのためには、「ALを持っていると早く安く買えて、高く売れる」とか、「無料でMintできるけど、二次流通で買う時はめっちゃ高くなってる」とか、そういう理解しづらいものはなくしたいです。

NFT王子:slothでは、ALを持っている方とパブリックセール(一般販売)でMintされる方とのプライスの差は、ほぼない感じですか?

けんすう:そうですね、なくしています。他のNFTプロジェクトを見ていても、ALをもらえる人だけが得をするとなると、普通の人はめっちゃ怖くなるんですよ。

NFT王子:なるほど。

けんすう:Discordとかをちゃんと見て、コミュニケーションについていって、情報収集をしないと自分たちは損する、と思うことへの警戒がすごい。

そういう施策をやった方が、プロジェクトが勢いづいて見えるし、Mint割れしにくくなるだろうという理屈はわかった上で・・・多分、数年後にこういう話をしてる人はいないと思うんです(笑)。

NFT王子:そうですね(笑)。そんな気がしています。

けんすう:当時は気にしてたよね(笑)っていうことになると思います。

やっぱり普通の人が「可愛い!」とか「着せ替えたい!」という気持ちだけで楽しめることに加えて、NFTのおもしろさである「ちょっと売買できる」という点はなくさない、というのが理想です。

ユニクロの服みたいに、2000円で買ったものを1000円で売って、ちょっと遊んだ後に1000円戻ってきたらいいよねとか、逆にレアだから3000円で売れて1000円儲かって嬉しいみたいな・・・

NFTのおもしろさはなくさないけど、情報による差とかけた時間によって得をする、みたいな部分はなくしたいと思っています。

NFT王子:結局、けんすうさんがやろうとしてることって、マスアダプション寄りな感じがしているんですが、それは認識として正しいですか?

けんすう:大きく分けるとマスアダプションに近いんですが、さっきのインターネットの事例で言うと97年ぐらいだと思っています。要はマスアダプションの1歩手前のアーリーアダプターがやり始めるぐらいのイメージです。

NFT王子:なるほど。

けんすう:インターネットでいうと、HTMLを書いてサーバーにFTPでアップロードする、サーバーを契約するなどをやっていた時代から、掲示板のように誰でも書けるのが主流になってきた頃のイメージです。

今はまだ、BTSを好きな人がBTSのNFTを買うようになる、とかには全然早いと思うので(笑)。

NFT王子:今のNFT業界って大前提として、金銭感覚や得するしないみたいな感覚がバグっていると思っているんです。

ただ、いまslothの話を聞いていると、普段の感覚に近いようなものを作ろうとしていると思うんですが、それは意識してされていますか?

けんすう:元々そうですね。僕もNFTを始めようと思った時に、いろんな人から「Discordに入って、こういう情報を買ってイケてるプロジェクトを買うんですよ」みたいなことを言われたんです。

絵が好きだとか可愛いからではなくて、「これを持っている方がわかってる人だと思われますよ」という話ばかりで・・・それも楽しみ方の1つだと思うので否定はしないんですが、それで対象になるユーザーってめちゃくちゃ少ないなと思いました。

NFT王子:Walletの中身が自分のかっこよさ、みたいなのもありましたよね。

けんすう:注目度がそこになっちゃってることが問題というよりは、市場の拡大を阻害している感じがします。

普通に考えると数年で解けていくと思うんですが、その一つの手として(slothのようなプロジェクトを)やるといいんじゃないかと思っています。

NFT王子:アイドルの古参ファンと新規ファンの争いみたいな感じで、古参の方が偉い、よく知ってる人の方が偉いみたいな構造に近い形になってしまっているのかもしれないですね。良くも悪くも。

けんすう:そうですね。そういうNFTユーザーの人を否定してるわけではなく、構造的な問題です。黎明期は詐欺やスキャムが多いので、その挙動を取らざるを得ないんだと思います。

昔ブログでも書いたんですけど、昔はリンクを貼る時に、「httpの最初のhを抜かないとマナー違反だ」と言われていた時がありました。

NFT王子:マナーですか(笑)。

けんすう:リンクをクリックできる状態で貼って、もしその先がブラクラ(ブラウザークラッシャー)というパソコンがクラッシュするサイトだったらどうするの?っていうので、みんなhを抜いてttpから始まるリンクを貼っていました。

クリックしたい人はそれを自分でコピーしてブラウザに貼るという作業があったんですけど、今見ると特殊じゃないですか。

NFT王子:そうですね。

けんすう:特殊だけれども、当時は一定の合理性があって、みんなの安全を守るためにそういう文化ができたので、それ自体は馬鹿だとか愚かだとも思わないです。

でも、リンクは普通に貼りたい人が圧倒的だと思うので、(NFTでも)そういう世界を作りたいなと思っています。

NFT王子:ありがとうございます。


質問ピックアップ

NFT王子:最後に、コメント欄から私とけんすうさんで1つずつ質問をピックアップして、その方にNFTを差し上げたいと思います。まずは私からです。

Isekai Battleをプレイしようとしたらキャラが3体必要で4万5000円前後かかるんですが、参入障壁が高くないですか。中古でプレステ5が買えちゃう。

とのことです。

おっしゃる通りですね。参入障壁は正直に言って現状だと高い方だと思います。でもその参入障壁を超えて来る方だからこそ、ゲームをプレイし続けられるのかなと考えているので、それについては今は仕方がないと思って運営側は設計しています。ただ、最終的には皆さんがやりやすいように考えていきたいと思っています。

けんすう:次の質問です。

slothについて、クリエイターや企業のメリットはわかるのですが、ホルダーが持っていて嬉しい、楽しいと思えるような仕掛けはありますか?着せ替えは可愛いのですが、それ以外でお願いします。

現時点では、「出社」することでステータスがアップするという、あえてシンプルなゲーム性を作っています。

これはまだアイデアベースなんですが、例えばコンテストをやって、コンテスト上位のナマケモノと衣装のセットで、YouTube漫画や動画を作ってエンタメ化するとか、アクリルキーホルダーを作ってあげるとか、そういうことができないかなと考えています。

アクリルキーホルダーの試作品

というのも、我々は去年、自社サービスを使ってジャスティン・ビーバーさんとコンテストをやったんですが、ジャスティン・ビーバーさんの曲から想像する絵をクリエイターが作って、それをキャンバスに印刷したところ好評でした。

自分が着せ替えたキャラクターを使って自分だけのビジュアルで動画が作れるとか、それがアクリルキーホルダーやキャンバスになるとか、本当に愛着を持ってもらえるような企画ができたらおもしろいなと思っています。


ということで

NFT王子:ありがとうございます。けんすうさん、最後に宣伝やお知らせがあればお願いします。

けんすう:slothのパブリックセールは3月1日からです。

(※現在、すでにパブリックセールが開始しています)

ナマケモノなので、ゆっくり買えるようにしたくて、Discordでもゆっくり買ってねと伝えています。

焦って早く買わないと損しちゃう、みたいなプレッシャーを感じず、良いと思ったら買って、ちょっと様子見ようかなと思ったらそうしてください。

NFT業界は動きが早くて激しいので焦っちゃうと思うんですけれども、そんなに一生懸命にならずにやってほしいなっていうのがお知らせとお願いです。

NFT王子:ありがとうございます。

僕らの「Isekai Battle」も本当にいいなって思ってもらった人はどうぞっていう感じで、買い煽りをしていないところがあるので、その点についてはけんすうさんのslothと似ているかなと思いました。

けんすう:確かに。

NFT王子:今後ともよろしくお願いします。

けんすう:はい、お願いします!ありがとうございました!


というわけで、以上になります!ありがとうございます!

NFTを買ったことがない、という方向けのヘルプページも用意しましたので、こちらもぜひご覧ください。


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