NFT業界全体にお金が回る設計をどう作るか - giveawayツールについて

こんにちは!

「お金の流れ」みたいなのが最近テーマでよく考えています。ここ10年20年くらいの、日本のインターネット産業の弱さはやはり「お金の流れでおいしいところを抑えられているから」というのはありそうです。

今、新しいNFTのマーケティングツールみたいなのを作っていて、そこで考えていることを書きたいと思います。

アメリカのプラットフォームに売上が流れ続けている

アメリカのインターネット産業ってとんでもなくうまくいっているのですが、大きな役割を果たしているのが、やはりプラットフォームです。

これはもう、この10年くらい、あらゆるところで言われ続けているので、もう知っているよ、という人が多いと思いますが・・・。改めて整理のために説明しておきます。

たとえば、AppleのAppStoreは、2021年だけで、アプリ開発者に6兆9165億円を支払っているそうです。

2021年だけでも開発者に少なくとも総額600億ドル(約6兆9165億円)を支払ったことになる。

アップルは2021年、アプリ開発者に約7兆円支払う

Appleは原則、AppStoreで生じる売上の30%の手数料をとっています。AppleとGoogleで世界のスマートフォン市場をほぼ完全に独占しており、その上で開発している事業者は、ゲームだろうとSNSだろうと、AppleとGoogleに30%の手数料を取られているわけですね。

当たり前ですが、日本のウマ娘が大ヒットを飛ばしていても、その収益の30%はアメリカが取っていっているとも言えます。もちろん、AppleやGoogleが作り出した市場なので、その恩恵に預かっている面も多々あると理解しつつ、これが全世界規模で行われていると考えると、アメリカのプラットフォーマーの強さを再確認せざるを得ません。

さらに、広告市場でも同じことが言えます。ソーシャルゲームを日本企業が出す時に、売上の30%がAppleとGoogleに持っていかれる一方で、そのソーシャルゲームに人を呼び込む時にどうするかというと、広告を使ったりします。

テレビCMとかも使うと思いますが、オンライン広告も当然ながら使います。で、そのオンライン広告の50%以上が、GoogleやMeta(Facebook)、Amazonが占めています。

弊社も、広告を出すときは、だいたい、Google広告、FacebookやTwitter、Instagramなどになりますが、代理店を使わない限り、それらのお金はすべてアメリカ企業が獲得しているとも言えます。

これが、90年代の電化製品だとしたら

  • パナソニックが作って

  • それをビックカメラが売って

  • テレビCM、雑誌広告を出して宣伝する

とかであれば、多くのお金を日本企業に支払われていて、で、税金も支払われるし、そこに働く人達の給与にもなっていた、とも言えます。

物事はそんなに単純じゃないので、一方から見るのは危険ですが、少なくても「アメリカの巨大プラットフォームはものすごい利益をあげており、時価総額もとんでもないことになっている」一方で「日本のIT産業は、足元にも及んでいない」というのは事実だったりします。

このあたりはもう構造的に負けているというのが現状であり、だからといって「日本企業で、世界に通用するSNSや検索エンジンを作っていく」というのは、ぶっちゃけほぼ不可能です。

というので、せめて、次に来るものでは少しでも日本勢にお金がまわるようにしようと思っていたりします。

で、僕らが今張っているのは、web3と呼ばれる領域です。特に、NFTは面白いなーと思っていろいろ触っているところです。

新規のNFTプロジェクトの問題

NFT、盛り上がりつつあるんですが、まだまだこれからというところです。

そんな状況ですが、今作られているNFTプロジェクトの多くが、ぶっちゃけ「NFTを作っても、ぜんぜん発見してもらえず売れない」という状態になっていたりします。

これは当たり前です。NFTに限らずどんないいものを作っても、露出しないと買われない、というのはどのジャンルでもそうですよね。

じゃあどうやって広めるのか・・・という時に、実はNFT業界ではあまり手段がありません。一番メジャーなのは、インフルエンサーに広めてもらう、または他のNFTプロジェクトとコラボをしたりする、という形なんですが、人気のインフルエンサーやNFTコレクションほど「コラボしてよ!」と言われまくるので、やれる数に限界があるんですね。

あと、どうしても仲がいい人同士でやりがちなので、村社会化しやすいというのもあります。それも別に悪いことじゃないと思うんですが、これから大手企業とか、有名人とかが入っていくときとかに、村社会に入らないといけないとなると敷居があがってしまいます。

というので、新しいNFTプロジェクトを広めたい人が、「お金を払えば解決する手法」が必要だなと思いました。お金を払う、というのはネガティブに聞こえがちですが、要はコストとリターンがあっていればいいので、お金払うだけで解決するなら、ビジネス的には一番シンプルです。

お金の払い先をNFTにするマーケティング手法

というので、どうしようかなーと思ってたんですが、おそらくこのままいくと「NFTをマーケティングするのに、Twitter広告を出す」か、「インフルエンサーマーケティングをする」になりそうだなと思ったんです。

まあ、これがダメとは思わないんですが、Twitter社やインフルエンサーが儲かるよりも、もうちょっとNFT業界全体が盛り上がる方向にいかないかなと。

500万円の広告費があったら、そのお金で、NFTを購入してくれるようになると、もっとNFTにお金が回るし、日本のクリエイターもどんどんとNFTに参入するのではないかと。

そこで考えたのが「giveaway」という文化を使うことです。giveawayとは、フォローとかRTをしてくれた人に、NFTをプレゼントするよ、というキャンペーンです。NFTが好きな人とかが参加してくれるんですね。

これを超効率的にできるようにすることで、これから新しくNFTプロジェクトをやる人とかがマーケティングするようになるのがいいかなと。そうすると、「マーケティングのために使う予算が、NFTに大きく流れるようになる」という状態を作れるんじゃないかと。

要は

  1. NFTを広めたい人は、NFT好きな人とつながりたい

  2. そのためにgiveawayをする

  3. giveawayするために、人気のNFTを購入する

  4. NFT業界にお金が入り、またNFTを配布することで、NFT所有者が増える

というのを狙う感じです。

で作っているのが「🍡dango」というサービスです。

たとえば、僕がNFTを広げたいと思っている人であり、広告予算に100万円使えるとしたら・・・。100万円でNFTを買いまくって、それをdangoを使ってgiveawayします。

そうすることで、NFTに興味ある人からたくさんフォローされるので、その人たちに対して「こんなプロジェクトやるよ」と伝えることができるようになります。

大手企業が、新規事業をまず広げるために、広告予算を投下するのはあたりまえなので・・・。この仮説がうまくいくと、NFTプロジェクトの広告費の多くが「NFTを購入すること」に使われるので、国内のNFTプロジェクトの値段があがったり、人気があがったりするようにならないかなーと思っています。

そうすると、NFT業界の盛り上げがもっと早くなると思うんですよね、、

というわけで

まだ正式オープン前ですが、応募側だけ使えます。

dangoの公式アカウントでは、毎日のようにgiveaway企画をする予定です。

このあたりのお金の流れをいかにNFT側に持っていって業界を盛り上げるか・・・を最近超考えているので、よければチェックしておいてください。

では!

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