切り抜き動画から見る「コンテンツの原液づくり」と「ファンも稼げる」サービスづくり

こんにちは!インターネットサービスをよく創っているけんすうというものです。最近だと「00:00 Studio」という、創作活動中のライブ配信サービスをやっています。

最近よく「未来はこうなると予想していて、だからこう考えて、こういうサービスを創っているよ」という記事を書いて、今日はその第3弾です。

本記事では「コンテンツの原液づくり」が大事だよねえ、というのと、「ファンが稼げる」という世界観が来そうだよねえ、というのを書いてみたいと思います。

ちなみん、第1弾はこちらで

第2弾はこちらです。

未来が確定してから書くと、すごく体系立ててかけちゃうんですけど、そうではない、まだごちゃっとしているもののほうが参考になるんじゃないかと思っています。なので、まだ内容はボヤボヤしていますがご容赦ください。

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この記事は、自社サービスを創るときに、未来予想や時代の流れの予測をし、そのために何を創っていくのか、という話を書いてます。なので、最終的には自社サービスの話になります。

自社サイトへの誘導や宣伝、PRに見えてむかつく!という人も一定数いると思うので、気になる方はここで読むのをやめるのを推奨します!

----- 予防線おわり -----

ではいきます。

コンテンツの原液が大事な時代?

ここ10年くらいの流れでは、コンテンツはとにかく最低限の最小単位まで小さいとウケる、というのがありました。テキスト投稿はTwitterのように140文字以内になり、動画コンテンツもTikTokのような15秒程度のものが好まれるようになりました。

この現象は「長いものが嫌がられるようになって短いものにとってかわられた」というわけではありません。むしろ、「短いコンテンツが増えることで、スキマ時間を永遠と埋めていった」という感じじゃないかと思っています。

短い動画を映画を観なくなったわけじゃなくて、電車の待ち時間や、ちょっとした空き時間をスマートフォン x 短いコンテンツによって埋めるようになった、ということかなと。

なので、YouTuberは、なるべく動画を短くテンポよくするようなテクニックが流行ったり、Twitterでも小粋な文章とか、すぐにRTしやすいマンガが増えたり、TikTokで凝った動画が流行ったりするようになった、というのがありました。

ただ、そういうのを狙うプレイヤーが多くなったせいで、「手のこんだコンテンツを作り込んでも、すぐに埋もれてしまう」というのが起こっています。結果として「手をかけてもさほどマネタイズできなくて、だんだんジリ貧」という状況の人もよくいるみたいです。

で、そこで出てきたのが「ライブでダラダラ配信して、それをファンが切り抜き動画を創る」というムーブです。ざっくりいうと

- 配信者はライブなどで長時間配信をする
- ファンはそれを見て、リアルタイムの視聴や、直接のつながりなどを楽しむ
- 端的にコンテンツを楽しみたい人はファンが創った切り抜き動画で楽しむ
- 切り抜き動画で興味を持った人が、リアルタイム視聴に流れる

という流れです。こうすることで、

- 配信者はコスト低く
- コンテンツの質と量が高くなる

となります。

この流れはたしか、Twitchとかで長いゲーム実況とかをやってた人のものを切り抜きをして、YouTubeに流す、みたいなところからはじまっている流れで、たとえば海外でも2019年には、切り抜きの人を公式でスタッフにしたりとか

Vtuberのにじさんじさんが、2020年に公式切り抜きチャンネルを開始したりしています。

そして、昨今では、ひろゆきさんの切り抜き動画がちょっとしたブームになっています。5月だと3億再生されており、5月中に1度でも視聴した人が1583万人とのことです。

すごいですね。

原液と編集者が分かれているからこそのメリット

この流れは、「切り抜き動画が流行っている」みたいな単純な現象ではなく、コンテンツの原液を創る人と、その原液を編集して創る一般のファン、という風に分かれているということじゃないかと思います。

一般のYouTuberは撮影と編集は、本人やチームが全部やります。初期の頃は個人で全部やってた人も多かったですが、その編集部分がファンがやる、みたいになっているということです。

この一般のファンがクリエイター的になるのを、便宜上「ファンクリエイター」と呼びます。そして、ファンクリエイターと一緒にうまくやっている人が伸びてきています。

ファンクリエイターがいると有利なポイントは

①仕事じゃなくファンや好きな人がやるので熱量が高い
②自分じゃない人がタイトルやサムネを創るので煽りやすい
③大量の人がやるため、うまくいくものが確率論的にでてきやすい

などです。それぞれ詳しく見ていきます。

①仕事じゃなくファンや好きな人がやるので、おもしろくなりやすい

これはなかなかいい方が難しいんですが・・・。仕事で動画の編集などを頼むと、一定のクオリティまではいきやすいんですが、それ以上はおもしろくなりづらいというのがあります。

というのも、「大幅に赤字になるほど熱意を入れる」みたいなのは当然できないからです。仕事なんで当たり前です。

一方で、ただ単純に好きでやる人は、採算度外視になったりするので、驚くようなクリエイティブができたりします。

たとえば、ひろゆきさんをよく知らない人が、あくまで仕事として調べて理解した上で、仕事としてひろゆき切り抜き動画を創るのと、ひろゆきさんの熱狂的ファンが楽しんで作るのとでは、やはり後者のほうが熱量が高くなります。

そういう、非合理な熱量こそがおもしろいクリエイティブにつながったりするというのはありそうです。

②「自分じゃない人がタイトルやサムネを創るので煽りやすい」

たとえば自分で創ったYouTube動画で、「天才」とか「神回」とか「論破」とかは書きづらいですよね。

自分でいうのは恥ずかしいですし、観ている人も「何、自分で神回とか天才とかいっちゃうの?」と冷めた目で見るからです。タイトルに自分の名前を入れることすらちょっと抵抗があったりします。

たとえば、僕自身がブログタイトルに「【神回】けんすう、これからのインターネットの未来を語る【天才の視点】」とかタイトルをつけるのは絶対に無理です。でも、そういう刺激的なタイトルのほうが絶対見られるんですよね。

僕の知る限り、本人なのにそんなことをできるのはキングコングの西野さんくらいです。

なので、キングコング西野さんみたいなことは普通の人は恥ずかしくてできないので・・・。なので、ファンクリエイターが切り抜き動画を創って、みんなが観たくなるような刺激的なタイトルとかサムネイルを創ってもらったほうがいい結果になりやすいです。

③大量の人がやるため、うまくいくものが確率論的にでてきやすい

そして、単純に大量のファンクリエイターが挑戦していると、それだけで競争が生まれて、クオリティの勝負や工夫が行われるので、全体の質が向上していくというのがあります。

単純な確率論として、1つのチャンネルでやっている人よりも有利になります。

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ということで、「コンテンツの原液を作り、多くのファンにクリエイターとして参加してもらうという形態にしたほうが有利な戦いになっている」というのが今現在だと思っています。

その上で、もうひとつ大事な事があると思っています。それが「がんばったファンが稼げる仕組みが整いつつある」ということです。

ファンが稼ぐ仕組みが整いつつある

たとえば、AKB48の初期を支えたファンは、その後のAKB48の活動に大きな貢献をしているともいえます。

しかし・・・。そのファンたちが、何かリターンを得ているかというとそうではありません。メンバーから認知されているとか、貴重な初期のグッズを持ってて転売できる、くらいはあるかもしれませんが、AKB48の成功に比べると微々たるものです。

たとえば、これがスタートアップ企業に投資をするエンジェル投資家などは成功した場合、多くのリターンがあります。エンジェル投資家とは、初期のベンチャー企業に株式と交換で300万円などを払い、アドバイスや人脈の紹介などをする人です。

エンジェル投資で払ったお金は特に返す必要がないものですが、将来、株の価値が上がると得をするというシステムです。

ここだと、300万円投資したものが、5年で数億円になる、というのも珍しくありません。

エンジェル投資家は、仕事でやっているわけじゃないので、ほとんどの場合は「がんばっている起業家を応援したい」「知見とかアドバイスを提供することで成功率をあげたい」「その上で、成功したらリターンがほしい」くらいの感じになります。だからこそ、起業家と同じ目線で話ができますし、お互いの利害関係が合致するので、気持ちのいい戦友になりますし、成功したときにはお互いに莫大にリターンがあるので一緒に喜べます。

ミュージシャンやクリエイターを応援するときにも、こういうエンジェル投資家のようなリターンがあったほうがいいよね、というのは昔からいわれていて・・・。僕もエンジェル投資していますが、FiNANCiEというサービスとかも近い発想です。

また、最近話題の「NFT」とかも近い発想です。初期に応援した人も、金銭的リターンがもらえる、という時代がすぐそこに来ています。

切り抜き動画とかもある意味それに近くて、「ひろゆきさんのファンで、切り抜き動画をやったら、よく観られて、ひろゆきさんと折半で広告収益が入るようになって、ハッピー」みたいなことが起きています。

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というので、コンテンツの原液を創ってファンクリエイターがいろいろなコンテンツを創る、という流れと、ファンが稼げる、というのがダブルで来るのが、今後のクリエイティブの一つの流れかなと思っています。

じゃあどういうサービスを創るか?

ということを考えてるんですが、じゃあ弊社はどういうサービスを創るといいのかなーと考えたのの一つを、クリエイターのライブ配信サービスの「00:00 Studio」でやろうかなーと思っています。

これはクリエイターさんが、作業中をライブ配信できるというサービスなんですが・・・。よく言われるのが「作業中をダラダラみてもやっぱりちょっとおもしろくない」ということなんです。

これはある意味当たり前で・・・。クリエイティブ活動というのは、基本的には見えないところでは非常に地味な努力を積み重ねているからです。

じゃあ、すごくおもしろい配信をしたくなるような仕組みにすればいいじゃないか・・・と思ってしまうんですが、クリエイターさんにはやっぱり創作活動をしてほしいんです。

そもそも、クリエイターさんは、このSNS時代では、「作品の力だけで大ヒットする」みたいなのは期待していなくて、「人となりを知ってもらう」とか「マーケティングや売る努力をする」というのも求められます。なので、とにかく忙しいんですね。

00:00 Studioの理想の一つは「創作活動に時間をたくさん使い、その過程で人となりを知ってもらったり、マーケティングができたり作品が有名になったりで、ファンと収入が増える」という状態にすることです。(理想のもうひとつは、配信しているだけでモチベーションがアップして、創作活動が加速することです)。

となると・・・。創作活動中をライブ配信することで、作業時間を削らない状態にしつつ、「そこで生まれるアーカイブは、ファンクリエイターが加工して、がんばって広げる」みたいなことができたらいいのかなあ、とか考えています。

週に1000本くらいの作業動画はアップされているわけなので、「ファンとして応援したい!」という人がアーカイブを切り抜いて見どころを創ったりして収益をシェアできるとか・・・。また、「ただ単にYouTubeのネタとして使いたい」という人でもクリエイターさんにとっては、広げてくれる手助けをしてくれるのでいいのかなあ、とか。

このあたりを今考えていたりします。

理想とは程遠いですが、週に4桁以上の配信をしてもらっているので、クリエイターさんの方がいたら是非とも登録してやってみてください。

というわけで

というわけで、クリエイターエコノミーとか、ファンエコノミーとか、パッションエコノミーとか言われる分野ですが、「コンテンツの原液を創る側と、それを元ネタにするファンクリエイターが一緒になって創っていく」というのが本質じゃないかなーと思っているこの頃です。

K-POPも、Vtuberはすでにこのあたりがうまく回っているから強いのかなあ、と。これをもうちょっと仕組みとしてできたらいいのかなーと思っています。

未来をモヤモヤ考えながらこういう感じでサービスを作っていますよー、という共有でした!

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けんすう

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インターネットでコミュニティサービスとかをよく作っています。今は「アル」というマンガサービスを作っています。