SNS時代のマーケティングフレームワーク「DRESS」とは?

マーケティングやビジネスに関わる方なら、みんな「AIDMA」や「AISAS」をご存知だと思います。

AIDMAとは、消費者が購買を決定プロセスのことです。これは

・製品の存在を知る(Attention)
・興味をもつ(Interest)
・欲しいと思う(Desire)
・記憶する(Memory)
・購買する(Action)

の頭文字をとったものです。Wikipediaによると

AIDMAとは1920年代にアメリカ合衆国の販売・広告の実務書の著作者であったサミュエル・ローランド・ホールが著作中で示した広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスを示した略語である。

となっています。

昔の広告らしいなーという感じはするものの、今の日本でも、「人に欲しいと思わせるために恐怖などの感情を刺激したり、一貫性を持って量を投下しまくることで、記憶させる」という手法はよく使われるので、非常に優れたフレームワークとも言えます。

CMソングでガンガン商品名を覚えさせたりするのもそうですね。

で、これに対して、2005年に「さすがにこのインターネット時代に対してもう古いよね」というので、電通さんが作ったのは「AISAS」です。AISASはこれをちょっと発展させて

・製品の存在を知る(Attention)
・興味をもつ(Interest)
・検索する(Search)
・購買する(Action)
・共有する(Share)

という形にしたものです。

2005年くらいにインターネットをバリバリ使ってた人はイメージしやすいと思いますが、検索する理由は、「口コミなどを見て、良し悪しを判断する」ために使われました。

当時はSNSとかもまだまだ黎明期だったので、共有するといっても、SNSだけじゃなくて、口コミサイト、たとえば食べログとか価格コムのイメージです。

今の時代のフレームワークは?

で、、、今の時代はどういう物がいいのかなーと思って調べてたんですが、どれもピンとこなかったのです。

だいたいこういうのは、電通さんが作って広めてくれるのですが、SIPSやDECAXとかいろいろあるのですが、いまいち「これだ!」というのがありませんでした。

というので、勝手にマーケティングのフレームワーク作って運用していたのですが、それを外で話すと、そこそこ評判がいいので、noteに書いてみることにしました。

それが「DRESS」です。

DRESSとは、

・Discovery(発見)
・Response(反応、共感)
・Experience(体験)
・Story(物語化)
・Share(共有)

の略です。まず

DISCOVERY(発見)

から説明します。

今の時代、製品の存在を知る方法が多様化しています。

そこで行われているのが、「探索」です。検索ではなくて、探索。

たとえば、スマホで、「なんかおもしろいものないかなー」とInstagramとかのハッシュタグをダラダラみたり、TikTokやYouTubeでアルゴリズムにまかせてダラダラ見たりするイメージです。

「探索」しながら興味あるものを「発見する」、というのが今の時代に、情報を知る方法なんだと思います。

多くの人は、もはや自分がほしいものなどを言語化できなくなっています。便利なものが溢れすぎているからです。なので、AIDMAの「Attention」のように「大量に広告などを打って、注意をひく」ニュアンスよりも、「ユーザーが自分の意思で行動して、発見してもらう」というほうが現代に即しているのではないかと思いました。

そして、次は

RESPONSE(反応、共感)

です。これは、反応することです。

これは共感をして、すぐに何か行動しちゃうイメージです。たとえば、いいねをしたり、コメントをしたりすることも行動です。

興味を持つ(Interes)、というよりも反応のほうがこの時代のニュアンスに近いんじゃないかと思っています。

反応の種類も幅広くあります。たとえば、最小単位でいうと、ハッシュタグを見ながら探索してたら、かわいい食器の写真があったので、いいねを押してしまう、とかです。

より強い行動は、「購入する」だったり「イベントにいく」とか「アプリをDLする」とかでしょうか。

そして、次に起こるのが

EXPERIENCE(体験)

です。

要は、その製品を見たり使ったりしたときの一連の使い勝手のよさや、感じられる気持ちなどを総称しています。体験がよいと感動するのですよね。

いわゆる広い意味でのUXというものがこれだと思います。もはやみんな「機能」や「デザイン」だけでは感動してくれなくて、その先の体験がよくないとだめなわけです。

Appleが、「箱をあける瞬間の体験から最高」とかですね。ここは、ただ全部を高級な体験にするのがよいわけじゃなくて、AmazonのKindleみたいに「箱とかは安っぽいけど、とにかく価格が安い。そして、開いたら自分のAmazonアカウントですぐにログインしていて、読書が開始できる」みたいなのも立派な体験の一つです。

そして、その体験が極まると、

STORY(物語化)

になります。

体験がよいと、人々はそれを自分の中で物語化します。「自分で物語化する」というのがポイントです。

表面的な口コミはもう飽きられています。「このお店の料理は肉汁をちゃんと閉じ込めていて、食べた瞬間になんちゃらで、★5だ」みたいな評論家ぽいものが増えすぎてしまっていて、差別化になりません。

物語のように生き生きとして感想が求められている気がするのです。

「この店おいしかった!」ではなくて「今朝こういうことがあって落ち込んでたけど、店員さんがすく温かい声をかけてくれて、そのあとにでてきたカフェラテに手作りのクッキーと手紙がついていて、ほろりときた」みたいな、臨場感のある物語が、「その顧客が作る」用になっているのがいいと思うのです。

そして

SHARE(共有)

シェアです。物語をシェアする感じになります。

エモいという単語が広まってもう7年くらいたっている気がしますが、そういう感じですね。感情が揺さぶる物語を共有することこそが広がるコツなのかなーと。

というわけで

「DRESS」の紹介でした。別に流行らせたいとかそういうわけじゃないんですが、アプリを作っている人とか、SNS上で物事を広げたい人には、一つの考え方のフレームワークとして、使ってもらえると嬉しいです。

・Discovery(発見)
・Response(反応、共感)
・Experience(体験)
・Story(物語化)
・Share(共有)

ではでは!

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読まなくていい蛇足

こっから先は、まだ考えがまとまっていないところなので、蛇足です。モヤモヤと考えていることを共有する場所です。

あと、見る人がみたら「あれ、宣伝かな?」という感じがしちゃうと思うので、読まなくてもいいです!

何を考えているかというと、「物語化」で、何が求められているかというと、「瞬発的な物語」と「長期的な物語」の2つに別れているのではないかという仮説があります。

中途半端な長さの物語は求められづらいというか・・・。

「瞬発的な物語」とは、いわゆる、Twitterで140文字くらいで書いて、ぐわって拡散するみたいな感じですね。

これは、短文での物語作成力が大事になります。逆にいうと危険なのは、拡散を狙うために、嘘をついたり、盛ったりすることが多発します。

感情を刺激するために過激になったりもしますね。

なので、刺激が強い物語はだんだん過激化していくので、怒りや悲しみを刺激すること以外は残らなくなってくると予想しています。

怒りや悲しみほどの刺激はないので、普通の物語は発見されづらくなってしまうというか・・・。

なので、次にくるのは「発見してもらうときは、いい具合に物語を想像してもらう」みたいなものも大事かなと思っています。ユーザーがそれぞれに補完する感じですね。

そして、「長期的な物語」とは、「西野亮廣エンタメサロン」みたいな「数年〜数十年のチャレンジをリアルタイムで応援する」みたいなものを指します。

美術館を15億かけて作るぞ!みたいなところを、土地を買うところからデザイン、そして建てるところまで、一緒にワイワイ楽しめるという感じです。

で、、、そう考えると、瞬発的な物語でも、長期的な物語でも、必要なものは

- 自分を知ってもらう

ことだと思うのです。どちらにせよ、自分のことを深く知ってもらったほうが有利になります。

そして、たぶん「物語が多くなると人は、知らない人のプロフィールを読まなくなる」というふうになるはずです。

となると、この流れは、今、知名度が高い芸能人とか有名人の人が有利なゲームになってしまいます。

たとえば、ビートたけしさんが「人生の集大成になる映画を作りたい。オイラは今まで、こういう思いで映画を作ってきた。こういう賞ももらった。でも実はこういうものが撮りたかったんだ。でもこういう理由で撮れなかった。でも、今だからこそ、こういうのを撮りたいんだ」みたいなことをクラウドファンディングをやったら・・・。ものすごいお金が集まりそうです。

というので、貧富の格差と同じで、持てる人がどんどん得をして、持っていない人はなかなか持つ状態になれない、という問題がある気がしています。

というので、ジャンルごとに自己表現の入り口を増えていくことが、その差を埋めるヒントなんじゃないかと思っています。

たとえば、TwitterやInstagramでインフルエンサーになるのはもう大変ですが、コスメコミュニティの「LIPS」で、コスメインフルエンサーになるのはできるかもしれません。

そういう感じで、総合サイトから、専門サイトにSNSが分裂していって、その中で、またインフルエンサーになるチャンスが来ると思っています。

好きなものを好きといっていることで、自分を表現できて、そこにファンがつくという流れですね。今から総合サイトでインフルエンサーになるのは、なかなか大変というのと、炎上や叩きがあるので、辛いと思っています。

あと総合サイトは普通にインフルエンサーの影響力が弱まっているという報告もあります。

というので、僕がやろうと思っているのは、マンガアプリの「アル」で、マンガ好きな人が、自分の好きなマンガやシーンを共有することで、マンガ界のインフルエンサーとかになれるチャンスを作れないかなーと最近思っています。

たとえば、「アル」では、「本棚」という機能を作ったりしました。自分の好きな本棚を作れる機能なのです。

「自己表現のために、好きなものを列挙する」みたいなところから、自分を知ってもらう形をつくりたいなーと。

そして、ちょっと前からコマを投稿するという機能をやってたりします。

(noteさんの引用できれいに表示されるようになっている!)

許可とったマンガのコマを投稿できるんですけど、ここからでも「こういうシーンが好きな私」みたいなのを表現できるといいかなと。

となると、次からはフォローフォロアーみたいな機能をつけて、個人を立たせるほうがおもしろいかなーと思っています。

というので、試行錯誤しながら作っているので、アルをよろしくおねがいします!

(あれ、最後、やっぱり宣伝になっちゃった😓)

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コメント8件

僕も訪問理美容というまだ世に浸透していないサービスをどう広まるか試行錯誤おりとても勉強になります。
ありがとうございます🚀
「こういうシーンが好きな私」
>とても興味深いです。「先生バスケがしたいです」みたいなシーンはよく引用されるけど、個々人がグッとくるコマはそれぞれ微妙に違うこともある気がして
DRESSが一番しっくりきました

物語は、見てる人もどうやって物語の中に登場してもらえるかデザインすると、仲間意識が芽生えるんだなって思う日々です
淀江町(鳥取県米子市)という山陰の海辺で、生き物達(水鳥やヤギ)のボランティアでの地域振興をしていますが、インパクトがほぼ0という(汗)
やはり、無名なうえに戦略がイマイチすぎるのが・・
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