良い質問をして、良い回答を得るためのコツ
アルというサービスをやっておりまして、その裏側を「アル開発室」というコミュニティで公開していたりします。
そこで、毎週月曜日に「僕になんでも質問していいよ」というコーナーがありまして、キャリアの相談から人生相談、サービスの相談など、いろいろな相談を毎週100件くらい受け取っているのですが・・・。
たくさん質問を受けた結果「こういう質問の仕方をされるといい回答がしやすいな」というのがわかってきたので公開します。
前提
前提としては、「正しい質問を、正しい人に、正しいタイミングで聞く」がベストなのです。
これがどこか間違っているだけで変な回答が返ってきてしまいます。入力がミスっているということですね。
たとえば寝る直前の僕に「焼き鳥屋をやりたいけど北海道と岩手、どちらで出すべきですか?」と聞かれると、超適当に「北海道のほうが広いから北海道じゃないですか」とか答えてしまうかもしれません。
人間、質問をされると反射的に出てきた答えをいってしまいます。なので、質問者が相当気をつけないのと、変な情報ばかり得てしまったりするのですね。
なので、ここは気をつけたほうがいいと思います!
以下は、それらのことを細かくいっているだけです。
1:一番正しい情報を持ってそうな人に聞く
まず「聞く相手が正しいかどうか」はとても重要です。ありがちなのが「聞きやすい人に聞く」パターンです。
たとえば学生さんが起業したいときに、「起業したいけどどう思うか」というのを、会社員やっている親とか、学校の先生に聞いちゃったりします。
でも当然、起業したこともなければ、起業家が周りに大勢いるわけでもなく、起業について考えたこともあまりない人たちなわけです。となると、雰囲気とイメージだけで答えられちゃったりします。
起業家とか投資家だったら、1年中起業に触れているわけです。なので、聞くべきはそういう人ですよね。
というので、聞きやすい人に聞かずに、知っている人に聞く、という当たり前のことが意外とできてなかったりするので、気をつけましょう、というお話です。
2:調べてわかることは聞かない
これも、大昔から言われていることですし、「ググレカス」という言葉があるくらいなんですが、「調べると10秒でわかることを聞く」のは割と損します。
「国連に加盟している国って世界に何個あるんですか?」とかは、調べれば一瞬ですよね。でも人に聞いちゃったりするのはもったいない。
というのも「貴重な質問の機会を、どうでもいいことに使う」ことにもなりますし、答える側も「この人は自分の力を使って、調べたり学んだりしない人なんだな」となってしまいます。
「調べればわかりそうだけど、調べ方がわからない」だったら聞いてもいいと思います。基準としては、15分以上調べてもわからないことは聞く、くらいがいいかもしれません。
3:返答の期待値を自分で言語化しておく
自分でも何がほしいのか?がわからないで質問してしまうと、ふわふわしてしまったりします。また、意図がわからない質問は回答者側が迷ってしまいます。
「明日暇?」みたいな質問が困るというのと似ているかもしれません。何かの誘いなのか、どういう誘いなのかわからなくて回答者が困るという。
質問に対して「情報」がほしいのか、「その人の意見」がほしいのか、「フィードバック」がほしいのか、それとも「共感」がほしいのか。それによって質問の仕方がだいぶ変わります。
「結婚相手に浮気された。どうしたらいいですか?」と聞かれると、どれを答えていいのか、答える側は迷います。
「結婚相手に浮気されました。もう二度と浮気してもらいたくないんですけど、どうしたらいいですか」
「結婚相手に浮気されました。慰謝料と財産分与を確実に取りつつ、養育費を安定してもらうにはどうしたらいいですか」
「結婚相手に浮気されました。とてもつらいのですが、どうしたらいいですか」
によって、全部答えは違ってくるのです。
なので、「自分が求めている答えは何なのか」を言語化し、期待の回答にあわせた質問をするのが基本です!
4:思い込みで一歩先の質問をしない
思い込みで一歩先に行った質問をする人がすごい多いのです。
たとえば「ストレスない人生を送りたい」が希望なのに「ストレスない人生を送るには、タピオカ屋さんになるのが一番だと思うのですが、立地で迷っています。三鷹と押上、どちらがいいですか?」という聞き方をしちゃったりします。
その場合、聞かれたほうも「観光客が多い押上じゃない?」っていう答えをしてしまったりします。
根本の解決したい質問をしたほうが早かったりします。
5:答えを持っているのは自分と認識する
たとえば「35歳です。起業しようと思うのですが、やめたほうがいいですか?」みたいな質問ですが、これは相手に答えはないです。自分の人生の話なので、相手がその答えを持っていたらおかしいですよね。
持っていたとしたら、それはかなり適当な答えです。さらに「35歳で起業なんてやめたほうがいい!」という人がいても、それはその人の一意見にすぎません。
なので、「自分で答えを出すべきことを、相手に答えを出してもらおうとする」質問をしてしまうと変な答えが返ってきたりします。
「35歳で起業するときのメリット、デメリットを思いつく限り教えてください」とかであれば
6:変化球をつけた質問にしない
これもよくあるんですが「無人島に3冊だけビジネス書を持っていくとしたら何を持っていきますか?」みたいな、変化球で聞く人もいるのですが・・・。おそらく質問をおもしろくしようとしているのですが失敗しています。
聞きたいことが仮に「おすすめのビジネス書を聞きたい」なのに、こういう質問の仕方をしていたとしたら、間違った回答が来る可能性があります。というのも、「無人島だったら暇なので、飽きないものがいいな」とかになってしまいます。
普通に「学生です。これから社会人になるのですが、入社前に読んでおくといいビジネス書を3冊選ぶとしたら何がいいですか?」と聞いたほうが、正しい答えが返ってくると思います。
7:データのほうが大事なことは自分でデータを集める
「こういうビジネスプランどうですか?」という質問はめちゃくちゃ多いのですが・・・。ぶっちゃけわかりません。
意見なら言えますが、ビジネスプランやサービスプランにおいて、意見はさほど役に立ちません。自分で集めた、正しいデータだけが頼りになります。
この本が参考になりました。コインランドリーで「自動的に服を畳んでくれる機械があったら何人くらいの人がいくら払うか?」を、外装だけ作って、お金をいれると中で人が畳む、みたいなのを作って実際のデータを集めた人の例とかあります。
8: 真剣に聞く
練られていない質問は結構わかってしまいます。
コミュニケーションのための質問だったらいいのですが、講演会みたいに、聴衆がたくさんいるような場合「とりあえず質問をすることが目的」という質問はイマイチだなあ、と思ってしまったりします。
真剣に困っていること、真剣に聞きたいことを聞くのが一番よかったりします。
というわけで
質問のコツ的なものを書いてみました。
質問力に悩んでいる人は何かの参考にしてみてくださいー!
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