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【けんすう×高城剛 賢者の未来予測】「進化する脳と停滞する脳」VR革命で起きる人類を二分化する超格差社会(2/4)

こんにちは!

先日高城剛さんとの対談記事第2回です!インターネットやコミュニティーの将来はどうなるのか?混沌とする世界の政治や経済の行き着く先は?衝撃的な近未来予測が飛び出しているのでぜひお楽しみください!

★対談相手プロフィール★
高城剛氏
作家、映像作家、広告プロデューサー、DJ、写真家、映画監督など、メディアを超えて横断的に活動。Louis Vuitton、SONYなど100本を超えるCMやミュージックビデオなどの監督やプロデュースを務める。
著書に『2049 日本がEUに加盟する日』『不老超寿』『2035年の世界』『50mm』『BIO HACKING』『いままで起きたこと、これから起きること。』など累計100万部を超える作家としても活躍。2022年には自身が脚本/監督/撮影を務めた初の長編映画となる『ガヨとカルマンテスの日々』を公開。

★高城剛氏が発行するメルマガ
高城未来研究所「Future Report」

■「ドーパミン至上主義」に侵されてしまった世界

高城:一方、いま日本でスタートアップをやっている人達は半端に賢いから危険なところに行かないビジネスマンばっかりですよね。これが多分面白くない、というか本当のイノベーションが起きない本質的理由です。だって、なにも困ってないから。会議でKPI(重要業績評価指数)がどうのとか言った瞬間に、僕は帰るんですけどね。

けんすう:めちゃめちゃわかります! 数字を効率よくあげる「最適化ゲーム」の方に今は比重がいってしまっているから、つまらなくなっているのはありますね。

高城:けんすうさんはインターネットの黎明期から活躍なさってきていますが、現在ではビジネスマンにその場所は占められてしまっていますよね。お金儲けが得意な人がいっぱいいて、みんなイノベーションだとか言ってるわけですよね。

けんすう:はい。いかにSNS中毒にさせて、広告をクリックさせるかということに頭のいい人たちのリソースが大量に割かれています。遊ばせるということよりも、どうクリックさせるかだけをやっている方が儲かるとなった結果、クリエイティビティが下がったと思っています。

高城:けんすうさんは、今後はインターネットのサービスはどうなっていくと思いますか?

けんすう:日本はそういったビジネスのゲームの波にも全然乗ることができなかったんです。ここ10年ぐらいプラットフォームビジネスではほぼ大負けしたので、逆に今はコンテンツを作ろうということになっている感じがしています。たとえばこの5年で見ると、バーチャルYouTuberがすごい流行って来ていて、これが世界中で見られています。創業5年で2,000億円みたいな時価総額がつくようになったのは、面白い現象だと思います。バーチャルYouTuberという謎の存在が、単に喋っているだけでビジネスが成り立っているのは面白い動きですね。

高城:僕からは、2つの側面からお話したいと思いますが、一つ目は、2,000億という企業価値、ひょっとしたら未来価値かもしれませんが、これも金融緩和の影響だったりしますよね。緩和しすぎたために、スタートアップバブルが起きて、あらゆるものの価値が上がりました。でも、金融緩和が今、出口に向かって、スタートアップバブルは完全崩壊した。そうなるとサンフランシスコも崩壊するし、今YouTubeで稼いでる人もどんどん稼げなくなってくると思うんですよ。おそらく、少し先のバーチャルYouTuberしかり。今までのお金儲けの算段は、金融緩和に後ろ支えされた、ある意味運のいい人たちです。自分の実力じゃない。昔でいうバブル紳士だったわけですよね、もうちょっと若いけど。多分この人たちが、いなくなるだろうというのが一つです。

もうひとつクリックの話で言うと、SNSの広告に限らず、ゲームであったり、あらゆるものが基本的にドーパミンの影響下にあるわけです。ドーパミンは動物がエサをパッと置かれた時に、バッと食べるように考えずに手を出してしまうようなものですね。僕は、今の世界はドーパミン至上主義が起きているんだと思っていて、いかにドーパミンから脱するかをずっと考えています。人間には、動物には無い大脳新皮質という脳の場所があって、本来はドーパミンに左右されないよう人間は出来ています。だから、セロトニンやオキシトシンなど、別の神経伝達物質をバイオロジカル的に優位にしておけば、広告を冷静に見られるようになり、クリックをしなくなると思うんです。

けんすう:脳の仕組みからインターネットの未来を考えるのは面白い着眼ですね。

高城:ドーパミンを増やす最たるものが糖です。今の世の中の口に入れるあらゆるものに糖が入っていて、美食家と言われる人たちの実態は、アル中と糖中毒みたいなものです。糖がいっぱい入っている寿司や、糖まみれのタレで焼肉を食べてお酒を飲んで、味を語っています。このような状態から脱して、個々人がどんどん糖を抜いて、ドーパミン・キャピタリズムから脱することができる人が増えるかどうかが、僕の近い未来の分岐点です。糖中毒のまま、瞑想なんて出来るわけがない。今後は、各々の糖を自分でマネージメントすると人生が変わって、けんすうさんの「物語思考」にあるような「やりたいこと」ができる人間になるんじゃないかと思っているんですよ。ハイ、ここでご著書のプロモーションに振りましたよ(笑)。

けんすう:ドーパミン中毒についての本を最近ちょうど読んでいたんです。ここに対して何も規制がされていない状態はまずいなと思っていました。身体に悪い麻薬類は規制されているのに、SNSのようなまるで麻薬のようなものに対しては規制もなく、めちゃくちゃお金が集まってしまう。こうした現状は良くないと感じています。

高城:最近はコカコーラのような糖が大量に入った炭酸飲料も、健康に被害があるということで少しずつ税金かかるようになりましたね。国によっては広告も禁止になりました。

けんすう:いわゆる砂糖税ですね。

高城:これは20年前のタバコと似ていますよね。このままだと、糖の問題で社会保障費が破綻します。個人的にはSNSをやっていないので、冷静にいろんな物事を見られていると思う一方、BBCとニューヨークタイムス以外はWEBもほとんど見てないこともありまして、インターネットで何が起きてるかについて、実はあまりわかっていません。

だから、ソーシャルネットワークが今後どの方向にいくのか? コミュニティはどうなるのか? ドーパミンの次の文化はどこに行くのか? そういうことに大変興味があります。

けんすう:高城さんが今お話してくださった糖のことについて、実はすごく共感しながら聞いていました。私に相談してくださる若い人たちは、動物的な感覚とかにすごく左右されてしまっていると感じています。動物的な脳に操縦されてるために迷ってしまうから、メタ認知しようよという感じのことを「物語思考」では言っているんです。

高城:大脳新皮質を使えということですね。

けんすう:そうですね。まさに、より合理的な方の脳に任せようというイメージです。

高城:人間の脳の基本であるデフォルトネットワーク・モードと、緊急時に動物的な判断をするアテンションネットワーク・モードを、自分ではなく、他者に操られていることが問題です。ただ、常に情報はバンバンと入って来るし、糖も安易にどこでも手に入るから、みんなアテンション状態になってしまっている。だから、呼吸が浅く、過緊張状態にあるわけです。アクション映画をコーラを飲みながら見るとすごく楽しいわけですよ。それと同じことが、今ソーシャルネットワークで起きているのだろうと実感しています。コンビニで安易に買えるお菓子やウーバーイーツで糖質の高いものをたくさん頼んで、それを食べながらWEBサーフィンしていると多分気持ちよくなりますよね。そうやって気分が上がったあとに、ガーンと落ちて疲れるから、調子が悪くなるんですよ。特に女の子は多いと思います、朝からじゃがりことか食べていたりしているから。

けんすう:(笑)

高城:ダイエットの相談してくるのに、朝からじゃがりこ食べてるんですよ。だから、「まずそれを止めたら?」って言います(笑)。

■クッキーやケーキと嗜む。女の子たちが広めた新しい大麻文化

けんすう:その話を聞いて思い出したんですが、人間は蛇を見るとすごい驚きますよね。それなのに、蛇より死ぬ可能性が高い車を見ても驚きません。

高城:蛇は見慣れませんからね。

けんすう:はい。ドーパミンとか、古いものに左右されても今はあんまりいいことがないのに、みんなそっちに流れていますね。SNSとかニュースは、インパクトが強烈ですから。

高城:蛇に噛まれて死ぬより、いまは崖から落ちるなど自撮りで死ぬ方が人のほうが多い時代です。心身ともにアップダウンを繰り返しているから、死因の第一位が自殺になってしまっています。芸能人でもたくさんの方が突然死し、気持ちが下がっているときには、薬で抑えるんですが、よく処方されるベンゾジアゼピンという薬の成分には中毒性があって、アメリカではそれによって多くの人が亡くなって社会問題になったんです。その反動で、大麻が解放されたんですよ。

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