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「努力する遺伝子は決まっているからもう無理なの?」への回答

割引あり

こんにちは!

マシュマロ経由で、こんな質問が来たのでお答えします!

けんすうさんこんにちは。

20台後半のものです。私は継続力がなく努力できないことに悩んでいます。例えばTwitterで呟くこともフォロワーを増やすことを目的にしたら急に呟けなくなります。

また、努力できるかは遺伝子が関係あるとききなおさら頑張ろうとするのは無駄なのかもと感じてしまっています。

というのも、家族、親戚をみて誰1人として頭のいい大学に行った人がいません。私たちの世代でいとこが10名大学受験しましたが結果全員Fラン私大です。浪人は4名いますがFラン私大に進学しています。

もちろん大学のランクで判断するのは安直だとは思いますが、努力できる友人達が親戚に医者や弁護士、有名な芸術家、先祖が◯を発明した人がいると聞いたことがあり、遺伝子の差なのではないか?と感じました。

将来子供が生まれた時にこの努力できない遺伝子が引き継がれるのかと思うと不安です。私はどうすればいいのでしょうか?

なるほど!

なんか多くの人に読んでもらえるといいかなと思ったので、期間限定で、100円で売りつつ、「RTをしたら無料」というのでやってみます。



まず・・・、この「努力できるかどうかは遺伝子で決まっている」みたいなの、たしかに最近、たまに見るやつなんですが、ソースとしてあげられるのが、「The genetics of music accomplishment: evidence for gene-environment correlation and interaction」というやつっぽいんですね。

で、がんばって読んだんですが、僕の理解だと

  • 800組以上の双子のサンプルで、音楽的な達成に焦点を当てて

  • 音楽の練習に対する遺伝子的な影響を調べて

  • 遺伝子と環境の相関の証拠を発見したよ

みたいな論文でした。

実験内容と結果は

  • 800組以上の双子を対象に調査を行ったよ双子は遺伝的背景が似ているため、遺伝的影響を調査するのに適しているよね!

  • 参加者には、音楽の練習の頻度や量、音楽に関する達成(例: バンドやオーケストラでの公演)についての質問をしたよ!

  • 音楽の練習と達成の関係における遺伝的影響と環境的影響を分析してみたよ

  • 練習するかどうかは遺伝子が影響してそうだし、練習することで、遺伝子的な影響が音楽でうまくいくかどうかが強くでることがわかったよ!

  • 練習すると、遺伝的な才能とか、音楽的な成功がもっともよく現れそう!

みいたいな感じ。

なんか「努力できるかは遺伝子によって決まっている」というのはちょっと過大すぎる感じがしました。

たぶん

  • 「遺伝子が、音楽の練習の傾向や頻度に影響を与える可能性がある」

  • 「遺伝子と環境の相互作用が、音楽での成功や才能に影響を与える」

が主な内容なので、ここから「すべてのジャンルで努力できるかは遺伝子が関係している」とまでいえるのかというと、そこまでは言えなそう、と思いました。

論文の最後にも

  • 測定方法は粗いので、もうちょっと練習の頻度とか、強度とかまで詳しくみないといけなそうだし、「音楽的な達成」も、その達成度合いが何かどうかを調べないとね・・・

  • 練習は頻度や量だけじゃなくて、強度も調べないとね

とかで、まだ足りない部分があるよね、といっています。

ただ、すいません、僕、以下に張った「コレスキーモデルってなんだろう」とか「パラメーターの話が全然わからん」というレベルですし、図をみても全然わからなかったので、おそらく書いてあることを理解し切っていないので、自信はないです。こんな感じ。誰か教えてください。

The Cholesky model is a more complex model than the direct-effect model, because it requires the estimation of three parameters (ab, cb, and eb) to account for the shared variance between music practice and music accomplishment, whereas the direct-effect model only requires the estimation of one parameter (b) to account for this shared variance. The models are nested within one another, so comparison of their fits can be used to assess whether the Cholesky model is necessary to account for data, or whether the more parsimonious direct- effect model is sufficient. We can also compare intermediate, hybrid, models to the Cholesky and direct-effect models. Such models would allow for a direct effect of music practice on music accomplishment, but also for third-variable causation by either shared environmental or genetic influences.

なるほどわからん

まあ、一ついえるのは「努力ができるかどうかは遺伝で決まっている、というのは証明されているんですよね。この論文に書いてあります」といわれても、「うーん、本当なのかなあ」くらいの感じでした。

興味あれば、詳しく論文を読んで見ると、印象が変わるかなと思います。DeepLとか、ChatGPTを駆使すれば、英語がわからなくても、論文を読んだことがなくても、なんとか読める良い時代です。

まあ、遺伝子って「努力遺伝子というものがあって、その遺伝子を持っているか、もっていないかによって、努力できるかどうかが決まる」みたいなものではないらしく、もっと複雑ですし、

どのみち、自分の特性を理解した上で解決していくことで今よりはよくなったりするので、絶望をしたり、嫌になっちゃている時間がもったいないかなーと思いました。

その上で・・・

そもそも、「努力する力」とは何かと考えると、、

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