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物語思考の最終章を公開するよ

こんにちは!

すいません、なんか断続的に体調が悪くて、というかなんかずっと調子が優れなくて、昨日はサボってしまいました。今日、二回分くらいの分量があるので、許してください!

というわけで、今日は、今全力で書いてて、そろそろ出版されそうな「物語思考」の最終章を公開します。なんか前も最終章です、といって公開したんですが、しっくりこないよね、というので完全に書き直しました。

なんかなかなか難しくて30回くらい書き直したんです。

というわけで張ります。


さて、ここまでで、本書で伝えたいことは、ほとんど伝えることができました。
 
この最後の章では、「やりたいことを見つけよう」や「キャリアプランを作って、その通りにやろう」みたいな方法がうまくいかなかったのか?みたいなところをお話しつつ、今までの本書の要点をおさらいしようと思います。

①    自分を制限している頭の枷を取る
②    なりたいキャラクター像を設定する
③    そのキャラを実際に動かす
④    そのキャラが活きる環境を作る
⑤    そのキャラで「物語を転がす」

みたいなステップで話してきました。このステップをものすごいざっくりと別の言葉でいいなおすと「自分の将来なりたい像を決めて、それに近づくために一番良いキャラを作り、そのキャラとして行動をしていく」みたいな感じです。

これは、一般的にするような「今までの人生を振り返って分析をして、今の自分ができること、やりたいことを考えて、それを元に人生のプランを作っていく」という考え方とは、まったく逆の方向でやっているんですね。

なぜ今までのやり方がうまくいかなかったのか?

自分の人生のプランを作る時に、「自分は何が好きなのか、何がやりたいのか、というのを自己分析してキャリアプランを作る」というのは一見よさそうです。就職活動で自己分析をして、今までの自分を振り返り、自分の趣味趣向ややりたいこと、得意なことを把握していく作業をしたことがある人も多いのでないでしょうか。

しかし実際は、多くの人が、そのような形で人生設計をしようとして、「やりたいことが見つからない」「自分の得意なことがわからない」「キャリアプランが思いつかない」というので悩んで止まってしまうのです。「自己分析をやったけど、自分のやりたいことなんてわからなかった」という人が非常に多いんですね。

これがなんでうまくいかないかをわかりやすく説明するために、ちょっと漫画の物語の作り方についてお話しします。

漫画を描いたことがない人から見れば、漫画の物語を作るときには、ストーリーがあって、それに対してキャラクターが当てはまっていきそうなイメージがあります。最終回がなんとなく決まっていて、そこに向かう道筋が決まっていて、その道筋をなぞるのがキャラ、というイメージです。

しかし、実際は、漫画などの物語においては、キャラに応じてストーリーが決まっていく、というケースも多いらしいんです。もちろん、ストーリーがきっちり決まっているものも多数あるのですが、その場合でも、「キャラが勝手に動いて、予想外のところに物語が進んでいく」ということも珍しくないんだとか。

仕事柄、漫画を描いている方とお話することがあるのですが、「漫画制作においてはストーリーを練ることよりも、まずはいいキャラクターを作ることがもっとも大切」という話をする人が多いのですね。もちろん、ストーリーや作画も大事だし、他にもいろいろな漫画づくりのノウハウや主張はありますが、「キャラは大事ではない」、という人に出会ったことはありません。

とある漫画家の先生は、「いいキャラクターさえいれば、キャラクター同士が出会ったときに、どんな話をするのか、どんな行動をとるのかが自然に決まる」とすらいっていました。逆にいうと、それらが会ったときにどうなるかは、実際に描いてみるまでわからない、ということすらあるんだとか。当然、物語の作者がストーリーを描いているはずなんですが、当の漫画家からしてみると、キャラクターが勝手に動いている感覚に近いらしいんです。

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