「みんなのオススメ記事」がなぜnote史上で最も重要なアップデートなのか

2020/06/09から、noteさんに「みんなのオススメ記事」というものができました。

何かというと、「無料記事へサポート(投げ銭的に、100円とかをサポートできる)」もしくは「有料記事を購入した」ときにできる、「オススメ」という機能を使って、タイムライン上に、自分のオススメの記事をプッシュすることができる、という機能です。

そこで、サポートや記事購入で「オススメ」した場合のみに、その方のフォロワーのタイムラインへ表示されるように機能をリリースすることにしました。

これが凄いなと思っていて。noteチームって本当頭がいいな・・・と感心しっぱなしだったので書きます。

ちなみに僕も、これができてからいろいろなクリエーターさんにサポートするようになりました。最高だと思います。

フォロー機能の強化

まず、noteにはフォロー機能というものがあります。ただ、いままでのフォローって基本的に「自分の記事がアップされたらタイムラインに出る」というものだったんですね。

noteの性質的に、Twitterなどの他のSNSに比べると、更新頻度はそんなに高くありません。週に1度とか、そんなもんの人が多いんじゃないでしょうか。

なので、ぶっちゃけ「フォローしても、タイムラインをあまりみない」という形になってしまいます。それよか、Twitterをフォローしていれば、その人が記事を書いたときにURLシェアしてくれそうなので、それでいいかな・・・みたいな。

これを超えるには「note上でフォローする人が増える」というのと「noteで記事を書く人が増える」の両方をやり続けないといけなかったわけです。なので、すごい時間かかるなーと思っていました。

「じゃあなんでそんな時間かかる機能を?やめればいいじゃん」と思う人もいると思いますが、そうすると「TwitterとかのSNS上から、着地するだけのコンテンツページ」に成り下がってしまうのです。多くのブログプロバイダはこれになってしまいます。

なので、独自のネットワークは持っておきたい。

余談ですが、Bloggerを作ってGoogleに売却したエヴァン・ウイリアムズが、「ブログプロバイダだと、機能合戦になって、何の優位性も作れないな」と思ってたところ、次のプロジェクトでTwitterのCEOをやって「ネットワークってすげえな」と思って、次に作っているのがMediumというサービスだったりして、これがnoteの元ネタです(たぶん)。

というので、「ネットワークは作りたい」「けど、ひたすら記事を書くのは大変」という中で、つぶやき的な機能を提供してたりした、というのがあると思うんですが、つぶやきだと「Twitterでいいじゃん」になるので、なかなか大変だったのかなと想像しています。

僕、noteで上位のフォロアー数を持っていると思うんですが、Twitterで20万、noteで7万くらいなので、やはりそのくらいの差がでちゃっているわけです。

で、noteが考えた手段が、このオススメ記事だったのです。

どういうことかというと・・・、このオススメ記事の仕組みを使うと、たとえば僕をフォローしている人は、タイムラインに

- 僕が書いた新着記事
- 僕がオススメしている、他の人が書いたnoteの記事

の2つが出るようになる。

このシンプルな仕組みで、一気にフォローの価値と、タイムラインの価値があがったんです。しかも、noteのクリエーター側でいうと、noteでいい記事をオススメしていればフォロー数を伸ばすことができるので、いい記事を発掘しようとするモチベーションにもなりますし、オススメされた側のクリエーターも嬉しい上に、お客さんを呼んできてくれます。

フォローをしている人からしたら、「そのクリエーターに興味を持っている記事」とかが出てくるので、充実して最高です。

というので、どれをとっても完璧な仕組みになっています。

なぜ有料なのか

で、いまのところテスト運用のためか、「オススメをするには、お金を払わないといけない」という状態です。

これは、無料でもできるようにするのか・・・というのは検討中だと思いますが、個人的にはこのお金を払った人だけができるという仕組みは優れていると思っています。

まずこれにより「サポートする人が増える→クリエーターの活動をサポートできる」ということがあるのと、「スパムのように、友人や知人の記事をオススメする」ということがなくなるからです。

もちろん「それよりかは量と速度が大事」となれば無料デモできるように鳴ると思いますが、いまのところはこのくらいのほうがいいのでは?と思っています。

他社はどうしている?

他社でいうと、はてなさんは「はてなブックマーク」という、記事の発見装置があります。これは多くの人がブックマークしたものはおもしろい記事だろう、というロジックで、僕もずっと使っているのですが、、

性質的に「ブックマークコメントで、批判をしたりするもの」も多く上がってきてしまうというのがあります。言い方を変えると、炎上するとあがる。それによりネガティブコメントが更に増える、というのがあり、クリエーターにとっては怖い存在にもなりえます。

その意味で、noteの今回のオススメの仕組みだと記事を書いたクリエーターも、オススメしているクリエーターも、フォロアーも得するし、全員が気持ちがいいので、いいなーと思いました。

今後はどうなる?

で、この先どうするのか・・・というのを予想しておきます。

おそらく、noteチームはこの先まで考えて作ってそうです。

それは何でしょうか?

一言でいうと「noteで記事を書いていないクリエーターのサポートもする」ことだと思っています。

どういうことかというと、、

一番わかりやすいのが、YouTubeとか、soundcloudとかの他社においてあるクリエイティブは、noteに貼ろう、となります。そうすると、サポートしてもらえるかもしれないし、そこから拡散するかもしれない、という期待が出てきます。まあ、YouTubeくらいだとサービス内回遊が強いのであれですが、Google Slidesで作った資料を広めたい、というときなどは、noteに貼り付けるのがよいよね、という流れが作れそうです。

noteで記事を書いていないくても使える仕組みを創る、というのもあるかもしれません。たとえば「note supporter」みたいなツールを提供します。そして、他社製ブログの下とかに埋め込んだりします。すると、noteで書いていなくても「サポートをすることができる」という状態になります。

いわゆる投げ銭プラットフォームですね。

そして、そこでサポートをしたら当然、「オススメ」できるようになります。すると、noteのタイムラインに出てくるわけです。

という感じで、この仕組みが広がれば広がるほど、noteのタイムラインがとたんに「良いコンテンツや記事を発見できるプラットフォーム」になってくるのですね。Twitterとかは発見プラットフォームとしては弱く、意見や批判や誹謗中傷、炎上などが多くて怖い、という面がありますが、noteのタイムラインだと、ひたすら良いものが出てくる、という感じになれるのではないかなと。

はてなブックマークやTwitterなどの、先駆者たちに起こってしまっている「話題のものはおもしろい = 炎上や批判系のものが上にあがる = ギスギスする」という問題を解決する可能性があるなと思っています。

noteがいまの「記事を書けるプラットフォーム」ではなくて「記事を発見するプラットフォーム」にまでなると、ものすごいビジネスが広がります。ネットビジネスの大多数が「集客で困っているから、集客にお金を払う」なので、そこに広告を貼りたい、という人もたくさん出ると思います。

というので、noteがビジネスとして大拡大するための一手何じゃないかと思っており、ある意味ではいままでで最も重要なアップデートなのではないか思っています。

まとめ

というので、バーと書きなぐってみました。

この機能は、いまある仕組みを使って、インターフェイスもあまり変えず、ユーザーの負担なく、わかりやすい形で、なのにも関わらずユーザーの動きや行動をポジティブな方向にぐっと変えて、ネガティブ要素が発生しづらい仕組みにしつつ、将来のビジネスの可能性を広げまくった、というので、ものすごい一手だなと思いました。

最小の一手で、最も効果を上げる可能性がある、最善の策だと思いました。僕も「noteの中で、他のサイトのコンテンツも発見できるようにしたらどうですか」というのを無責任にいってたりしてたんですが、いい案が全然思い浮かばなかったのですが、鮮やかにいろいろなものを解決するものを出してきたので、めっちゃすごいな・・・と感嘆したこの頃です。

というわけで、ガンガンと僕も使っていくと思うので、よければnoteのほうでもフォローよろしくおねがいします!


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けんすう
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