Bad Apple!!から見る生成AI時代のクリエイティビティ
こんにちは!
友達の尾原さんが、「生成AIが 動画・音楽を民主化する時代にBad Appleの展開をしっておいたほうがいいとおもう」みたいなことを投稿していました。
これは、結構確かに!と思ったので、書いてみます!
Bad Appleの基礎知識
そもそも「Bad Apple!!ってなんやねん」と言う人もいると思います。
まずは以下のPVがBad Apple!!です。8000万再生以上されててすごいですね。
そして、これの元ネタとしては「東方Project」と言うものがあります。
東方Projectとは
と説明されています。上記のサイトがわかりやすすぎるので、読むと一発だと思うんですが、ざっくりとは「二次創作が広く許容されているゲームで、魅力的なストーリー、キャラクター、曲などによって、多くのクリエイターが東方を使って、クリエイティブを生み出している」と理解してもらえればいいかなと思います。
で、このBad Apple!!も、その流れの中で出てきたんですが、その流れについては以下の動画がわかりやすかったです。
これも、動画を見てられない、と言う人のためにざっくり説明すると「字コンテを投稿した人のが雑すぎて面白かったんですが、
字コンテとしては割と出来がいい?と言う話になり・・・。
そこから派生系が生まれて行った結果、上記の、影絵のPVが生まれるまで至ったと言うわけです。
クリエイティブを生み出すとは
んで、これは、ヒットするクリエイティブの生み出し方として、ポイントが2つ入っていると思っています。
1つ目は「絵コンテだけの才能がある人もいる」ということです。
Bad Apple!!は基本的には、
「絵コンテ(字コンテ)のダメさが面白くて、それをPVにするというネタ」
という面があったのはいうまでもないんですが、実は割と「コンテ、悪くないんじゃない?」というのもあります。
ポジティブに解釈すると最初のを投稿した人は、おそらく「最終系のイメージはできているが、スキルがない」という状態だったんですよね。(もちろん、ネタ部分も多くあったでしょうけど)。
そして、次のポイントとしては「影絵というアウトプットが最も人気が出る表現だった」ということです。
この曲と、この絵コンテで、どう表現するといいのか、というのが影絵だったとという発見まで辿り着くのには、最初の投稿から1年くらいかかっているわけです。
つまり、クリエイティブにおいて
才能はあるが、表現力のスキルがなくてできていない人がいる
表現の「正解」がどこかは試行錯誤の量を増やさないといけない
というのがあるということです。そして、この2つは結構密接に絡み合っています。
絵コンテを描いた人も、アウトプットを見たら「あ、これはもうちょっとこうした方がいいな」というのがある可能性もあります。映画監督とかでも最初から回答があるわけじゃなくて、何度も撮り直して「あ、これが正解だ」と分かったりするらしいんですが、、
「実際に完成系を見ないとわからない」というのは良くありますよね。
さらに、完成系を見て「これがいいわ」となったとして、それが実際にお客さんに刺さるかどうかはわからないというのがあります。
何が当たるかはわからないので、試行錯誤をたくさんしていく、というのはクリエイティブにおいてはよく言われますね。
生成AIによりクリエイティブは加速するか
んで・・・。これらが生成AIとどう関係するのか?というところなんですが、
まず、「絵コンテだけがかける人」というのが最終的なアウトプットまでできるようになる可能性は高くあります。
「絵や表現能力がなかったから下手な絵でコンテを描いてたけど、最後までかけるようになった」となると、すごいですね。
さらに・・・。アウトプットのパターンを試すというのも複数できます。先ほども言ったように「影絵がすごく良かった」ということを先に気づくために、色々とアウトプットを試すことができるわけです。
影絵だけじゃなくて、砂に書いた絵ではどうか・・・とか、全部を黒板にチョークで描いた感じはどうか?などを試行錯誤をできるわけですね。
要素分解すると
絵コンテスキル x 良いアウトプットを作るスキル x 試行錯誤の回数
の掛け算であのPVが生まれたわけですが、右2つが今までコストが膨大だった(スキルも時間もかかる)と言うのが極めて短縮されるとしたら、新しいクリエイティブの可能性がかなりありそうだなと思いました。
その上で
その上で、人間が関与するところはどこかというと・・・。すでにお気づきだと思いますが、「絵コンテが作れる」というところが大きそうです。
絵コンテのように「設計図」みたいなのを作れるだけで、アウトプットまで作れるとはいえ、最初の設計図は人間が作る必要があります。
そして、ここからがもっと大事なのが・・・。「人間の手で作った影絵は感動するが、AIによって生成されたら本当に感動するのか?」というところです。
先ほどの例の、たとえば「砂で描いてみる」とか「チョークだけで黒板に描いてみる」とかも同じですね。人間の手で描いてたら感動するんですが、AIだったら、ふーんで終わりそうです。
汗かいている感がないと感動しないのかもしれません。
となると・・・。生成AI時代には
一番最初のインプットのところ
一番最後のアウトプットのところ
は人間がやり、間の中の、アイデアを練り上げたり試行錯誤をしたり、色々なパターンを実際に見てみた理、というところで使う、というのがいいのかもしれないですね。
技術を手にすると、人は「全部これでできないか」と考えてしまいがちなんですが、どこで技術を使って、どこで技術を使わないか、は大事だと思っています。
というわけで
Bad Appleを題材にAIをどこで使ったらいいのか?というところを考えてみました。
個人的には最終アウトプットが生成AIのものって、もう見慣れすぎて、全然面白くないので、やはり人間は、人間が出したものを好むんだろうなあ、と思うと、「中間の、クリエイターの作業を減らす方向」で使われる、というのが一番ありそうな未来だなーと思っています。
参考になれば、、では!
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