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編集者がメディアを作るとしたら・・・

こんにちは!

今日も今日とて質問に答えます!

アル開発の会員です!記事を毎回、楽しませていただいています!
メディアのマネタイズについて、相談にのってください!

私は新卒で出版業界に入り、約20年間、本の編集者をしております。
現在は一人会社を起ち上げ、そこで編集を手がけています。
それほど編集者として優秀ではなく、5万部超えを数点手がけたのみなので、今後の出版業界で生き残るのは厳しいと感じ、新しい分野に軸足をずらしていこうと決めました。

これまで培った「編集」というスキルを活かせる分野を、と思い、アイドルに関わろうと考えました。
地下アイドルは数千というグループが競争していて、外見やダンス、トークではなかなか差別化しづらい。
そんな中、一人一人が持っている「ストーリー」ならほかのアイドルから差別化できるはず。
それに加えて、ストーリーを知ることで、既存ファンはもっとそのアイドルを推したくなり、そのアイドルを知らない人も推したくなるのでは?
そんなことを考え、地下アイドルに取材をして、その子のターニングポイントを聞き出し、それを2000文字くらいの原稿にするメディアを作ることにしました。

ただ、単にそれを記事にするだけでは、似たようなメディアはあるので、
・一人語りの原稿(私の名前は●●。20歳。アイドル歴3年です。というイメージ)
・その原稿をアイドル本人に読んでもらい音声配信
・さらにアイドルに写真を多数提供してもらい、写真と音声を合わせた動画を作り、ユーチューブで公開
といったように、「文字」「音声」「動画」という3メディアで発信する予定です。

相談の本題になるのですが、しばらくはアイドルに謝礼を支払って出演いただきつつ、ある程度のフォロワーを得たらマネタイズできれば、と考えています。
今は編集の仕事で多少はお金を稼げていますが、費用を出せるのはアイドルへの謝礼と外注動画編集費くらいで、宣伝費は厳しい現状です(PRは、出演アイドルのSNS任せ)。

けんすうさんでしたら、どうやってこのメディアを大きくして、マネタイズをしていきますか?
また、懸念点として、アイドルを相手にする以上、男性である私は極力、黒子に徹するというか、表に出ないほうがいい気がしています。
ご意見いただければ幸いです。
ん寒くなってきていますので、どうぞご自愛くださいませ!

なるほど!これ、思うところがあるので書きます!

編集の重要性

まず、僕は「編集の重要性」みたいなのはどんどん高まっていると思っています。

ただ、ここで勘違いしないほうがいいのが「編集という作業は、テキストとかを読みやすくしたり、ライティングしたりすることではない」ということです。もちろん、多くの編集の人はこれを理解している(企画とか、読者にどう刺さるのか、とか、ターゲティングとか、そのあたりが大事というのは誰しも知っている)のですが、

なまじっか、記事を書いたり、編集をしたりするのができすぎるから、そこにフォーカスしてしまう、というのはありがちです。なので、今回の質問主さんも、おそらく無意識に「記事を書くところを中心において、そこから考える」というのになっているのかなと。

結論でいうと「編集という技術を持っているから、テキストコンテンツを中心にメディアを考える」とやると、難易度が高くなるかなと思いました!

どゆこと?

幻冬舎の箕輪さんとかは、たとえば本の編集をするときに、校正とか、文章自体をいじるのはほぼしません。企画と、筆者の主張に嘘がないか(ファクトチェックの意味ではなくて、筆者も気づいていない、ごまかしで書いているところとかを見つける)とかにフォーカスします。

彼の活動は、今やラーメンや格闘技、サウナなどに及んでいますが、ラーメン屋をやるときも「もはや行列に意味はない。行列で競うな」とか「味で勝負しようとするな。味をあげていくためのプロセスを見せていき、語りたくなるものにしよう」みたいなことをいって、実際に人気のラーメン屋を作ったりします。

このあたり、ビジネスパーソンのホリエモンのアプローチとは違います。ホリエモンのラーメン屋は「セントラルキッチンで作ることにより、味の品質を高い位置でキープして提供できる。あとは立地」みたいな発想だと思います。

これと編集者の箕輪さんの発想は違うんですね。箕輪さんはやはり編集者的なアプローチです。

彼のメインの編集業は、もはや記事を書いたり、記事を編集することではなくなっているのは一つの象徴です。

他にも、NewsPicksを大きくさせて、今はPIVOTを大きくしている佐々木さんも似た感じです。彼ももともと編集者ですが、そこから動画を中心に動いているわけです。「記事から動画になっているな」というのを極めて感度高くつかんでいるからの挙動だなあ、と。

あとはオモコロとかR25とかも動画にかなり寄せていますしね。。そういう時代です。

つまりは、、「すでに記事メディアはかなり縮小傾向にあり、記事を中心にすると大変」というのは念頭においてもいいかもしれません。

個人的には、おそらく編集者としては文章とかテキストにこだわって時間を使ってしまうと思うので「今回のチャレンジでは一切テキストは使わない」くらいでもいいかもしれません。

ジャンルについて

あとは、ジャンルですが・・・。これも罠がありまして、

メディアでもWebサービスでもそうなんですが「アマチュアのミュージシャンでも質が高い人が多いので、紹介したい」とか「地下アイドルとかで人気の人を紹介したい」というのは、比較的よくあるアイデアで、チャレンジをする人もいるんですが、

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