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インターネットの効率性から弾かれる「切り取られないコンテンツ」に価値がある

こんにちは!

この前、テレビやABEMAとかでは見ない日がない、若新雄純さんと対談をしたんですが、そのあたりですごい共感した話をしたいと思います。

それは「切り取られないようにする発言をしている」という話です。

僕は最近「インターネットの効率性で、切り取られたり、さくっとわかったりするネットニュースなどでは出てこないコンテンツに価値があるよね」という風に思っているので、とても共感したんです。

そのことについて書きます!

切り取り全盛期

今のコンテンツの主役は、どう考えてもTikTokなどの短尺動画です。

15秒や30秒でさっと消費できるコンテンツが求められています。まあ、これは今にはじまったことではなくて、スマートフォン時代には、Twitterなり、Instagramなり、「隙間時間で瞬時に見れるコンテンツ」が主役になった感があります。Twitterでさくっと読めるマンガが人気になったりとかも近いかもしれません。

もちろん、これは長編のものが人気なくなったというわけではありません。Netflixのコンテンツは未だに人気ですし、マンガも長編が人気なくなったわけでもないですし、YouTubeでも長尺のものが人気だったりします。

しかし、コンテンツの探索、という意味では、短尺動画の効率性に叶うものはありません。昔は「レンタルビデオ屋にいって、みたい動画を探して、借りて、家にかえって、セットして見る」という下手したら1時間近くかかうr作業が、YouTubeによって、瞬時に切り替えられるようになったのですが、TikTokはその手間が1秒近くまで短縮していたりするわけです。

となると「長時間見るものと、発見のために短時間のもの、どう設計するか」が重要になるんですが、ひろゆきさんによる、「ひろゆき切り抜き動画」という発明などが、解決法として広まりました(天才では?)。

これと似たもので、ネットニュースがあります。芸能人とかの発言を切り取ってニュースにしちゃうんです。これも一つのコンテンツの拡散方法になっています。

となると、、、演者にとっては、テレビでもYouTubeでも「パンチライン」を上手に言う、というのが最適解になります。ずばっとわかりやすい言葉でいったり、切れ味するどい形で切ったり、などです。これによって、切り取られやすくして、自分の露出が一気に増やせる、ということですね。

んで、、これを否定するわけではないんですが、あまりにその手法ばかりになると、「コンテキストを無視した、鋭いキーワードを言うのがいい」という風になってしまうんですよね。

この問題は昔からあった

この問題は昔からあって。ネットコンテンツがそもそも全部これなんです。

nanapiというハウツーサイトをやってたんですが、お客さんのほとんどが検索エンジンから来ていました。なので、文脈を作れないんです。

また、ネット記事はSNSでバズって人がくる、というのも強いです。昔の僕の記事を見ると、いつも「けんすうと申します、こういうことをやっています」という文章とかで自分を説明していたんですね。

これは、ネット記事では、自分のことを知らない人が大量に見に来るというのがあるからです。本などと違って、内容をプロセス踏んで紹介できないというのがあったんです。

インターネットはハイパーリンクという、URLを踏めばすぐに他のコンテンツに飛べる、という仕組みによって、コンテンツが分断され、コンテキストが失われてしまう性質が強いんです。さらに「わかりやすく短いコンテンツじゃないと読んでもらえない」というのがありました。

あまりに他のコンテンツにいくコストが低すぎて、飽きたらすぐに次のコンテンツにいってしまうんです。これが図書館で借りた本、みたいなのだったら、つまらなくても、他の本を借りに行くのが面倒だから読もう、とか、雑誌でも「まあ買ったし読むか」となったりするのを、さっさと移動してしまうんです。

というのでまとめると、インターネットのコンテンツは

  • 一つひとつが分断されている

  • 一見さんが多く来るのでコンテキストが引き継ぎづらい

  • コンテンツが短い、わかりやすいなど、摂取しやすくないと見てもらえない

みたいな特徴があるわけです。

というので、この性質から遠いコンテンツは、存在しづらいようになってしまっています。

noteマガジンをやっている理由

アル開発室をやっている理由の一つは、コンテキストの引き継ぎです。

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