新しい言葉を知ると新しい認知を増やすことができる
こんにちは!
最近、こんな本を読んでいます。面白いです。
ムラブリ、という民族はほとんどの人が知らないと思いますが、タイとラオスに住む少数民族です。森の中で暮らして、狩猟採集を主な生業としています。
ムラブリ語は文字を持ちません。これは珍しいことではなくて、世界で話されている6000-7000語のうち、42%は文字を持たない言語だ、と本書では説明されています。
そして、一番面白かったのが「ムラブリ語を話せるようになると、ムラブリの身体性を獲得することだ」と筆者が言っていることです。
筆者は、結果として、日本人生活からムラブリぽい生活になっているのですが、そこの描写が面白いので、是非とも本書を読んでみてください。
で、この記事では、「新しい言語によって、新しい認知がインストールされる」ということを書きたいと思います。
どゆこと?
人間の知性、というか考え方は言語の特性から影響を受けていると思います。
例えば、中国語の「面子(Miànzi)」という言葉があります。
中国語の面子とは、「個人の社会的評価や尊厳、体面」みたいなやつです。中国人は面子が大事だとよく言われたりしますよね。
日本語でも「面子」という同じ言葉があるので理解しやすそうに見えます。例えば、日本語では面子が潰された、というと、「プライドを傷つけられた」とか「社会的な評判や評価を傷つけられた」くらいの感じですよね。
しかし、以下の記事を読むと全然違いそうです。
他にもこの記事が参考になりました。
英語にもこの概念はなくて、近いのでいうと「Pride」とかになるんでしょうけど、Prideは「自己評価や自己尊重」みたいなの感じで、やっぱり全然違うでしょう。
しかし、「面子」という概念を一生懸命学んで、理解できるようになると、中国の人が認知している世界や、社会との関わり方がわかるようになるわけです。
こんな感じで、「新しい言語を学ぶことで、新しい認知をインストールできる」とも言えるわけです。
ドイツ語の事例
あと、有名なのでいうとドイツ語の「Schadenfreude(シャーデンフロイデ)」です。
これは「他人の不幸を喜ぶ感情」の意味なんですが、「Schaden(損害)」と「Freude(喜び)」の組み合わせで、直訳すると「損害の喜び」らしいです。
これ、どの文化でもある言葉で、日本語で言うと「人の不幸は蜜の味」みたいな感じでしょうか。
ただ、調べてみると、結構違いがあるらしく、僕の理解だと
Schadenfreude・・・ドイツでは、人間な複雑な感情の一部として捉えられていて、普遍性がある感じ。内面的な満足感のイメージ。心理学的なニュアンスもある。
他人の不幸は蜜の味・・・ちょっと皮肉とユーモアが入っていて、人間の弱さをいじるような感じのニュアンス。また、一時的な快楽の感覚がある。
らしいんですよね。
というわけで、今この概念を知った人は、今後SNSとかで、誰かが炎上している時にちょっと満足感を得たり、誰かが不幸な目になっている時に、変な充足感があったり少しだけ嬉しい側にテンションが上がったりした時には、「シャーデンフロイデが発生しているな!」と思えるわけです。
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