退職ブログ:株式会社リクルートを退職しました(2009年に)

こんにちは、2009年に株式会社リクルートを退職して以来、ずっと書こう書こうと思っていた退職ブログですが、ついダラダラと時間がたってしまって、11年も放置してしまいました。申し訳ございません。

なんで書こうと思ったかというと、退職ブログはダサい!とか、いやいやいいでしょ、とかが少しだけ盛り上がってたのを見たからです。

で、「個人的には退職ブログは、自分のキャリアややったことの発信になったり、やめたよ!という一括お知らせとしての情報だったり、いた時を振り返って頭の整理になったり、お世話になった人へのお礼をまとめてできるから便利じゃない?」と思ったんですが、僕、退職ブログを書いたことがないので、書いたこともない人があれこれ言うのも違うなと思って・・・。

なので、書いてみました。

リクルートでの経験

2006年に新卒でリクルートに入社してから、素晴らしい仲間たちに恵まれて、いろいろな経験を積むことができました。

1年目では、ドコイク?という地図をベースにした検索エンジン、地域サービスを担当しました。

当時、まだリクルート社内では許容されていなかった口コミ機能を、ホットペッパーやケイコとマナブ、などあらゆる部署に許可をとりにいき「クライアントの悪口が書かれたらどうするんだ!」とか言われながら、なんとか許可をいただいたり、法務部の人から「裁判所に立つ覚悟があるのか!」といわれ「あ、僕、学生時代、何度もたっているので、大丈夫っす」といって怪訝な顔をされたりしましたが、みなさん、「でもまあ、若けえやつが、新しいチャレンジしようとしているんだから、やらせようぜ」となって許可してもらったのは、すごい嬉しかったです。

入社半年からPC版の全体のプロデュースをやらせていただく、、というのもあり、新卒1年目からサイトの責任を任せるとかすげえなと思いました。ワイヤーをまともに書いたこともなく、感覚でやってたので、仕様決めなどで苦労しましたが、先輩方の指導のもと、経験を積ませていただきました。当時、ポンコツもいいところだったんですが、なんとかみんなの支えのおかげで実行できました。

ドコイク?はすでに潰れてしまいましたが、「ゼンリンと組んで、地図をガリガリによくして、その上にリクルートが持っている情報と、それ以外の情報を入れて、超すごい地図ベースの地域サービスを作る」というのは間違っていなかったと思います。地図から口コミがかけたりしたりしたのも、今のGoogle Mapを見るに、インターフェイスとしては間違っていなかったのではないかとも思います。

ただいかんせん、まだiPhoneも出ていない時だったので、PCとガラケーでやるのはちょっと時期が悪かったのかもしれません。しかし、当時はまだインターネットバリバリではなかったリクルート社でしたが、技術的なチャレンジ、新しいサービスを生み出そうという心意気はすごいなと今でも思います。

2年目では、ブログウォッチャーという、電通と東工大とリクルートの合弁会社の、まだ立ち上げて間もないチームに編集長?として配属されました。東工大の言語解析の技術、ドコイク?で培ったクローラーの技術などをベースに、ブログなどの、今風にいうとインフルエンサー的な人を集めてメディアにし、そこに電通が商品を作って売る・・・みたいなのを想定して作られた会社でした。

これも、「ブログだけにしてもクローラーの精度あげたり、アルゴリズムで検索順位変えるの超難しいよね」みたいなことに気づいたり、「電通さんの企画の考え方や仕事方法、超すごいけど、それを持続性あるサービスとして実現するのは超難しい」など、いろいろなことを学びました。東工大、電通などの他社の優秀な人たちと働けたのはおもしろかったです。

途中で、「もっとずるい方法をやろう」と思って作ったサービスが小さくヒットして、小さく売上ることができたのがいい経験でした。ただ、3社の持ってた大きなビジョンなどには寄与できなかったので、プレイヤーとしては貢献度が低くてやばいなあ、と思っていました。

3年目は、Facebookみたいな、コミュニティのプラットフォームを作るのがいい、という発想から、コミュニケーションプラットフォーム開発Gというところに配属されました。しかし、いろいろ考えても「Facebookを今から超える方法が思い浮かばない」というので、かなり迷走して、たいしたサービスを作れずに終わってしました。僕が素敵なサービスを思いついていればいけた可能性があるのですが、完全に実力不足です。

あえた人たち

リクルートでは、化け物クラスの人材と一緒に働けたのがすごかったです。たとえば、直属の上司は、現在のBOOKWALKERの社長の橋場さんであり、同じ部署の先輩には、Kaizen Platformの須藤さんがいました。同期はアドテク会社で上場しているジーニーの工藤さんです。

すどけんさんはマジでおもしろいのですが、最近本を出すらしくて、楽しみで仕方ありません。

となりの部署には、じげんの平尾丈がいたり、STRIVEの代表パートナーの堤さんがいたり、IT評論家の尾原さんがいました。一緒に働いた別部署だと、Indeedの社長をやっている出木場さんなどもいたりして、人材の宝庫感がすごかったです。あ、今、僕がやっている「アル」に投資をしているVCのアンリもとなりの部署でした。ニコニコ動画をよく見ていたイメージがあります。


リクルートのすごいところ

リクルートのすごいところは、上記のように、スーパープレイヤーが多い会社ではありつつ、そういう人たちが抜けても、強みを維持しているところです。そもそも、38歳定年説、みたいなのがあるくらい、転職をガンガンして、残る人がいない会社(だいたい6年もたてばほとんどやめるイメージ)なのに、会社としては伸びているのがすごいです。

これは完全に、組織の練度と申しますか、オペレーションがすごい点にあります。

また、リクルートというと、一定の人材イメージがある(明るくてガツガツしてそう、営業会社ぽい)人が未だにいると思いますが、どちらかというと、どういう性格の人でも生きやすいあっけらかんとした感じです。

現在のグループ従業員の平均年齢は30代中盤、課長職以上の女性管理職比率は約25%らしいんですが、男女や年齢に関係なく、仕事だけで評価されるというシビアな感じも個人的には好みでした。

あと、社内報文化もすごくて、情報交換が密です。社内報でリクルートの競合会社のえらい人にインタビューして「リクルートはなぜ駄目なのか」とか聞いちゃったりしていて、おもしろかった記憶があります。

というわけで

リクルートには大変お世話になりました。やめたあとにも継続的にお仕事くれたりして、本当にいい会社だなぁ、と。

僕は、というと、今は、アルというマンガサービスをがんばっています。

すごいがんばっているので、ぜひとも使ってください!


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けんすう
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