話すのが苦手な人のためのプレゼンの裏技テクニック
僕のことを直接しっている人にはよく知られた話ですが、僕はなかなかどうして話すのがヘタでして、コミュニケーションをとるのが得意ではないのですね。
特に、大人数の前だとすごい緊張しちゃうので、落ち着いて話すこともできません。心臓がバクバクいい、足が震えます。10人以上いる会議で発言とかかなりキツイです。
で、そんな僕なんですが、プレゼンをしなさい、となる時もたまにあって、そういう時、結構困るのですね。どうしたらいいんだと。
しかし、何回か回を重ねていくことで、話す技術を向上することはできなくても、表面的なテクニックでなんとかカバーすることは出来るな、と思ってきました。ハウツーですね。僕はハウツーが好きなんです。
そのあたりのテクニックをたまに後輩に教えたりするのですが、ブログにまとまっているほうがいいかなと思ったので、紹介します。
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最近、こんな感じの講演をIVSというところでしたのでこれを元に説明していきます。よければまず動画を見ておくとわかりやすいかもしれません。
時間ないよ、という人は、ログミーでも大丈夫です。
けんすう氏が語る“遊びが仕事になる”時代の事業の作り方 - ログミー
ちなみにこのセッションは、「参加している経営者を前に自分の経験を話す」というものでして、出て来る人たちも有名な経営者が多く、聞いている人も、若手経営者から、上場企業の社長までいて、なんというか、すごく話すのに緊張しちゃうセッションでした。
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まず、イントロ部分です。
プレゼンをはじめる時のスタート方法なんですが、最初の5秒くらいで、笑いがとれるのが理想です。まず自分の緊張がほぐれるという大きな効果があります。最初に笑いをとっておけば、会場が暖かく観てくれているような気がするので、気持ちが楽なんですね。
さらにいうと、実は聴いている人も新しい人のプレゼンがはじまると緊張していたりします。どんな話なんだろう?おもしろいのかな?と身体が硬直している状態です。
というわけで、最初に笑いを取ることで、話し手も聞き手も双方がすごく楽になるのです。
しかし、最初に笑いをとる、というのはなかなかのハードルですよね。
そこで、僕が使っているテクがあります。それは内輪ネタを使うということです。笑いをもっとも誘発しやすいのは内輪ネタなのです。開かれたジョークは難しいですが、閉じたジョークは難易度が低いです。
しかし、知らない人が多くいる場でプレゼンをする場合は内輪ネタが難しいですよね。というわけで、そういう時の内輪ネタとして一番いいのが「直前に発表をしていた人のネタを使う」ということです。
この動画では、僕は最初に「今日はとくに次元を超えるような話はしません。」という風にいって、一笑いいただいております。
これは、この動画だけを単発で見るとわからないのですが、その前に、平尾丈という、『じげん』という会社の社長が「次元を超える経営学」というタイトルで発表していたのですね。これがめちゃくちゃおもしろくて盛り上がった。
プレゼンがうまいっていう人のことはこういう人のことを指すんですよねえ。。
なのでみんなの頭に残っている「次元を超える」という表現を使って、「とくに次元を超える話しはしません」というだけで、前の人をいじっていることになり、笑いやすくなります。
人は、「おもしろいから笑う」わけですが、実は「笑っていい場所だとわかりやすいところで笑う」という性質もあります。会場で、一人だけ笑うのって恥ずかしいですからね。
なので、内輪ネタを一発目に持ってくると、笑っていい感がすぐわかるので、笑いやすいのかなと思って、内輪ネタを入れています。
前の人をおもしろおかしくいじるのに注意したいのは、リスペクトを忘れないこと。ただいじるだけだと嫌な雰囲気になっちゃいますからね。
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最初に笑いをとれたら、すぐに何を話すのかを明確にします。
僕は「今日は『遊び半分の起業のすすめ』がテーマです。(中略) 最近、遊びと仕事の境界線っていらないんじゃないかなと思っています。なぜ境界線がいらないのかっていうのをお話ししたいなと思います。」と言いました。
スライドはこんな感じです。
幼稚なくらいはっきりと話すことを述べたほうがわかりやすいです。イメージは小学生が何かを発表する感じです。
話しが上手な人は、いろいろな話しを詰め込むことができます。10個のことを、わかりやすく話すことができるのです。
しかし、話しがヘタな人は、10個のことを伝えようとして、わかりづらくて、結局0個しか伝わらなかった・・・ということがよくあります。
なので、僕は「一番伝えたいこと1つ」に絞ってそれを話すようにしています。そして、それを明確に最初に述べることで「あ、この話をするんだな」って聞いている人にわかってもらえます。
TEDみたいなプレゼン大会を見ると、情緒たっぷりにストーリー仕立てで話して共感を呼んだりしますが、ああいうのはレベルが高い技法なので、最初に話したいことをいっちゃうほうがいいと思っています。
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次にどう話しをつなげていくか。
僕は、このプレゼンでは
> とくに若手の人は「起業家はめちゃくちゃ働け」と、先輩とかに怒られたりすることもあると思うんですね。これはその通りです。
とつなげました。そして、そこでグラフを出しました。
「ちなみにこのグラフ、この資料の中で唯一のグラフです。」ということで、笑いを取ります。
これは僕は「クソグラフ理論」って呼んでいるんですが、ビジネスの場で、クソみたいなグラフを出されると、結構笑っちゃうのですね。
グラフって説得力を増すために使ったりするので、そういうグラフをこんな適当な場所に入れる、という手法は、初心者にも使いやすいのでオススメです。
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上記と似た話しなのですが、スライドはとにかくシンプルにしたほうがいいです。1スライド1つのことしか言わない、というのは鉄則です。
さらに、1枚のスライド上でも、どれだけ情報量を減らすか、というのを気をつけたほうがいいです。
たとえばこんくらいにします。
こんな感じです。聴いている人たちは、なるべく少ない労力で、なるべく多くのものを得たいはずなので、スライドを理解させるということに頭を使わせないようにします。
ちなみに話す内容はすべて資料に入れておきます。アドリブしません。緊張しすぎて頭が真っ白になっても、資料をクリックしていれば聴いている人が理解できる、くらいのイメージで作っています。
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で、言いたいことを最初のほうにいってしまえば、あとは肉付けです。
ここは自分の経験談を話すのがいいです。
経験談のいいところは、自虐しやすいところです。爽やかな自虐は笑いやすいんですね。安心感があるというか。
このあたりは実際のプレゼンを見てもらうとわかると思うんですが、適度に自虐しつつ、余計なことを省いて、なるべくシンプルに普通に時系列で話せば大丈夫です。
時系列は誰でも理解できる順序なので、ついてこれなくなる人はいません。ただし気をつけないといけないのは、ついつい色々話したくなってしまって長くなり、飽きられるということなので、話し足りないな、くらいで止めておくといいです。
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そうそう、話し方についても書いておきます。
プレゼンというと、身振り手振りが大げさで、感情こめて話す人が上手だって思われがちなんですが、ああいうのは難しいので諦めます。
ボソボソしゃべる人(僕とかですね)は、ボソボソしゃべるほうがいい内容にしておくべきです。早口の人は早口が生きる内容に、話すのが遅い人は遅いほうが生きる内容、言葉が詰まる人は沈黙が多いほうがいい内容にする、という感じです。
その上で、知っておくといい話し方テクニックとしては、以下の3つくらいを抑えておくといいです。
「胸よりも上で身振り手振りをする」
「視線はまっすぐを見る」
「まっすぐ立つ時はゆらゆらしないように足の裏に力を入れる」
下手な人は動きが少なく下をむいててゆらゆら動いてたりします。これらを防ぐだけで、ちょっと堂々と見えるのでオススメです(ちなみに今、自分の動画を見たらめっちゃゆらゆらしながら下むいていて笑いました)。
特に身振り手振りは大事です。
僕、日常生活だと動きが少なすぎて気配がなくて、一緒に歩いている人にすら見失われたり、みんなでご飯食べに言った時、僕のオーダーだけ忘れられるとかよくあり、あだ名が「忍者さん」とかになったりしがちなのですが、プレゼンの時はがんばって手をあげます。
ジェスチャーするのは恥ずかしいのですが、スライドを指差すふりをして動作を大きくします。自分でやってみると、結構派手な動きをしているような気分になりますが、見ている人にとっては、そんなに大きな動作には見えないのです。
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まとめは、最後、一言で話してしまう。
話が下手すぎてマジで何も伝わっていなかったとしても、最後のスライドだけ見れば、何を話したのかわかるようにしておくといいです。
会場ではたぶん真面目に聴いていない人も結構いて、仕事してたり寝てたりします。そういう人も、最後のスライドを見れば、わかった気になります。
伝えたいことが伝わればなんでもいいので、最後にもこういう締めをいれておくとよいと思います。
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終わり方も重要です。「拍手をここでしてね」というタイミングを、全員がわかるようにします。
具体的には「ご清聴ありがとうございました」スライドとともに、お辞儀をするのが一番ラクです。
できれば、最後はゆっくりというと、拍手の準備ができます。
拍手しやすいと、拍手が大きな音になるんですね。そうすると、成功した感がでるじゃないですか。みんなも「あれ、いいプレゼンだったのかな」って思ってもらいやすいくなります。ずるいテクです。
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というわけで、プレゼンのテクを紹介してみたんですが、これを書いてて自分でさほど上手に実践できていないことに気づきました。最後のお辞儀のスピードも早すぎるし・・・。
といいつつ、まあ、準備した50%でもできていれば上出来だと思うのです。
なので、話下手な人は、なるべく準備をして、少しでも聴く人にとってよい話ができるようにがんばってみるといいかなと思いました!