新卒で入社したときの最初のつらさをくぐり抜ける考え方
そういえばそろそろ新入社員の季節ですね。
なんか「新卒で入るけど、何に気をつけたほうがいいか」とか「成果を出すためにはどうしたらいいか」などの質問が多く来るようになってきました。
で、そういうノウハウ系とかよりも、個人的には「新卒で入ると最初なんかつらいけど、そのつらさをくぐり抜けるにはこういう考え方をするといいよ」というのをお伝えしたほうが、みんなのメンタルもヘルシーになるんじゃないかなと思うので、書きます。
個人に目を向けないほうがいい
まず、新卒で入る人の多くが「自分のスキルが足りない」とか「自分が成長せねば」とか「無能だと思われたらどうしよう」など、かなり「自分」のことについて気にしています。
ただ、自分のことばかりを気にしていると、だいたいのケースでつらくなります。というのも、新卒って当然ながらスキルも経験もないので、先輩たちよりも成果をあげることはかなり難しいからです。
なので、新卒は「なんて私はダメなんだ」と落ち込んだりしちゃいます。怒られたりもしますからね。いやになりますよね。無能だなーとか思っちゃうんですよね。
というので、自分という個人に目を向けるのはやめるといいと思います。
じゃあどこに目を向けるかというと、完全に「組織」です。チームと置き換えても、会社と置き換えてもいいんですが。。
組織に目を向けると新卒には価値がある
組織に目を向けると何がいいかというと、、
結論から書くんですが「新卒は、新卒という存在がいるだけで、組織にとっては価値がある」んです。
なので、新卒の人はいるだけで価値があるといってもいい。入社して会社にいっているだけで100点です。
といっても意味がわからないと思うので、どういうことか・・・というのを説明します。
新卒に期待されているのは、個人の成果ではないんです。何を求められているかというと・・・
- 組織の暗黙知などを質問することによって、言語化されていく
- 新卒に教える事によって、業務の知識が深まる
- 未熟な新卒をマネジメントすることで、マネジメント能力があがる
- 新卒に業務を任せて、失敗させて、それをカバーすることで、組織の練度があがる
- 組織メンバーの目が、新卒の課題に向かいやすいのでチームビルディングになる
- 新卒がいることで、上のメンバーたちの対立が減る
- 組織の常識が固まりつつあるところを、まっさらな知識で壊す
などだったりするんです。
組織というのは結構硬直したりしやすく、また、みんながこれは当たり前だな、と思っていることでも実はお互いに差があったりしたりするんです。
みんなわかっているよね、ということが、実は全然解釈が違ったり。あと、仕事について理解していると思ってたことが意外と理解していなかったり。
で、それを同僚同士では指摘し合うのは結構難易度が高いんです。相手の知識のなさを指摘すると空気が悪くなりそうですし、気を使います。
なので、新卒にいったりします。新卒に教えるという体で話しているのを、他の人がきいて「あ、こういう意味だったんだ」と思ったり・・・。
新卒にはみんな言いやすいので、指導したり、怒ったりすることで、自分の知識を再確認したり、整理できたりもしてたりします。
なので、恥ずかしがらずに質問をできたりする人とかは、すごく組織にとっては助かる人なんですよね。
左ききのエレンという名作漫画でも、そういうシーンがありますが、、わからないのを人に聞けることで、組織が活性化するのはよくあります。
そんな感じで、雑な言い方をすると「新卒は新卒のままで、いい感じにがんばっているだけで、価値がある」という感じなんです。
余談ですが、リクルートという会社にいた時に、新卒の役割ってなんですか?と聞いたら、誰かに「新卒の成長とかどうでもいいんだよ。新卒がいることによって、2年目とか、若手が成長するんだよ」的なことをいってて、なるほどなー!と思った記憶があります。
というわけで
新卒で入社すると、たいてい怒られまくったり、成果出せなかったりしてつらかったりする人も多いと思うんですが、「これ、自分がいるだけで価値だせているんだな」と思うと結構楽だったりします。
自分が無能だと思うと人は病んでしまったりするのですが、新卒の人は新卒のままで、存在するだけで価値を出せるという有能なカードなんです。なので落ち込む必要は一切ありません。会社に出社して、前向きにがんばってれば100点です。自分がいるだけで組織の練度があがって、貢献しているということなので・・・。
まあ、実際の会社では、たまに「新卒をろくにマネジメントできずに、成果を突然求めて、詰めまくる会社」とか「下っ端の仕事をさせる後輩」みたいな扱いをするところもあったりするんですが、、、、
そういうところでも「新卒の自分という存在をうまく組織に使えていないなんて、マネジメントが下手だなあ」と思ってやり過ごすといいと思います。
文中でも出てきた「左ききのエレン」はサラリーマンの話しとして最高におもしろいので、ぜひ読んでください
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