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僕のやってきた失敗したサービスについてのまとめ

19歳、まだインターネット黎明期の2000年くらいから、本格的にインターネットサービスを作り始めて来ましたが、非常に多くの失敗をしてきました。

失敗したものって目立たないので、あんまりデータとして残っていません。

基本的に、僕は失敗しないほうがいいと思っているタイプです。うまくいかないパターンを潰した、という失敗はいいと思うんですけど、多くの場合、思考が深くなりきれなかった、やるべきことをやりきれなかった、とかです。

というので、思い出をまとめてみました。

インターネットサービスを作りたい!とか、事業をやりたい!という人に参考になるかなと思って書いたんですが、書き終えてみると、そこまで学ぶことがなく、恥を晒している感じなので、980円に設定しています。どちらかというと、暇つぶしとか、人の失敗をみて安心する用です🤣。そして、そこまで読まれたい!というわけでもないので、おそらく一定数までいったら値上げ or ストップするので、怒らないでください。

(2022/02/07追記) もう3年近くたったので、予告どおり値上げしました

売り上げは、次のサービス、すなわち、僕がやっているマンガサービスの「アル」のために使われます。

ミルクカフェ

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ミルクカフェ

2000年くらいのときに作った学生コミュニティです。正確にいうと、2000年の6月に大学受験に関するコミュニティを作ろうと思って、予備校の掲示板をJBBSというレンタル掲示板を使って「10<受>ちゃんねる」という名前ではじめたのがきっかけです。

僕が、ちゃんと作ってユーザーと触れ合った最初のサービスです。

受験生が集まるサービスとしては結構流行りました。月5000件投稿くらいあったのではないかな。予備校業界では結構名前が売れ、これを見ていた!という人に結構言われた記憶があります。その意味では、一定の影響はありました。PVは2001年とかで1000万pv/月あたりだったと記憶しています。(この数字も、当時、Google Analyticsとかじゃなかったので怪しいですね😮)

うまくいった点としては、受験生が大学受験に関するやり取りをする場としては、一瞬の輝きはあったことです。

失敗点としては、いろいろあって。

まずは僕の大学受験が過ぎたあとに、これをどうしようかなと思って、学生コミュニティまで広げたこと。これにより、雑談が盛り上がったり、高校別の掲示板にまで広がったのですが、何についての話す場かというのがピントがぶれてしまった気はします。

たとえば、高校別掲示板。これは愚策でした。

高校別も、盛り上がる高校とそうでないところがでてきます。コミュニティはネットワーク効果じゃないですが、一定規模までいかないとおもしろさはでません。となると、一部の高校で盛り上がっても、その高校ではおもしろいけど、人がいない高校のはつまらない、、となりがちです。

というので、全国の高校全部で盛り上がる必要があるので、そもそも設計として無理がありますね。これが予備校だと「代々木ゼミナール」は割と全国にあり、講師もかぶっているので、話題として盛り上がりやすい。コミュニティとしては難易度が低かったのです。

これが高校単位でやろうとすると、全国5000個でそれぞれ個別で成功しないといけないので、辛かった。大学単位でも同じですね。なので、相当なパワーが必要ということを理解していませんでした。

また、ミルクカフェでは、徹底的に「生徒の情報はポジティブだろうとネガティブだろうと削除」としていたのですが、「学校裏サイト」の元祖らしいです。ミルクカフェがきっかけ・・・とは思っていないんですが、この掲示板の存在で、各地の掲示板ができて、学校裏サイトが問題になったりしたので、少し悲しい気持ちですね。

あとは、警察沙汰や裁判が多かったこと。警察はたぶん数百件以上対応していますし、裁判も3回起こされたので、匿名掲示板を中央集権でやるのは、仕組み的に管理負担が大きいので難しいなあと思いました。削除は完全にボランティアでしたが、ボランティアのマネジメントもそこそこ大変で、かつ会社でもないので、僕のやる気がある時とない時があるので、難しいナーと思いました。

開発は初期は僕がやりつつ、途中から、学生のボランティアさんが一緒になってやってくれていました。スクリプトは匿名掲示板系のものを最初使いつつ、Level3-BBS Scriptに移行したんですね。2chから漏洩したスクリプトも流行っていましたが、僕はlv3派でした、、といってもたぶん99.9%の人がわからない話題なのでこれくらいにしておきます。

ビジネス的にはたまに広告が入る、みたいな感じでしたが、基本的にサーバ代のほうが高いので、利益とかはなかった気はします。

というわけで、2009年くらいに、閉鎖しようとしたら、閉鎖することがヤフートップにでてすごい勢いでお問い合わせとかがきました。

学生向け掲示板「ミルクカフェ」が閉鎖 9年の歴史に幕 -

友達のサイブリッジさんに譲渡しました。

というわけで、こんなノリでいきます。以下有料です。

ネットゲッターズ

思い出すのに時間かかった。奇跡的に、WebArchiveにありました。

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2001年くらいにインターネットのテキストサイト的なものをやりたくて書いていました。そういう、ネット文化的なテキスト考察サイトが流行ってたのですが、それに憧れて作りました。

自分のことを「漏れ」といってたり、鯖とかドキュンとかそういう言葉を使ってたりして、ものすごい当時のネットカルチャーが漏れてておもしろいですね。何いっているかわからないw。語尾がにゃーとかなんなの。キレそう。

それなりに読まれてた記憶はあるのですが、更新しなくなった問題はたった一つで、全部htmlで書いてたんですよね。ブログとかなかったし。日記スクリプトとかは基本的にダサかったし。

ここから、ブログプロバイダとかを思いついて展開してたら、それなりに何かあったかもしれないんですが、そこまで頭はまわらず。個人の日記サイトくらいで終わったしょぼいサイトでした。

サービス名のセンスがなんかこう、ダサくていいですね。ネットゲッターズって。

バーチャルネットギャル男山田17歳

2002年とか?バーチャルネットアイドルちゆ12歳、とかが流行ってたんですが、ブームも一段落あたりしたあとに、明らかに遅れたタイミングで友達とやっていました。

友達がすごい文章力があったので、彼の文章力を使えば、人気のテキストサイトを作れるんじゃないかと思っていました。

Vtuberのテキストサイト版だと思ってもらえればいいんですが、死ぬほどウケませんでした。

検索しても一切出てこない・・・。本当にやってたのか?

したらば / JBBS@したらば

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したらばです。まだ現役サービスです。

これは僕が作ったサービスではなくて、僕が途中から社長になった、、という形なのですが、2ちゃんねる型の匿名掲示板を作れるサービスです。

PVは僕がいたときに3億くらいあったと思うのですが、これは僕がどうこうはほとんどなく、最初のアーキテクチャが素晴らしかっただけですね。

レンタル掲示板は、それぞれの管理人がいる分散型なので、これをもうちょっと「ゆるやかに全体はつなげつつ、それぞれの掲示板は管理人がいる」という形でうまくいかせたかったのですが、全然ダメでした。

実は、ミルクカフェ@したらば、みたいなことをやろうとしたんです。大学別の掲示板をしたらばでやる、みたいな。ただ僕のプロデューサー力がまったくなくて、場を混乱させるだけでしたね・・・。

慶應チャンネルとか早稲田ちゃんねる、みたいなのの大学別のが結構当時あったんですよ。流行ってたし。それをうまくつなげることが理想でした。

中央集権のコミュニティは難易度が高いので、分散型で何かできないかなぁ、とこの頃からずーと思っていたんですが、結局できなかったです。無念。

結局、サービス自体は「初期に作った人たちのものそのままが正解であり、そのままで15年続くサービスになってた」という点で、僕の関与はほとんど意味なかった感じですね。。

サービスとしては成功していると思うんですが、僕が関与した点で何かポジティブなインパクトはなかった、というので、失敗事例にいれてみました。

MILKCAFE:WORDS

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これ、結構いいと思ってたんですが、全然ダメでしたw。2005年くらいのチャレンジぽいですね。

匿名掲示板をやってて思ったのが「客観情報と、主観情報が混ざることで、議論がしづらくなっている」ことなんですね。

なので、「スレッドの1はwikiになっていて、客観情報をみんなで編集できる。スレッドの2以降は掲示板になっていて、主観情報をかける」という風にしたらいいと思ったんですよね。

そうすると、掲示板上での議論が整理されてわかりやすくなる、と思ったのです。さらに、ミルクカフェの配下に作っていたので、掲示板で知らない単語が出てきたときも、そっちで調べることもできる、と。

すごいいいなーと思ってたんですが、全然でした。。

考えてみれば、ニコニコ大百科とか、そういう仕組ですね。良いサービスだと思って好きなんですが、「コメントがつけられるWikipedia」みたいな感じに収束している気もするので、ネット上での議論をよくするための仕組みとしては、これじゃないのかもしれない、と思いました。

令和とは (レイワとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

ちなみにこのアイデアは、民主党政権のときの、文部科学副大臣の方がやってた「熟議カケアイ」っていう、学校の先生とか教育関係者が議論するサービスにも提案をして、実際に作られてたのですが、そっちはワークしていました。あれおもしろかった。(僕はアイデアを作っている人に提案しただけで、作ったわけではないです)

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こんな感じで、議論のまとめを常に客観的に書いてあって、主観と客観がわけられたみたいです。

こうすると、声の大きい人が何度も主張することで、議論の方向性を決める、みたいなことができなくなるからいいんじゃないかなーと思っていました。

スポコン

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2003年〜2004年くらいにやってた、アマチュアスポーツのニュースサイトです。たしか最初は「フットサル場とかを検索できるサービス」みたいな感じで作ってたんですが、ビジネスとか営業とか全くできなかったので、頓挫して「じゃあアマチュアスポーツのニュースサイトをやろう」と思って友達と作りました。

たとえば、セパタクローとか、日本は結構強いんですけど、当時ニュースサイトがあまりなかったんですよね。そういうのがニュースとして流通しないのはもったいないな~と思ってたのです。亜細亜大学とかまでセパタクローの試合を取材で見に行ったりして、おもしろかったです。

で、情報源としては、各選手のサイトとか日記とかブログとかからひっぱってきて、ニュースにする、ということをやっていました。

オリンピックのときとかはそこそこアクセス数あって、800万pv/月くらいまでいってた記憶はあります。当時、SEOっていうのがあまりガツガツやられていなかったので、上村愛子、とか有名なスポーツ選手で1位を取るのは簡単だったので、そういうところからアクセスが来ていました。

後輩に譲渡したんですが、その後、放置されて、そのまま閉鎖しちゃったぽいですね。

当時はGoogle Adsenseとかも黎明期で収益はゼロでした。ビジネスモデルがないままニュースサイトをやるのは相当な熱量が必要だったのですが、その熱量もない、といったらアレですが、僕がスポーツ全般的に見ないし知識がないという決定的な弱点があり、ダメでした。

あと、「アマチュアスポーツが好き」というくくりって、管理者都合なんですよね。スポーツ好きな人って「スポーツ系なら全般的に好き」か「野球とサッカーとバレーが好き」とかなので、「プロかアマチュアか」みたいな区分けはいらないです。

典型的な「競争を避けて、強い人がいないニッチの分野をやろうとしているけど、特定しすぎると市場が小さいので、ニッチな分野をまとめちゃった」というケースだと思います。

これが「セパタクロー専門サイト」だったら、セパタクロー好きが集まる熱量高いメディアになるんですが、ユーザー数が少ない、となっちゃいますし、スポーツ全般メディアになると、プロ野球やサッカーなどの専門メディアとは戦えない。というところで、アマチュアスポーツ、と逃げた感じがします。

まあ、ちゃんとやってれば、2000万pvくらいのニュースサイトにはなったと思いますが、まあ、それでも、、という気がするので、やめて正解かもです。

萌えBBS

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アニメやマンガの匿名掲示板を作ろうとして作ったやつ。最初はたしか、「あずまんが大王」というマンガについてのみ話す掲示板だったのですが、これが異常に盛り上がったので、やりました。

かすかな記憶をたどると、たしか「patipati.com」みたいなドメインでまずやってたんです。そこからmoebbs.comというドメインにかえました。

お絵かき掲示板とかもあって、盛り上がっていました。数百万PV/月くらいはいってたかもしれません。

あずまんが以外だと「なりきり掲示板」というのが流行っていて、要はキャラクターになりきって投稿ができるんです。おもしろかった。

ただ、なんか、お絵かき掲示板が「児童ポルノだ」っていわれて、eNomってところにドメイン剥奪されたんですよね。ひどいなあ、と思いました。全然エッチな画像とかなかったのに、ダメだったので欧米は厳しいですね。。。

サービスは友達に譲渡しました。

ニッチな匿名掲示板って、まあうまくやればそれなりに人が来るんですが、2ちゃんねる以外、ほぼ全滅といっていい状態になりましたね。当たり前ですが、リスクの割にやるメリットが「楽しい」以外になく、また、古参がいついて、それで新規参入が減るので、盛り上がるのは最初だけ、、という弱点はあると思います。

そもそも、趣味についてのコミュニティってみんなやりたい!ってなるんですけど、一ユーザーあたりの滞在期間が短いんですよね。あずまんが大王について熱く語りたい!という気持ちはあっても、3ヶ月くらい語ると、語り尽くされちゃうんです。

なので、ニュースがしょっちゅうあるような分野だったり、議論そのものが盛り上がるものだったりしないと、コミュニティサイトは続かないと思います。

そもそも知らない人とコミュニティサイトで交流する人は、全体の1%〜2%しかいない気がするので、どちらかというと「読み手を考えた作りにして、メディアぽいアウトプットがでるコミュニティ」を作らないと、ビジネスとしてはきついと思いました。

図でわかるドロップシッピング

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