「ユーザーの声」を上手に聞く方法

この前、noteのCXOである深津さんの記事で、こんなものがありました。

簡単にいうと、「ものごとに対して、5回、なぜ?を繰り返す」ということが思考を深めるのによいよ、という話です。

元ネタはトヨタとかなのかな?

これは、僕も昔から意識しており、絶対に実践した方がいいものだと思っています。

余談ですが nanapi の共同創業者である和田さんと最初に作ったサービスが「なんで」というサービスです。これは「解決したいことをいれると、5回、なんで?と繰り返し聴いてくれるサービス」です。

ご想像の通り、めちゃくちゃ大したことないサービスなんですけれども、まあ、そのくらいこの考え方は結構大事にしています、ということです。

で、アプリやWebサービスの開発において、この5回繰り返すというのはとても重要です。上記の深津さんの記事でもありますが、特にユーザーから「こうしてほしい」といわれたときには必ずやったほうがいいことです。

この記事では、なぜしたほうがいいか?などの話をしたいと思います。

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まず、考えてみれば当たり前ですが、ユーザーは、「そのサービスを使っている人」なだけであって、そのサービスを作るプロではないわけですね。

イシューからはじめよ」という名著に書いてあるのですが、「課題の質」と「解決の質」の両方とも高いものでないと、真にインパクトが出る結果を生み出すことはできません。

ユーザーが持っている「こうしてほしい」というのは、課題の質としては高かったりするのですが、解決の質が高いかと言うと、決してそうではありません。なぜなら、サービス提供のプロではないからです。

しかし、これが困ってる、というのの解決策は自分の知っている範囲でユーザーは伝えようとします。

実例で話したほうがわかりやすいかもしれません。たとえば、あなたがブログを作れるサービスを提供しているとして、ブログを読んでる人から「全体的に文字サイズを大きくしてほしい」といったような要望が来るとします。

その理由としては、5つのなぜを繰り返すと

- 文字サイズを大きくしてほしい
- (なぜそうしたいのか) 読みづらいから
- (なぜ読みづらいのか?)文字がごちゃごちゃしているから
- (なぜごちゃごちゃしてる?) メリハリがないから
- (なぜメリハリが少ない?)多くのブログ執筆者が見出しをつけないから
- (なぜしない?) 見出しのつけ方がわかりづらいから

といった感じになります。(追記:5回繰り返して相手に聞くんじゃなくて、自分たちの中で、深掘りしてみる感じです!)

「読みづらい」というのは読者にとって非常に質の高い課題ですが、解決策としては、文字を大きくすることは効果が少ない「質の低い解決」になってしまいます。

今回の場合「質の高い解決」は、たとえば「見出しの付け方を誰でもわかるくらい、ブログのエディタをわかりやすくする」とかなんでしょうか。ともかく文字サイズを大きくするよりはいい方法が出せそうです。

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よく「ユーザーの声を聞きましょう!」「ユーザーファーストで行きましょう」と言われますが、大事なのは「ユーザーのためになることをすること」であって「ユーザーの言うことを聞くこと」ではありません。

では、「ユーザーのためになること」とは何か。それは、先ほど言った通り、「課題の質」と「解決の質」が両方とも高い施策をやることだと思います。

リソースには限りがあります。「やったほうがいいよね」程度の施策をやっていたらリソースが足りなくなってしまいます。クックパッド社がよく「Betterな施策はやるな、Bestだけにしよう」といっているらしいですが、まさに課題の質も、解決の質も高い、インパクトがあるところのみの施策をやろうという意味だと思います。

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ということで、ユーザーから何かの意見がよせられたら「背景にある課題は何か」をよく考え、その課題に対して一番質の高い解決法は何かを考えるといいのかなぁ、と思っています。


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